ルックバックのレビュー・感想・評価
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藤野と共に振り返る~、もしも そこに彼女がまだ居てくれたらと!
本編58分、一律料金で公開と成った
「ルックバック」を早速見ました。
緑色の入場者付録本貰いましたよ。ヘ(^o^)/ ゲットゲット!
場内は 良い感じにお客様が埋まってましたね。
関心の高さは感じました。
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一番引込まれたのは、小学校の時、人間関係で引き籠もりになってしまった京本が、藤野の描く4コマ漫画でその殻を自ら打ち破った所でしょうか。
殻に籠もった部屋のドア前で 藤野の描いた4コマが、ドア下の隙間から向こうに入ってしまって。 これって お互いがメッチャ ドキドキしたと思うのよ。
コノ後どうなるのかって。そこは凄く表現良かった。そして 京本が玄関を後にする藤野を必死に それは何かに引き付けられる様に追いかけてきて。凄い東北弁訛りが 好感でしたね。”藤野先生” この言葉。 何て言うのかと思ったけど、彼女の人としての表れがここの場面全てにあったと感じました。
そんな 彼女(最初男の子かと思ってたけど)藤野と二人で一緒に漫画を書き始めて。京本の親から見たら これ程良かったと思える事は無かったことでしょう。
そして 山形の美大に行きたいと 自ら決めて。コンビ漫画は解消されるけど。
京本が部屋を出て、ここまで来れたのは藤野の存在が有ってこそ。高校の時 二人でお金握って豪遊(5千円)して楽しんだ思い出。
自分も絵の勉強がちゃんとしたいと、今よりも もっと前へ進もうとした彼女が居た訳で。 その思いは観ていて ”がんばれ~”って心の声がしたかな。
そして、・・・ 事件の訃報が。
京本が亡くなった事を訊いて 一瞬、藤野の脳裏に現れた
彼女との思い出。 その流れはリアルな表現だったと感じます。
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原作:藤本タツキ氏
----CV----
藤野:河合優実さん
京本:吉田美月喜さん
ココでも河合さんの活躍でちょいとビックリ。
広範囲を攻めてますね。
若い作家が必死に漫画描いて、時間も殆どそれに費やしていて。
編集部の人も売る為に必死だとは思うけど、
若い子達が本来獲ているべき自由な時間をやっぱり搾取している構図ってのが、透けて見えてくるね。
某大学の未解決学生殺人事件や、京アニ放火事件も絡んだ感じに思えました。
ラストの窓に京本の4コマをお札の様に貼って、
ずっと漫画描いてる藤野の後ろ姿が、とても淋しいものを感じます。
きっと、京本の姿はもう無いけど彼女はずっと背中を推していると思う。
興味ある方は
今の内に 劇場へ。
ありがちな話だけど面白い。
『チェンソーマン』は結構突飛な作品でしたが、あの作品は一部批判もありつつも、それなりに話題になりウケた作品です。そんな人気マンガ家の読み切り作品の劇場版アニメ作品とのこと、入場特典で配られた本がソレかな?
で、コレも『数分間のエールを』同様、劇場アニメとしては短尺です。コチラは小一時間なので更に短いワリに、全然物足りない感じも尺不足な感じもありません。チョッと時間が開いたので〜、的に見るには最適ではないでしょうか。
本作は序盤や各要所はストーリー展開しますが、雰囲気の描写も多く綴られて全体の調和を維持しています。その辺りは脚本や演出などのアニメ作品を創造する技量で勝負してきた感があり、そしてそれはかなり巧く行ってると思います。尺稼ぎとか間延びとかの印象(単語)とは全く無縁です。
ネタ自体は特に真新しい訳でもなく、お涙系に良くある変哲もない普通のお話ですが、ソレをこのビジュアルと表現でシッカリ掴んだ良作に仕上がったと思います。
そして後半の、降って湧いた様な突然の展開にはチョッと驚かされました。でも実際世の中って先の事は解りませんからあり得る話。2019年7月の事件を思い起こさせます。
そう言えば、あの4コマ漫画がドアの下をすり抜けるシーン。後の2回目の方ですが実はあの時、自分はあのドアを隔てて藤野と京本の並行世界が繋がっているんだと勘違いしました。あの展開は単なる “たられば” のイメージだったのでしょうか?
