ルックバックのレビュー・感想・評価
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予習なしで涙
1700円はけっこう強気
公開初週の都内の上映館はずっと満席が続いてた本作。自分自身もクラスの中で絵がうまい人とされていたので(そういう子どもは一組に5人はいる)、藤野と京本二人の漫画熱と友情にグッときて目頭が熱くなった。ちなみに3つ隣の座席の青年は終盤の展開から、ずっと洟を啜っていた。鑑賞後に原作の無料公開部分を読んでみたところ(全部読めよ)、元からかなり映画的な作風ということもあるが、絵柄も話もほぼ原作を正しくなぞりながらアニメーションとして飛躍させる部分の表現もすばらしかった。
最近(というかここ30年ぐらい…爆)の漫画にはかなり疎いため元がジャンプ系の漫画とはつゆ知らず。藤本タツキのような作風の漫画家も抱えてヒットさせているところが、やはりジャンプの強さ、懐の深さなんだろうな…。
こういうのが増えて欲しい
人物描写がとてもよい。絵は上手いが話が作れない人と話は面白いが絵は普通の人、どちらの気持ちもよくわかる。
小4から始まるわけだが、人の成長も良くかけてるのではないだろうか。
序盤、藤野が嫌な奴なんじゃないかと感じるが小4がテングになるとあんなもんだろうとある意味納得。
絵を描いているときに話しかけられるだけでも相当煩わしいのだが、将来のことで説教とか・・・もの投げそう
映画と考えると雑な展開だと感じたが・・・30pの読み切りマンガと考えるこういう風にするよなあというのはある。
技術面ではソフト補間がちょっと気持ち悪い。
オープニングの家に寄るところなど所々気になるところがあった。
大事なことだが・・・
今作のような短尺で低料金の作品が増えてくれば劇場離れの対策になると考えるが、今のところ業界にはあまり期待できないよなあ。
漫画を読む時、
現代版「まんが道」とは違う、と思いきや
これは好きだった。
同等、それ以上?
原作既読というか、原作大好きというとこもあるでしょうが、音楽も相まってタイトルの所で少し「うるうる」きました。
観終わって思うと、原作とちゃんと向き合って、作家として勝負をしてるという事が伝わってきたのかもしれません。押山監督失礼ながら存じ上げませんでしたが、素晴らしいアニメ監督だと思います。
キャラが描けてる、背景がいい、線が活きてる。ほんと絵が素晴らしい。演出が澱みない。全てが効果的に感じました。映画で漫画の様な表現をやってる感じがしました。スラムダンクとは別の方向ですごいアニメでした。日本のアニメはホント、スゴい。
音楽がホントにいい。パンフは買わない人なのですがブルージャイアントぶりに買ってしまいました。その時にサントラも売ってたので悩まず即買いでした。(Amazon Musicにもありましたが、やはりここは非圧縮で聞いてみたいです)
主演二人のアクターは初声優とは思えない完成度の高さで、とくに河合優美さんはスゴい。感情表現、年齢などをちゃんと使い分けていて普通にうまい声優だと思ってしまいました。最初「これ河合優実さんよね。えっ、まじ。初声優の人?いや違うでしょ。」って当惑しました。好きな俳優の中の一人、清原果耶もうまかったが、それに匹敵するかそれ以上か。完全にやられました。
スラムダンクは原作者が監督をし作品への愛が詰まった映画になったのと同様に原作者と同じような『性(さが)?』もしくは『業?』を持っている監督だからこそ、原作への真摯さと愛情が溢れ出るような映画になっていると思います。
いかに漫画を描くのが大変で魅力的なことなのか。それを他メディアにする人も原作に対する同じ位の愛情(流石にここまでの愛情は難しいかもですが)、誠実さがないといけないのではないかと思いました。
円盤も買う予定にしています。(できれば4Kで出して欲しい)
次は「さよなら絵梨」が観てみたいです。
見てよかった
映画を映画館で観る事
持論だが、映画を映画館で観る最大の利点は何と言っても、上映中時間を忘れて作品に集中できる没入感にある。その点で『ルックバック』は映画館で観るべき作品であると言える。
本作は上映時間が58分で、通常の作品が90分だとすると2/3もない尺である。それなのに価格は1700円と知り、私は本作の鑑賞を一度躊躇してしまった。しかし口コミによる絶賛の嵐を受け、観に行く事を決意した。
鑑賞した結果は大満足だった。時間が短いとは全く感じず、それだけ物凄い密度と熱量を持った作品であった。実際映画館で映画を集中して観ることで、漫画に没頭する主人公2人により感情移入することが出来た。しかし、これが映画館でなく自宅のテレビでなんのけなしに観ていたらどうだっただろう。時計やスマホで時間を目にしながら、「あと半分か」「もうすぐ終わるな」と思って観ていたら尺の短さにつられて、作品本来の深い感動を得損なっていたかもしれない。そもそも本作の尺や、続編はほぼ無いと言っていい内容からしてテレビ放送は全く期待出来ない(あってEテレでワンチャン)。ならネット配信でいいかというと、そこにはシークバーという罠が潜んでいる。全画面にしても、何かの拍子でバーが表示されてしまうと「あと残り時間この位か…」という情報から後の展開を勘ぐってしまう邪念が生まれるのである。
映画を映画館で観る事は人生の貴重な時間をその作品に捧げるという事であり、だからこそ映画館で観た名作はより強く心に残るのだと思う。『ルックバック』はそれを捧げて惜しくない名作だった。
貴方がもし本作を観るか迷っているなら一刻も早い視聴をされることをオススメする。何故なら今だけ特典で「Original Storyboard」が付いてくるからである。これは藤本タツキ先生による原作ネーム(漫画の下描きの様な物)を全ページ収録したファン感涙の大変貴重な品である。原作漫画が484円(税込)なので、単純に考えて、ここでしか手に入らない非売品の漫画が一冊付いて1200円程度で映画が観れると思えば、そこまで抵抗はないかと思う。
とはいえ、特典は無くなり次第終了で公開から3週間以上経った今では私も入手を半ば諦めていた。しかし新宿バルト9の21日(日)ほぼ満席だった夕方の回で、幸いにも特典を手にする事ができた。26日からは第2弾の特典が配布される予定なのでそうなると入手は至難の業になるだろう。今ならまだ特典をゲットするチャンスがあるかもしれない、後悔する前に足を運んで欲しい。
掘り続けること
鑑賞後、特典本を読み終えて。
とても良かった。
幼い頃色々な物事に触れる中で、コレと思えるものに巡り会えて、ライバルの存在を知り、何くそと自身を高めるための訓練を重ねる。誰に言われるでもなく、自らの意思でそれを成し遂げていく、その魂の感受性に感心してしまう。
マンガは読んでたけど、書くとか、ストーリーを紡ぐとか、考えたこともなかった。
そして、更に時は流れ藤野は連載を担う立場になり。
京本は京本で、藤野に導かれていた自分に甘んじることなく、自身の内なる声に従って、握っていた藤野の手を離れ、自らの足で歩むことを選択し、一歩ずつ踏み出していく。その先に何が待っているのか知ることもなく。
未来なんてどうなるのか分からない。たとえ今安全圏にあったとしても、明日震災に巻き込まれるかもしれないし、無敵の人に刺されるかもしれない。
だからこそ、日々自身の選択した人生を歩むことが大切で、尊くて。
若者だけでなく、どの世代の人々にも、届く作品だと思う。
私の心にはとても響いた。
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