「この映画に出会えて良かった」ルックバック TOMIさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画に出会えて良かった
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藤野と京本、二人のキャラクターが本当に素晴らしい。
藤野はプライドが高く、負けず嫌いで、画力を上げるための努力を惜しまない姿がとても魅力的だ。一方で京本は、藤野に対する純粋な憧れを抱きながらも、藤野に見合うアシスタントになるために、敢えて彼女から離れる強さと美しさを感じさせる。
京本の人生が不条理に絶たれるやるせなさと苦しさ。二人が夢中で漫画を描いていたシーンが何度も頭をよぎる。引きこもりだった京本が、憧れの藤野を前に顔を真っ赤にしてサインを求めたり、藤野のお気に入りの話を熱心に解説したり、新作を見たいと何度もねだったりするシーンがとても愛おしい。
物語が「if」の世界に移行し、京本と藤野に新たな接点が生まれたときには、どうかこれが現実であってほしいと祈りながら観ていた。そして、描く目的を見失っていた藤野に、自分の夢が詰まった部屋を見せ、再び描く喜びを思い出させた京本。その藤野への深い愛情に、涙が止まらなかった。
きっと藤野は、京本との思い出や友情を抱きしめながら、これからも2人で漫画を描き続けていき、そして更に面白い作品を生み出すんだろうと思うと苦しい中にも小さな嬉しさを感じた。
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