「創作の原点」ルックバック villageさんの映画レビュー(感想・評価)
創作の原点
漫画家を目指して、描くことに没頭し青春を捧げたた少女2人の物語。
読み切りの短編漫画が原作ということで、それを忠実に再現したであろう映画であることが想像できた。生き生きとした人物描写や日本の田舎の風景の美しさが目を引くとのと同時に、驚くほどコンパクトに(余分なものを一切削いで)まとめられているのが印象に残った。
子ども時分の体験というのは、その後の人生に大きな影響を及ぼすことがある。自分の書いた漫画が褒められたこと、しかもそれが自分が認める相手であったことが、主人公にとっては創作の原点だった。
きっと本作の原作者にとっても似たような原点があるのだろうし、世のクリエイターと呼ばれるような創作活動をしている人にとっては(あるいはより広く何かしらの生業を持っている人でもいいかもしれない)、我が事として共感できる部分がある映画なんじゃないかなと思った。
夜が明けるまで、大都会のビルの中で黙々と漫画を描き続ける最後のシーンは、どんなに悲しく辛いことがあっても、原点を見つめ直して創作活動を続けていく覚悟みたいなものを感じました。
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