ルックバックのレビュー・感想・評価
全173件中、101~120件目を表示
そもそも原作が映画だったから
観に行くのはほぼ藤本ファンだろうから、映画的である事が最たる特徴である藤本作品を映画化するなら、制作陣はその意味を提示しなくてはならない。ちゃんと「映画」になっていた。演出意図が明快なので。声優さんの仕事ぶりも良い。編集と通話するシーンのナチュラルさとか。時折テレビなどで耳にする"アニメ声"を変だと思う私の感覚は異常ではないようだ。
【追記】声は女優さんだったのか。なるほど。
【再度追記】案外言及してる人が少ないので。ルックバックというタイトル、メインは事件が起きない「ifの振り返り」だろうけど、子供の頃に京本が藤野の「背中を見て」いた、ラス前に京本の部屋で藤野が「振り返って」半纏の「背中を見る」と。序盤の背中にサインという仕込みがラスト近くで一番情感に訴える演出になっているのは本当に映画的。原作でも2コマでセリフを被せて過去シーンに繋げる映像的表現となっている。来場者特典のストーリーボードからの変化が決定的なのが興味深い。つくづく映画的な漫画。
無慈悲に死が訪れるのは事実
見た時は、大事な人の死で涙誘うのはいつもの映画の手だよね。と思ってだけど、僕らは突然無慈悲に大事な人が亡くなるのをたくさん見てきた事に気がついた。その人達のことを忘れないようにしようと思った。2日経ってもガンガンしている。これから漫画を買おう。
まさにルックバック
振り返ることはできても戻ることはできないまさにルックバック。
情緒豊かな2人によって繰り広げられるストーリーはみるみるうちに観客を引き込みラストには感情が爆発し泣かれる方も。
個人的には空の演出が印象に残り夜から始まり夜に終わる、そんなところに一生の儚さや尊さを覚えました。錯誤する運命に元気づけられ前を向き先へと進む藤野。思い出してももう振り返らない。短い映画ながら全面に良さがでていると感じました。
自分が進む理由
2人で漫画を描いた少女の話
四コマで知り合った2人は高卒後にそれぞれの道を歩み美術大学行ったひとりが亡くなる。生き残りは後悔するが背中をみてまた歩みを進める。
どうみても京アニ事件。
背中がポイント。
映画は長ければいいという訳ではないことを教えてくれる映画だった。
日本アニメと青春の懐かしい感動
あまりインプット無しに観ましたが感動しました。1時間で1700円でも大満足。
冒頭は凝ったカメラワークで格好だけの映画ではないかと不安になりましたが、全くそんな事はありませんでした。
途中の畦道を走るシーンなんて溢れ出る感情が画面いっぱいに伝わってきて、生き生きとした動きに日本アニメの真髄を観ました。
引き合いに出すのも失礼かもしれませんが、ジブリが鳴りを潜めてから、日本のアニメは人の心の機微を描けない不自然なアニメが増えたように感じてましたが、ルックバックはそれを払拭してくれました。
得意げな気持ちを堪えても口の端から漏れてしまう子どもの笑みの魅力的なこと、
二人だけの世界で音が鳴り止み、聞こえない笑い声が聞こえること、
澄んだ空気、何気なく美しい日本の景色や時間の移ろい、
若く直向きで不器用で混じり気のない青春とそれを絵で表現するしかない衝動に感動しました。
不幸な事件も参考にしてリアリティを出したのであろう場面もありますが、最後も安易なハッピーエンドにせず、しっかりと現実と向き合ったストーリーには好感を持ちました。
今時の漫画を原作にしながら、日本アニメの良さをしっかりと受け継いだ素晴らしい映画だと思います。
容赦なく、心をエグる、𝐋𝐎𝐎𝐊 𝐁𝐀𝐂𝐊!! !!
