「一本の映画作品てして傑出したものに」ルックバック かしまさんの映画レビュー(感想・評価)
一本の映画作品てして傑出したものに
ルックバック・・・振り返ってみる、回顧する、追憶する、後退する、うまくいかなくなる・・という意味からも藤野と京本の関係性の状態と変遷を表したタイトルですね。
たまに時間が空くと映画でも・・とジャンル問わず時折映画館に足を運ぶくらいで、今回も観に行こうと思ったキッカケは「1700円定額・58分・結構話題になっている」くらいなもので原作はおろか「チェンソーマン」も読んでいない状態での鑑賞。・・・結果、心を鷲掴みにされ・涙が溢れ・寂寥感の様な切ない気持ちになり・なかなか余韻が抜けない状態になりました(余韻の継続時間が自分基準での作品の出来を決めている様なところこがあります)。
何でこんな不意打ちを食らった様な状態になったかとルックバックすると、2人のキャラクターが魅力的で、絵が綺麗、人間が皆持ちあわせている厄介(妬み、嫉み、素直になれない)な感情の危うい取扱方、タイムリープが出来たなら京本は今でも・・という切なる空想、相当に効果的だった音楽等々色々練って作り込まれた事が相乗効果を産み、傑出した1つの映画作品となった・・と自分なりに結論付けました。
蛇足ですが、作中の京本が通う大学が映画館から車で10分くらいのところにあったので鑑賞後正門前まで行って(休みなので勿論閑散としてました)みました。原作者が在籍していた事も先程知ったばかりという感じで何の前情報も無い中での鑑賞でした。
最後にこれも蛇足で細かい事ですが、京本の東北訛りは地元民からすれば「近い所まで迫っているものの、土着のものではない綺麗になぞった訛り」という感じでしたが作品に影響をあたえるものでは勿論ありませんでした。
心から行って良かったと思えた映画でした。