「二人ともお人好し?」ラ・カリファ talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
二人ともお人好し?
イタリアの1968年は日本ともドイツともフランスとも北米とも違うようだ。労働組合、ストライキなど労働者運動がメインであることかなあと思う。2年前のイタリア映画祭で見た「赤い砂漠」(公開1964年・アントニオーニ監督)を思い出した。
労働者と経営者の分断、経営者間の軋轢を描く社会派映画にロミー・シュナイダー、というのはいいけれど恋愛が絡むとは想像外だった。彼女は顔が広く仲間からも信頼されている肝っ玉姉さんである。でもまさか彼女が仲間と共に糾弾している経営トップのドベルドと恋仲になるとは!でもドベルドOKと思えるようになった。理由は彼がだんだん若々しく見えてきたこと、素直になったこと、彼女の気の強さを愛する男であること、自分自身もかつては労働者で苦労してきたことを忘れずにいる人間であったこと、友達を大事にする(一晩中庭に立っていた友を寝ずに見守っていた)人・・・だから。それでも彼女もドベルドもいい人過ぎるというかお人好しだった。経営者側は全く甘くなかった。
チグハグ感が気になってしまってモリコーネの音楽が印象に残らなかった!残念。シュナイダーの眼と鼻と唇、美しかった。
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