主人公の性格が悪い為、死地に追いやった事のみならず、もっと優しく素直に接すれば良かったというルックバックが際立ちます。よって映画体験、読者体験の為に、このようなキャラに設定したのだと思います。鑑賞後は重苦しさをダイレクトに味わう事になる為、死を扱った良くある一般作品と一線を画していると思いますし、また流行っているから観てみようと足を踏み入れると、観客の心に一生の傷跡を残してしまうでしょう。京本の訛りがきついのは、純朴さを表していると思います。卒業証書はプリントと違って重要書類なので、やはり先生が直接手渡しするべきだったと思います。また特別料金で子供でも1700円ですし、1700円はやり過ぎだと感じました。繰り返し観たいという方もいるでしょう。一人でも多くの方が本作を観て、悔いのない人生を歩む手がかりになれば良いと思います。それが創作や映画の役割なのだと改めて感じました。
なんか惹き込まれるストーリー、現実的。
まったく内容知らずに視聴。
主人公の挫折や成功、葛藤とかとかを綺麗に描いている。ストーリーも比較的サクサクと進んで行くので見やすい。大きな感動や笑いとかはなかったけれど、グッと心にくるものがあり、訴えかけてくる印象。
2人の感情がしっかりと伝わってきてとても良い。終わり方も変に語ったりせず、凄くいい。
1時間短いなぁとか思ってたけれど、見てみてこれでいいって思える。通しで見たいとこではあったし、これより長くても短くても嫌になってたかもしれない。
1度見てみて欲しい作品ではあるかな。
短いけど心洗われる良作
「ファイアパンチ」「チェーンソーマン」の藤本タツキ原作。原作未読でしたが、面白かったです。
ストーリーはシンプルで、藤野と京本という二人の女の子が小学生4年生から20歳ぐらいまでの話。学級新聞で4コマ漫画を描いていた藤野は、同じ学級新聞に掲載する引きこもりの京本のことが気になっていた。卒業式の日に二人は出会い、一緒に漫画を描く、って話。
上映時間は50分と短い話ですが、話が動き出すまでが長い。でも、この部分が「上手い絵描きになるとは?」って、本作の主題を描いているんですよね。答えは「ひたすら描く」こと。下手でも、上手い人に嫉妬しても、周りが冷ややかな態度でも、ただただ描き続けこと。
最後のエンディングに向かう部分の工夫が上手です。あのまま、普通に扉を開けて、あの四コマ漫画を見つける、でも話は畳めるのですが、少しファンタジーな転調を入れることで、清々しくエンディングを迎えられます。
エピソードは地味だし、キャラクターも主に2人だけで、テーマは絵を描くこと。こんな材料でも、すごく心が洗われる良作です。
四コマとキャラの性格が気になる
美術ガチめにやってきてるんだけど、あまり響かず。
物語にハッタリとか意外な真実とか欲しかった。
四コマから二人の美術歴を細かく想像してしまい、それが本編のキャラの言動と一致している感じがしなかった
京本が都合よく背景しか描かないキャラだから成立していた漫画のタッグって感じがして、確かに楽しい時間ではあるだろうけど…。京本が藤野の嫉妬をギリギリ回避できたから成立した友情というか。
その上で最終的な結論が「一読者としての京本こそ藤野の創作の原動力」。それを美しいBGMで演出されていたのに混乱😵💫そんな美しいものかよっていうか…もっと生々しさを事実とした演出がみたかった
あと序盤の四コマ的に、藤野は人物描写と漫画の起承転結の上達を意識しており、京本は背景美術とか写実的なうまさに憧れが小学生の頃からあるように見えた。
本当の絵を描く原動力は互いの存在とは別の部分にあるからこそ京本の死後も藤野は普通に描いて当然と思えてしまた。
だって京本の絵見て本当に憧れて戦慄するなら背景美術の本買うよね、真っ先にルーミス先生買うってことは何か初めから凄い明確な目標あるよね藤野…