逆に、並行世界の扱いで、京本にとっての藤野と藤野にとっての京本の2つの世界の連結部分的な仕立てになってても面白そうかな‥‥
さて一方、中の人は正直 “並” の演技でしたが空気感は損なっていないので良しです。ただ電話の会話のシーンは巧かったですねw 日常体験を日常風に演じるのは女優さんには朝飯前でしょう。
持論ですが 『素』 の演技には長けても、アニメは『記号的(デフォルメ)』な演技が少なからず必要です。その辺を理解せずとも、本作は結果的に何となく仕上がったのではと思われます。
これまで人気タレントやアイドル、女優俳優に更にはお笑い芸人なども声優に起用され、結局どんよりと茶が濁る結果になるのは、この辺の理解がないからと考えています。舞台俳優や歌舞伎役者は、感覚が多少似てる様に思えますが‥‥
更に余談ですが、本作冒頭の藤野は、なんだか昔の自分を見てる様で複雑な気分でした。自分は当時の『勘違い』が今の『無様』に繋がっています。もっとも自分の場合は藤野&京本の様な成功に結びつくどころか、出鼻を折られた挙げ句の今に至りますw
中身がなく、作画を楽しむための映画
ジブリって超えられるんだ
評価高過ぎ
絶賛レビューにつられました。まず漫画を読んで良さが理解できなかったので、映画ならわかるかもと期待MAXで行きましたが全く私にはささらず。学校での出来事は妙に細かい割に家庭の描写がなく、リアリティがない。卒業証書を届けさせたのは何か意図があったのか。勝手に家に上がって適当に書いた紙切れが偶然隙間に入る?偶然襲われただけなのにそんなに主人公は責任感じる?タラレバ妄想描写そんなに必要?とか不自然に感じる点が多々ありモヤモヤ。私の理解力のなさのためか流行りに乗れず残念でした。映像はきれいで好きでした。河合優実もよかったです。
館内すすり泣きが多数聞こえる
私の人生を変えた藤本先生・押山監督に心からの感謝を
なんで絵を描くんでしょうね。描きたいから描くんです。京本も藤野も、違う人生を歩んだとしても、やっぱり描いてしまうんです。
そういう風にプログラミングされて生まれたのかもしれません。そのせいで悲しくも苦しくもなるけど、何かを成したい、諦めたくても諦められない衝動というのは、呪いではなく宝なのだと、30を過ぎた頃から思えるようになりました。
押山監督は舞台挨拶で、人生讃歌の物語だと思うとおっしゃっていました。創作を愛する人に特に刺さる物語だと思いますが、そうでない人にもそれが伝わるといいな。
ジャンプ+でルックバックが発表された年、押山式作画術を読みました。翌年の2022年、私は諦めたはずだった絵を仕事にしました。細々とですが今日までやっております。
この2つの本がなければ、私は今も諦めた夢に胸を焦がしていたと思います。
そして2024年、まさか押山監督によるアニメを見ることができるとは。運命的だと感じてしまいました。
完全な漫画が完全なアニメになっていました。
ひょっとしたら漫画の青さを、不完全な部分を不完全なままアニメにしてくれていたと言った方がふさわしいのかもしれません。
鑑賞後、拍手をしたいと強く思いました。誰かが手を叩いてくれたので、私もそれに続くことができました。最初に拍手をする勇気はないのに、拍手をせずに席を立てない、そんな気分でした。
舞台挨拶で押山監督がタイタニックをずっと流しながら、特に最後の楽団のシーンを見て作業をされていたとおっしゃっていましたが、私はルックバックを流しながら作業することなるでしょう。
流石に漫画を読みながら絵は描けませんので、アニメにしていただけて良かったなと思いました。
これからずっと私を励ましてくれる映画です。
藤本先生、アニメに携わったみなさま、本当にありがとうございます。
