「ルックアップ」ルックバック uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ルックアップ
作画の質が非常に高く、最初の主人公の背中ですら、少ない線が効果的に使われているのが分かる。
背景はピンキリだが、初めて京本家を訪れた際の玄関フローリングは圧巻。
中編作品であることを差し引いても、劇場作品としてはスタッフ数が少なく、少数精鋭だったのだろう。
京本の四コマは漫画といえるのか、と思っていたが、背景担当となる流れは上手い。
「ファンだ」という言葉に反発があるかと思えば、アッサリやる気を取り戻したのは意外と言えば意外。
(謎のスキップ?ダンス?は面白かった)
一方的に“睨み上げ”ていたかに思えた藤野も、京本から“憧れ”られていたことを知る。
互いを“見上げ”つつ、順調にキャリアを重ねるふたりだが、京本が別の“向上心”を持つことでコンビは解散。
最終的には、再び漫画が藤野の“顔を上げ”させて終劇。
個人的には、タイトルは『ルックバック』より『ルックアップ』の方がしっくりくる。
キャラの名前やら主人公の描く漫画から、作者が自身を投影した作品なのだろうか。
安易に人が亡くなり、京アニ事件を元にしたと思われる犯人の動機など、正直独創性は薄い。
小4で称賛されるには藤野の絵や話が拙かったり、いつペンタブ作画覚えたのかなど細部がやや気になった。
ifルートは藤野が描いた漫画かと思ったがそうでもなく、少々分かりづらいかな。
などなど、思うところはあるが、河合・吉田両名の演技は余裕の及第点越えで、雰囲気にはバッチリ合ってた。
演出も好みだったので、話としての捻りか深みがもう少しあるとよかった。
コメントありがとうございます!
uzさんのおっしゃる通り、物語にもう少し深みが欲しかったところではありますよね。独創性も今ひとつだったと感じてしまうのも頷けます。