なんか細かい行動の違和感が無意識に積み重なり全然感情移入できず、突然の京本の死もコンセプトが曖昧っていうか💦
あと単純にどんでん返し的なエンタメ要素が欲しかった。
またifの中で京本が書いた「せなかをみて!」の四コマは、背景ばかり描いてた京本が急にそういうの描いてるのが不思議で。
コンセプトが判断しづらくどこに感動すれば良いのかわからず。自分が美術の道に進んだせいで京本の行動が当然の進路選択に思え、それに反対する藤野に共感できず感動や驚きもなく…
キャラデザはとにかく可愛くて京本の不器用でホワホワした感じが好きだった
人体の練習にスケッチブックはリッチだな!クロッキー帳にしとけ!と藤野にで思った
紡ぎ出される映像・音楽・演技に没頭
これはあれだ、「ソウルメイト」だ。
幼い頃からつづく友情。二人で共有した青春の時間、そして喪失と再生。
だからといってどこかで見たような物語を見させられたことということは全くない。
紡がれた映像・音・演技で二人の熱や思い、季節の移ろい、心の機微が存分に
感じられて没頭できた。60分程度の短編だけど濃密な時間で控えめに言って良かった。
予告の印象にとらわれず、見に行って良かった。
まず何より、主人公の藤木の絵が下手。コレ重要。
自分は原作読んでなくて、映画館の予告集で見て「イマイチだな〜」という印象を得て、公開後にその印象に全く反する好評を聞いて見に行った口。その悪印象の原因が、トレーラー冒頭の藤木の四コマが映るシーンと、直後の京本の「先生は漫画の天才です!!」のセリフだった。「この絵で天才?おいおい勘弁してよ」というのが予告見た時点での感想。それが実際の「漫画の天才です!!」のシーンで覆った。
作品冒頭、件の四コマがストーリー化されたアニメーションか流れる。ドライブ中の突然の事故、瀕死のカップル、来世でもう一度出会い、もう一度キスをすることを誓い、最後のキスをして息絶える二人、数年が過ぎ、突然前世の記憶を取り戻す少女、「彼はどこ?」
突然、宇宙の彼方に視点が切り替わる。地球目指して飛来する隕石。それは「彼」の顔を思わせる形で心なしかキスをねだるように、突き出した唇のような突起が……そして隕石は彼女目指して落下していき、画面は真っ白に……
そして場面は学校の教室に切り替わり、学級新聞が配られる。先程までのシーンはその新聞に書かれた四コママンガのストーリーだったことがわかる。クラスのみんなからは好評だが、二つのシーンを比べてみればわかる。作者の頭の中にあるストーリーを、四コマに落としきれていない。ついでに言うなら、みんな口々に藤木を絵が上手いとほめるが客観的に言って(前述の通り)彼女の絵は下手だ。
ここで、藤木が調子乗りでプライドが高くてちょっとイヤな性格なのがわかる。このあと先生に呼び出され、二つある学級新聞の四コママンガの枠の片方を京本に譲ってくれないかと言われて、(会ったことのない)京本を見下しながら承諾する。
そして、(まあかなりの人は予想してしまうだろうが)藤木のプライドは粉砕される。京本の絵は圧倒的に達者で、藤木は心の底から負けたと感じてしまう。なにより、この前まで藤木の絵を絶賛していた連中に「藤木の絵って京本とくらべたらなんかなんか普通じゃん?」とまで言われるのだ。この屈辱と怒りに、もっと絵がうまくなって京本と他の連中を見返してやると誓い、上達への道を模索して物語は動き始める。
この冒頭の部分、挫折と奮起の繰り返しというルックバックの重要なエッセンスであるが、ここで藤木の絵が下手なことが生きてくる。下手であるということは上達の余地があること、ここから絵を描いて描いて描きまくることで絵が上達していく様が具体的に見えてくる。
