劇場公開日 2024年6月28日

「2回目レビュー 幸福な1時間でした」ルックバック しろいろねことらさんの映画レビュー(感想・評価)

5.02回目レビュー 幸福な1時間でした

2024年9月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

上映終了間近と聞いたから、もう一度観に行ってきました。2回目のレビューです。58分間視聴しているその間だけは、ルックバックの世界に存在させてもらえるから。

視聴した人は皆、藤野や京本に対して自分自身の過去の姿を、これまでの生き様を重ね合わせて観るのだろうと思います。クリエイターのための映画、と評価されているけれど、もっと広いレンジの作品で。真摯に何かに取り組むことの大切さ、打算なき努力、そうした生きることへの熱に、強さに、どのような立場の人であっても打たれるんじゃないかと思います。
そしてそのような努力も、情熱も、事件が起きたり、災害が起きたりして、残酷に潰されてしまうこともあって。でもこの作品は、並行世界の希望を一瞬垣間見せてくれたあと、再び立ち上がる藤野の姿で締めくくられます。
どのようなことがあっても、人は立ち上がり、歩んでいける。その姿を、ピュアに、どこまでも優しく描いてくれるから、大好きなんだと思います。
生きることは辛く苦しいけれど、本当に尊いものなのだと、改めて感じさせてもらいました。ありがとう。本当に、見られてよかったです。

↓1回目レビュー
…………………………
本日レイトショーでみてきました。めちゃくちゃ良かったです。

最後にif世界が描かれ、でもそれは綺麗な夢のようなもので、日々は冷徹に続いていく。藤野が再び立ち上がり、歩き出し、背中を映す描写で幕は閉じていく。

原作に忠実でしたが、繊細で演出と、叙情的で心洗われる音楽によって、美しく映画作品として昇華されていました。創作し続けるのは、本当に綺麗で素晴らしいことだと感じました。

京アニの事件も下敷きにはなっていますが、作品を通して伝えたいのはその恨みや後悔ではなく、人は傷ついても立ち上がることができる。そして創作は素晴らしいことだ、と真摯に訴えかける人間讃歌なのだと感じました。

すべてのクリエイターの方に見ていただきたいです。この映画が見られて本当によかったです。

しろいろねことら