予告で気になったら見に行った方が良い
原作未読、とあるゲームの漫画でネタにされておりタイトルのみ知っていました。
予告を見た時に少し気なったため観賞。
序盤は思春期らしい表現をしており、題材である『漫画』について予告で見た流れがどのように繋がっていくのかをワクワクしながら見る事が出来ました。
大人になっていくにつれての展開も、お互いにどんな感情を持ってのセリフなのかを考えながら見ていく事も出来ました。
見終わった時には確かにタイトル通りの内容だったと凄く思える作品でした。
個人的には二回見た方がより感動出来る気がします。
『藤野』や『京本』の独特な性格から、あの時のセリフは…とか振り返って見ると違う印象に感じたシーンもありました。
音楽や効果音もとても良かったです。
無音になるシーン含めて、色々なシーンが映像と相まって引き込まれていきました。
まるで実写かの様な音響表現にも思えました。
一点のみ気になってしまったのは、『藤野』が主人公のため、どうしても『京本』の色々な部分で足りない部分がありました。
やり過ぎても間延びしてしまうため、どこまで補足するのかは難しい表現かとは思います。
少しでもセリフとかで補足があれば…とは思いました。
ポップコーンはSサイズでも余ってしまう様な感じです。
予告から食べ始めて見入ってしまうシーンの前に食べきれなければ、そのまま終盤まで残ってしまう様な感じです。
芋臭い展開がダメな人はSサイズ余裕かと思います、「ふーん」って思いながら完食出来ると思います。
Light song
タツキ先生の短編のアニメ映画化ということで、そりゃ観にいかにゃならんと初日に向かいました。
特典はルックバックのネーム本です。貴重すぎるんですがこれ、本当に良いんですか?と受け取った時思いました笑
原作の雰囲気、タツキ先生の唯一無二の絵柄をここまでアニメーションに仕上げてくれるなんて…。
余分なものは一切ない、原作の濃さをそのままに1時間満たずの時間で表現しきるというアニメーションもとい映画の極限を体現しているようで、映画ヲタクとしても歓喜ものでした。
作中の4コマ漫画のアニメ化もこれまた藤野の絵柄を反映して動かしているのが本当にお見事で、隕石の4コマの世界をここまで広げられるのかとアニメーションの強みをマシマシに感じられました。
漫画を描いている時のアクションはそこまで大きくないのもあって、反動で藤野が帰り道の水溜りを踏みながらスキップするシーンだったり、京本と藤野の2人のお出かけで走りまくるシーンだったり、殺人犯を思いっきりカラテキックしたりするシーンだったり、"動"の部分はガツンと動くもんですから、そっちの表現もこのチームは上手いのかと舌が唸りました。
ルックバックの劇中作のシャークキックの掲載順位の推移がこれまた面白く、チェンソーマンもこんな感じで浮き沈み激しかったけど、後半になるに連れて上位に君臨していった流れがフラッシュバックして、あの頃のジャンプに思いを馳せてしまいました。
改めてクセの強い作品とはいえど、ジャンプの一番後ろに載ってた時期があったのは今考えても想像できないくらい大きい作品になったなぁって思いました。
原作は読んでいたので、衝撃の展開自体は知っていたはずなのに、それでも突然世界が真っ暗になったような感覚になる大学の襲撃シーンはやはり衝撃的でした。
そこから描かれるifのお話への持っていき方も素晴らしく、扉越しに伝う4コマで影響され、京本は絵の世界に飛び込むために外の世界へ向かうという世界線ではまた違う物語になり、そこでも2人はすれ違っているという偶然のような奇跡のような出会いの様子は、劇伴の良さも相まって感極まってしまいました。