もう一つ、藤木の絵が下手なのは重要な意味がある。それは、藤木が京本に『マンガ家として』決して負けていないことを表している点だ。漫画家としての藤木は絵で勝負するタイプではなく、アイデア一本に賭けるタイプでもなく、ストーリーテリングが本領の、ちょっとブラックなテイストがウリのタイプだ。その点を正確に読み取っているからこそ、出会いのシーンの「先生は漫画の天才です!!」がするっと出てくる。藤木が京本の絵に絶対に勝てないと嫉妬したように、京本も自分では届かないストーリーテラーの才に強烈に憧れたのだ。実は京本は作中、藤木との合作シーンを除き、全く漫画を描いていない。京本が学級新聞で藤木の四コマの横に載せていたのはマンガではなく、淡々と綴られた風景だ。作中で京本が単独で描いた四コマ「マンガ」は、あの事件の後に藤木の手に届いた一編だけだ。
藤木が結構イヤなヤツなのも、同様に重要な意味がある。京本を部屋から引きずり出したあの四コマだ。
ドアの隙間から京本に届いた四コマは、しかし部屋から出てこようとしない彼女に対して藤木が抱いた怒りと皮肉を込めた、仄かな悪意に満ちた代物だ。そんな、藤木のいらだちの塊を、京本は自分を変えてくれた宝物として大切に持ち続けていた。だからこそ、自分のせいで京本はあの事件に遭ったのかもしれないと思い至ったとき、藤木は後悔に身を焼いたのだ。自分が敵わないと思った相手を勝手に敵視しライバル視し、相手にされないいらだちを即興の四コマに変えて相手にぶつけるような自分、その四コマを文字通り一生の宝物として大切に持ち続けた京本、あのとき藤木の心の中には、「なんで自分はこんな意地悪な四コマを描いてしまったんだろう」という思いで一杯だったはずだ。
だから藤木は思い出の四コマを破いた。ズタズタにされた思い出の欠片は、しかし世界を越えてささやかな奇跡を起こした。藤木のもとに帰ってきたあるはずのない四コマは彼女にもう一度立ち上がる勇気をくれた。帰ってきた四コマが破かれた藤木のそれと違って、感謝の気持を表していたのは、きっと藤木にとって救いだろう。
見終わった時に思ったのが、この話、中川翔子の空色デイズかピッタリハマるなと。誰もがみんな、ささやかな後悔を抱えたまま、憧れに押しつぶされそうになりつつも手を伸ばしながら生きていくんだなあと。
書きたいことはもっといっぱいあるけど、(入場特典コミックと本編の違いとか)とりあえずここまで。第一印象にとらわれず見に行ってよかった。
泣かそう、泣きに行こう映画
原作未読。
チェンソーマンの原作者の作品という事以外は一切の情報を持たないまま、ただ何故平日の昼間でもこんなに人が入っているのかを知りたかった興味から観に行きました。
泣ける映画という事で実は自分も泣く気満々で臨んだが、結果泣く事はなかったが、それなりに面白いとは思った。
音楽、ストーリー共に普通の人であれば琴線に触れてくる構成で作られていることは疑いないが(だって登場人物二人のうち一人が亡くなるんだから)、そもそも藤本たつきさんの描く登場人物自体が皆可哀想な顔立ち(チェンソーマンもそう)であるという事も悲しさや寂しさにドライブをかける効果があるのだと思う。
劇中冒頭の4コマ漫画のシーンは面白い見せ方だと思ったが、最後のもしも自分が部屋から出さなかったらという想像シーンはどういう効果を狙ったものなのかは正直言ってわからなかった。
学校に行ってないのに美大にAO入学できたり、片方のみ東北弁だったりと気になる点はいくつかあったが、本作の大きなテーマや流れを捉えて観た場合にはほんの些細な事になるのだろう。
声をあてた河合優実さんと吉田美月喜さんには違和感が全くなかったので良かったと思う。
上映館を絞り、鑑賞料金を一律1,700円にした意図って発表されているんでしたっけ?
