「これぞアニメーション」ルックバック かぷちさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞアニメーション
アニメの語源が無機物に命を与えることだとすれば、「ルックバック」こそが、まさにアニメーションだろう。
この作品を観た後では、現在のアニメ産業で生み出される作品群の殆どは「アニメ風作品」になってしまう。
特に京本登場から藤野スキップまでは、アニメ史に残る名シーンだと思う。
原作漫画の解釈から、動く映像作品への昇華が素晴らしい。
声優の演技も素晴らしい。
すでに四回観たが、藤野の心情に絆され、京本の仕草が愛おしく、毎回泣いてしまう。
完成度の高い、密度の高い作品だからだろう。
同じ時代を過ごし、劇場で観られて幸せだ。
焦がれること、夢見ること、勉めること、挫けること、諦めること、そして再び立ち上がって歩き始めること…
人生の哀歓に満ち満ちている。
数十年の人生で、生きていて良かったと思える作品に出会うことは稀だが、私にとってそんな大切な作品の一つとなった。
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