タイトル回収の仕方もやはり粋で、それすらも始まりの4コマで回収していっちゃうもんですから、何から何まで緻密に作られていましたし、それに応える映像やシナリオを練った製作陣には頭が上がりません。
そこから再び漫画家として歩み出す様子をエンドロールでじっくりと見せてくれるのも良すぎて、こんなに優しく包み込んでくれるのかと何度目かの感動を食らいました。
河合優実さんと吉田美月喜さん、お二人とも声優初挑戦ということらしいんですが、これまた表現とキャラクターがリンクしまくっていて凄かったです。
悲しみに明け暮れる様子だったり、中身のヤンチャさが滲み出てるところだったり、タツキ先生のキャラクターがそのまま飛び出してきたんじゃないかってくらい自然で、役者としての生き様も同時に味わえて幸せでした。
60分とは思えない濃密な映画体験でした。
自分も藤野が4コマを描いていた時期に漫画家を目指していて、スケッチブックに書いてあった虫と人間の融合漫画を久々に見返して懐かしい気持ちになりました(なぜかツギハギだらけのキャラが多いのはご愛嬌)。
全ての創作に感謝しながらこれからも共に生きていくんだろうなと嬉しくてスキップしちゃったりしたり。
鑑賞日 6/28
鑑賞時間 12:20〜13:30
座席 G-2
生まれ変わっても私はまた漫画を描く なんでってあんたの笑顔が見たいから
きっと間違いじゃない…?グルグルっと漫画の世界へ入っていくようなファーストカット。本作のベタ塗り等の色付けもまるでそのようだ。共感性の高い藤野のキャラと、しんどくても漫画家を続ける原体験みたいなもの。キャラ名に劇中漫画(本作入場者特典の短編漫画読んだけど違うかったから映画独自?)そして「振り返る」という本作のタイトル……原作者自身の私的体験がどれほど基にあるかはさておき(ex. 絵が下手というコンプレックス劣等感?)、私的感情は本作の根幹にあるのを感じ取れたし、本映画化にあたってそこに押山監督やアニメーター達の感情も乗っかっていた。描き手の迷い線もそのままに。
努力のちから。(舞台挨拶で河合さんもお気に入りのシーンに挙げていた)2人で初めての賞レースの結果を見るところのシーンが良くて、それまで2人の間に明確に上下関係というかパワーバランスみたいものがあった気がしていたけど、その瞬間のカットで2人の生き生きとした似た表情がスクリーンいっぱいに弾けて、このタイミングで2人が同じものを共有し、当初より心理的にも近づいていることを力強く示している。"好きこそものの上手なれ"と言っても、不器用でもひたむきにずっと努力を続けられるのは本当にすごいことだ。演出に劇伴の力もあって、何度も鳥肌立つような場面もあった。こんなに情感豊かなアニメが紡げることに驚いたし、モンタージュも効果的。鑑賞後も余韻深く心に棲み着く感じがあった。
河合さんが一番時間をかけた難しいセリフ「なんすか、先生」
2年半の内、1年くらいは描き続けて
(原作者が『千と千尋の神隠し』流し続けるというエピソードから)『タイタニック』流し続けて
曲毎にキャラクターを
意図的に切られた藤野の笑い声
小学生当時、自分も絵が上手くて、漫画家を夢見てて、自由帳に「ブリ魂」って『ブリーチ』と『銀魂』のキャラクターを使ったギャグ漫画描いていたな…と思い出した。同級生たちが笑ったり褒めてもらうのが嬉しくって。作中で藤野が味わうような挫折は、中学生の頃に味わった。
勝手に関連作品『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(ワンハリ)』『インターステラー』
原作の完成度が高すぎる分、このアニメ化に対してはかなり懐疑的だっ...