自分にとっては金額相応で元が取れたと思わせる様な作品ではなかったかな。
ふたりの少女の出会いと別れ
クラスの人気者のマンガが得意な調子の良い女の子と、背景の絵が凄く上手な引きこもりの女の子の出会いと別れを描いた秀作。
原作は以前にネットで流し読みをした記憶があり、チェンソーマンの原作者がこんなマンガも描くんだと思った。
原作が短編マンガなので映画も1時間くらいがちょうどよい感じ。
少女の生活が淡々と描かれていくんだけれど、作画も良く、主役二人は(後で調べたら)声優が初めての若手女優とのことだが違和感は全くなく、特に京本の方言を使った引いた演技は素晴らしかった。また、バックに流れる音楽が凄く美しいメロディーも印象的。
ふたりが共作したマンガが認められ、連載が決定後に引きこもりの女の子が初めて自分の意思を通したが故に解散とその後に訪れる悲劇。
その後、本ストーリーとは別の世界線が描かれるけれど、あのシーンがあったからこそ、悲劇の中に救いが感じられたので満点にしました。
なんか人気のアニメ映画、知らんけど
ルックバックは知りませんでした。チェーンソーマンは、ずっとNetflixのお気に入りリストに入ったまま未視聴のままでした。
なんかやたら評価が高いアニメ映画だなと思いつつ、価格が固定な事(ある意味良心的)時間が60分未満ということで、スルーすると思っていましたが、翌週に観る映画が無いので鑑賞しました。
初見は、行間の多い普通の映画だと思いました。
ここまでファンを惹きつけるのだから、それなりの話の展開があることを予想して鑑賞です。ある意味予想通り、やっぱりそうなるのか、という感想です。
ここからネタバレですが、、、
正直、どちらかが死ぬのだろうと思って見ていましたし、それが事故なのか事件なのか自死なのか、それが分からないと思っていた程度です。
話の展開で、「京本」の性別がハッキリしないので、もしかしてマイノリティか、男の子なのか、2人は恋愛するのかな?とかも思いました。
そして最後、ニュースを聞いた瞬間、「京本も殺された」と一瞬思いましたが、「いや、それだと単純すぎるので、ぎゃくに男の子の京本が犯人なのか?」と頭をよぎりました。
ある意味、予想通りで言葉に要約すると、よくある?「死」を連想する青春ストーリーなのかなと思います。
ただ、所見から、変な間やシーンがあるので、何か意味があるのだろうと、随分行間の多い作品だなと思いました。
そこで、いろいろ調べて、その行間の意味、熱烈なファンが多いことも納得しました。
まず、初見でも、「どういう意味だろう?」「私の理解出来ていない何かがある」と感じさせる作品としてはかなり素晴らしいのだと思います。
同時に、それが映画を見ただけでは伝わらないのであれば、問題のある作品とも言えると思います。
一緒に行った友人も、まったく同じ感想で、単純だけどよく分からない、何か意味があるのかと、後で調べたい、と言っていたので、初見の人の共通的な感想だと思います。
もう少し間を置いて、いろいろ予備知識がある状態でもう一度観たいとも思いました。
今回は、何となく予告動画も観ずにフラットな気持ちで鑑賞しましたが、これだけ高評価なので、何かとんでもない展開を期待してしまいましたが、本当にフラットな状態で観れたらもう少し違ったのかもしれません。
ちなみに、良い機会なので、前夜からチェーンソーマンも鑑賞中です。ジャンプらしからぬ、「友情」「努力」「勝利」とはかけ離れた展開で一気にこれは人気作なのも納得です。藤本タツキさんという方は、とても刺さるセリフや展開、闇を含んだ展開、これは惹き付けられるのも納得です。
作者の都合で人を殺すな
作者の都合で登場人物が死ぬ話があんまり好きじゃないのね。
殺さなくても同じ内容を描けただろうと思っちゃうの。
人が死ぬと心が動くから、物語を描くのが簡単になるんだよね。