原作の完成度が高すぎる分、このアニメ化に対してはかなり懐疑的だった。元が120点のものから大勢の才能と労力費やして精々100点にして出力することになんの意義が…と。また、個人的には別媒体にするなら相応のアレンジがあって然るべきで、なんでも原作通りに作るべし、という昨今の風潮は疑問に思っている。ところが本作は…本当に原作そのままに、動きと色彩と音を付けただけ(!?)、のようでありながら、120点の漫画をそのまま120点のアニメに変換することに成功している。しかもその過程で、物凄く豊穣なナニモノカが産みだされている!なんだこれ!禁欲的、職人的、あるいは変態的!?例えば「チェンソーマン」や「鬼滅の刃」のアニメ化(どちらも現代最高峰のアニメ化ではある)とは根本的に作り方が違うように見える。押山清高(監督・脚本・キャラデザ)恐るべし。みんな、見ようフリップフラッパーズ!(追記:例外的に原作ママでないが印象に残ったシーン…少年ジャンプのページめくりの重量感、大学前の雪の解け残った道路)
もはや芸術作品
心を揺さぶられる素敵な作品!
情熱に理由はいらない
情熱に理由はいらない。人は何かをする動機として「お金が儲かるから」とか「社会的に認められるから」とかいろいろ理由をつけるけど、ホントはそんなのどうでもよくて、「訳もなく強烈に内から湧き上がる情熱」というのが一番大事。
人に変わってると言われたり、貧乏したり、孤立したり、いろいろ不都合なことがあるかもしれないけど、でも湧き上がる情熱に従うこと、真の自分自身を生きること以上に幸福なことはない。他人の目を気にして生きるなど、惨めな生き方だ。そんなの死んでるも同然だ。
ただ絵を描きたい。その情熱に従うこと。
Haruka Nakamuraは昔から好きな作曲家だったので、彼の曲が効果的に使われていたのがとても良かった。
ある意味まんま、だった
上映時間が1時間満たないのである意味素直に、適切に、無駄なくアニメ化されている。いろんなアニメ化があるだろうが想像してたのより泥臭く、原作を読んだ時のページをめくって遭遇したキュッとした思いが、わかりやすく動いて、声がついて、音楽がついて、よりエモーションをまくってくれた感じ。
クラスにいる天才というところでは『さかなのこ 』の冒頭にかなり近い感じではじるけれど、ここに絶対に勝てない相手というのが放り込まれて、根っこに暗い炎が灯るところがやっぱりいい。宮崎駿はじめ、あらゆる天才の幼少期のエピソードに必ず登場するクラスで絶対に勝てない一番のあいつがモチーフのこの手のドラマでは出会いが勝負。姿を見せぬまま、部屋を飛び出していくPOV、街を走るお互いの視点のPOV、アニメなのにこれを繰り返してるところがいちばん美しかった。というか、やはりこの物語は田舎町で友達なんかいなかったというオタクには相当効く話でボロボロ涙が溢れてくるのだけど、実はそこあたりがピークで、その後の事件のニュースをグイッとみるところの動きまでは面白いのだけど、それ以降そんなに飛躍したところはない。そもそも時間経過を「絵」で積み重ねられる原作をそのままやってるのだけど、自分は原作原理主義者ではないので、もっとアニメーションとしての面白さをみたかった、と思う。
声の演技が下手
良かったところ: 作画
悪かったところ: 藤野役の演技
作画が良かったのに、藤野役の声の演技が好きではありませんでした。
滑舌や感情表現などの基本的なことはできていたとは思いますが、年齢を演じ分けられていませんでした。
普段の河合優実さんの声にしか聞こえず、すっと物語の中から現実へと意識が引き戻されてしまいました。
最近になって飛びついた業界人も世間も、河合優実さんなら何でもかんでも無条件に大絶賛しますが、彼女をキャリア初期から見てきた者からすると、彼女は良い役者ですが完全無欠ではなく不得意分野はあります。その一つが、声の使い方です。
素人っぽい自然な演技が欲しいのはわかりますが、声優さんにもちゃんとオーダーして指示を出せば、自然な演技はできるはずです。特に、この作品は、小学生から社会人までを演じなければならない。その技術を持つのはプロの声優です。それなのに、プロとして研鑽を積んで来た人の技術を軽視して、訓練を受けたこともない未経験者に仕事をさせてしまった...その姿勢がとても残念です。