作者の技量が足りないが故に登場人物を酷い目に合わせるなよ。
物語的に京本が死ななきゃいけない理由も分かんないんだよね。これ本当に分からない。
京本を殺す通り魔の動機は京アニ事件のパクリなんだけど、あれは京アニだから起こる事件であって、地方の芸大の発表会程度では起きないでしょ。そこも安易だったな。
でもそこまでは良かったね。
『藤野先生!』って京本が飛び出すシーンは良かった。
藤野のキャラ設定もすごくいいね。
「これ原作はどんなだったんだろう」と思って原作読んだら、そのままだった。
そのまま、絵が動いただけだった。
絵が動いたから『藤野先生!』のシーンとか感動増してると思うけどね。
原作読んでたら、映像観なくていいね。
原作そのままの映像化は、今は多くの人が望んでることだね。
でも、原作のままなら、映像化する意味はないなとやっぱり思ったよ。
一緒に頑張ってきた親友が不幸な目にあって、それがひょっとすると自分のせいで、でも、そんなこともなくて、前を向いていくんだっていう小品だね。
マンガの短編で読むと、すこし余韻もあっていいけど、映画館で60分近くみたら「なんだこれ」と思ったな。
なんて言えばいいのだろうか。。。
私は映画をそこそこ見る方だと思いますが、本当に何年かに1度、衝撃のあまり上映中は泣くことも出来ずただ呆然としたまま見終わったあと映画館を出てから涙が溢れ、翌日以降もその気持ちを引き摺ってしまうような映画に出会うことがあります。ルックバックもそんな作品でした。
ルックバックは少年ジャンプ+に掲載された時も読みましたし、その後に発売された単行本も買いました。それぐらい大好きな作品だったので映画化が発表された時は嬉しかったのですが、同時にあの内容をアニメで見てしまえば恐らく精神的にはやられるなと思っていたので怖くて見れていませんでした。でも、こんな好きな作品を劇場で見なくてどうする?と思い、勢いで映画館へ。今は見てよかったと思っています。
この作品を「面白い」や「悲しい」などという言葉では表せないし、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかを区別することもできません。そもそも原作者の藤本タツキ先生が何を伝えたかったのか、アニメ会社の事件に対するメッセージがあるのかも分かりません。
ただ僕が言えるのは、是非見てください。この作品から感じる何かを、余韻を、ぜひ感じてください。誰かのレビューや感想で満足するのではなく、あなた自身の体でこの作品を味わってください。
想い
ルックバックには、振り返る、思い返す。と言う直訳になる。この作品では、背中を見てともかけているのが天才すぎるる。
主人公は、自分のせいでと考えてしまう場面があるが、きっと京本はそんな事思ってるはずなのにそう思ってしまうのは相手が自分にとって大切な存在だったからなんだと思う。
京本の家であの日会ってなかったとしても、また再会してたし、漫画も書いていた。運命論的な側面もあるが、影響を与えた人間は、与えられた人間側からしたら一番幸せになって欲しいと思ってると自分は感じた。
この作品は、色んな感情の表現が最高に上手くて、この作品を作り上げたスタッフや関係者様々な想いを感じる事ができる素晴らしい映画だと感じた。
漫画の時から映画だったけど、営業だともっと映画だった。
上手く表現できないけど、そう思える良い映画だった。
振り返れば京本がいる
原作も知らずに観ましたが、メチャクチャ良かった!
60分あっという間!2人の人生が濃縮されていて深い感動に包まれた。
京本という恐ろしく絵の上手い存在を認知した時の延々と教室が増幅していく演出は井の中の蛙をうまく表現してるし、その京本から大ファンでベタ褒めされたあとの踊るように帰るシーンとか、観ているだけで楽しい!
初めて2人が描いた漫画が入賞してもらった賞金で街に繰り出すあたりなんかは、藤野は最高のパートナーを得たし京本は世界を広げてくれた人と出会えたし、本当にお互い補完し良さを引き出すバディとしての青春に満ち溢れていた。
そして自分のアイデアをパクられたと無差別に殺人を犯す事件からはどうしても京アニ事件を思い出す。
ニュースでは被害者の数だけが流れていくけれど、その1人ひとりにはこの作品のふたりと同じように絵や漫画に心血を注いできた人たちそれぞれの物語があって、痛いほど伝わるから胸が苦しくなる…。
藤野は、あの時私が京本を外に連れ出したから…私のせいで…と悔やむけれど、京本から「後ろを見て」というメッセージを読んだ時に後ろには自分がサインした京本の服が掛けてあって、いつも私が居るよと言ってくれているようで、死んでも京本は藤野の中にいて今も生きてるんだと思うし藤野も自宅へ帰って朝から晩までひたすら漫画を描き続けるし、それを後ろから映し続けるアングルがたまらなくて涙は止まらない…。
あんな事しなければという後悔ではなくて、振り返ればいつでも京本がいるという前向きな物語がたまらない!「ルックバック」というタイトルの意味と演出とがすべて繋がって胸が熱くなる!
何度も観たくなる名作!!
高評価なのもうなずける。(再鑑賞・追記)
印象に残った場面はたくさん有ったが1つだけ上げる
2人が初めて出会い、お互いを見つめ合う場面。僕は、才能を認めあった2人の運命の出会いの瞬間に立ち会ったような高揚感で、少しドキドキ、ワクワクしてしまった。
きっと2人は僕以上にもっとドギマギしたと思う。京本は藤本を先生と思って尊敬していたが、藤本にとって京本は、自分がいくら努力しても及ばない画力の持ち主で、常に自分の上を行く少しねたましい存在として見てたようだ。
しかし会ってみれば、お互いがお互いの才能を認め、リスペクトしあう仲間だったことが判明する。
こういった話は実際、プロ野球選手やJリーガーの中学、高校時代の経験としてたまに聞く。何かお互い試合で初めて対戦して、自分よりスゴいヤツがいるんで驚いたと両方で思ってたという話。
観賞後wikiを見て、作者の小3の妹ながやまはるこのエピソードが笑えた。
◎訂正
ながやま こはる
⭕ こはる
❌ はるこ
見たのは2024/7/3(水) イオン村山
【再鑑賞 ・追記】 2024/7/17(水) 日の出
今回印象に残った所
京本が亡くなったあと京本の部屋で、藤野は、二人が初めて会ったときに藤野がサインをしたハンテンに気付く。
あの日、藤野は京本に、藤野先生はスゴイ、わたしは先生の漫画が好きだと褒められて漫画を書くのを再会した。
その時のハンテンを見て藤野は、かつて京本と交わした会話を思い出し、自分が何で漫画を書き続けているのかを再認識する。
会話は正確ではないが、こんな感じ。
藤野 「満額を書くのって好きじゃない、時間かかるし、部屋の中で地味だし」
京本 「じゃあ、何で書くの?」
ぞの問いに藤野は答えない。だが、藤野が京本に喜んでほしくて、先生はスゴイと褒めてほしくて書いてるのは明らかだ。今では、それに読者がプラスする。
自分が何で書くのかを再確認した藤野は、休んでいた漫画を再会する。
それと、藤野はこれも絶対に口にしないが、おそらく、「もっと上手くなって少しでも京本に近付きたいから」 というのも藤野が書き続ける理由だと思う。
後ろに築き上げたもの
自身も小学生の時に4コマ描いたりその後は同人活動もしていたこともあって原作未読でしたが鑑賞。
こう、色々と重なる部分も多々あり心がえぐられる映画でした。
周りにおだてられ天狗になったり虚栄癖から素直に引き留められなかったり。青春だねぇ…
自分も20代前半である日突然親友を亡くし自責の念にかられたこともあるので心が痛い痛い。
最後の4コマの刺さりっぱなしの斧は「たとえ後ろ(過去)に傷を負っても、それでも築いたもののためにそれを背負って前に進んで行かなくちゃならない」と解釈しているんですが、どうでしょう?
あと京本役の吉田氏の演技最高です。また聴くために再観に行くかも
全173件中、101~120件目を表示