頑張ったであろうことは認めますが、未経験者はやはり能力が低いなと実感しましたし、その未熟な能力で観客から料金を取ろうという魂胆が不快でした。このキャスティングをした人は、お客さんからお金を貰っていることの意味を分かっているんでしょうか。未経験者を使わず、きちんと研鑽を積んで確かな技術を身につけているプロの仕事を提供して下さい。
アニメーターは、自分の仕事はプロフェッショナルで未経験者にはできない崇高な仕事だと主張するのに、共にものづくりをして来た声優の仕事はプロフェッショナルとして認めず軽視して未経験者に割り振るのは何故なのでしょう。アニメーターの描く動画はわざとらしいから不要だと言われ、自然な絵が欲しいからと、動画の仕事が未経験の洋画家や漫画家やイラストレーターに動画を描かせることが横行したら、アニメーターたちは文句を言うのではないでしょうか。何故声の演技だけは他分野の者にさせるのか。その姿勢に不信感を抱きました。
俳優は、オファーされたら、やったことがないから出来ないとは言えず、チャレンジしてみたいので引き受けるでしょう。だから、俳優のせいではなく、制作者の意向なのだと思います。
原作者も制作陣も観客も、皆演技を絶賛していますが、私の感性が間違っている訳でもありません。河合優実さんの演技は良くなかった。作品の質を落としていた。これが私の感想です。いくら変声期の無い性別とはいえ、小学生、中学生、高校生、社会人、その声が同じ訳はないので、私は残念だなと感じました。ちゃんとした声優さんの演技で見たかったです。
河合さんの実写俳優としての演技力は否定しません。この人はデビュー以来何をしても必ず絶賛される人なので、今後はありとあらゆるものに携わって来るでしょう。そして、その全てにおいて出来不出来に関わらず必ず絶賛されてしまうでしょう。アニメにもこれをきっかけにまたキャスティングされてしまうかもしれません。しかし、声の演技の訓練を積んでいない人なんです。過去にナレーションや朗読などもしていますが、いずれも拙く、作品本来の趣旨や魅力が阻害されるような出来栄えでした。この人は、外見や動作に魅力のある役者で、実写でこそ才能が発揮される人です。それなのに、人気にあやかって声優に配役されてしまい、ルックバックの藤野に彼女の色が付いてしまったことが、原作が好きだった私は観ていてとても悲しかったです。本当に残念でたまりませんでした。人気や話題性ではなく、きちんと声の演技に真摯に向き合って鍛錬して来たプロフェッショナルな方を起用すべきでした。
藤野の大人時代を河合さんが演じる実写なら、似合うと思うので、観てみたいです。
万人に正しく評価を得るかはどうでもいい
原作既読。
好きすぎるが故に映画化へ一抹の不安ありでしたが、鑑賞後は少しでも作品の空気感を薄めたくなく、なかなか帰路につけず笑
藤野と京本の纏う青春の閉塞感はテーマは違えど我々も少なからず感じていた社会やコミュニティーからの疎外感を思い起こさせる。
生まれて初めて自分の矮小な自己顕示欲を自分と同じ世界の住人に認められるシーンは、なんとも言えないむず痒さがあり、同志を得れなかった過去の自分への追悼のようにさえ感じた。
雨の中、踊り狂う彼女は滑稽で浅はかで、とんでもなく美しい。このシーンがとにかく好きだ。そしてどうしようもなく羨ましい。
彼女達の作画能力やストーリーテラーの才能云々などは瑣末な事だ。そんなものが不必要であるように、二人が創作に没頭するカットを、良かったなあ、良かったなあと感じながら眺めてる自分に軽く引いた笑
二人が袂を分かち、それぞれの道を歩んだこと、その後の物語の顛末、様々な解釈を読んだラストに至るまで、この作品が万人に評価を得るかは、どうでもいい。ただ自分にとっては、まあ最高だったよなと過去の思春期の自分に問いかける。
どうせあと5回は観ちゃうよな俺ら
携わった方々の熱量に感動
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