室町無頼のレビュー・感想・評価
全432件中、201~220件目を表示
考えろ、己の頭で
大泉洋と堤真一が、まぁカッコいいこと。
かつては志を同じくしながらも、道を違えた2人の関係性と距離感の描かれ方が素晴らしかった。
時代は室町なのだが、行き倒れや野ざらしの様子は、否応なくガザやウクライナをはじめとした紛争地域を連想させるし、「世の中を動き回るのは、金と情報」というのは、まさに現代にもそのまま通じる。その中で、兵衛が才蔵に伝える「考えろ、己の頭で」というのが、監督からのメッセージか。
証文を焼き払った後に、自然発生する歌と踊りが、何とも人間らしく、その中で切られた人々が次々と映し出される演出に胸が詰まった。
それにしても、マクロファージ先生は、室町でもマクロファージ先生だったとは…。
力作
主人公の蓮田兵衛は実在の人物らしいが詳細は不明だと言う。
そのため新しい人物像を作りあげているのでどういう行動をとるか読めないという点で最後まで興味深く見ることができた。
室町時代後期、大飢饉と疫病が起きて街中に死体が溢れる。
それも農村部の貧しい地域だけではなく最も栄えているはずの京都市中にである。
この状況に目を向けずのほほんと贅沢三昧している権力者達。
いつの時代も権力者には一般市民は見えてないものだ。(現代も)
ストーリーとしては善悪がはっきりしているので分かりやすい。
まだ鉄砲が伝来していない時代だからこその泥臭い戦闘シーンも見応えがあった。
余談だが民衆が蜂起する姿は革命を思い起こさせるがさすがに武器もろくに持たない民衆主体では証文廃棄のための一揆、打ちこわしがせいぜいのところ。
もしこれに賢明な武将一団が加わってればひょっとしたらこの時代にクーデターが起きて日本の歴史が変わっていたのかなとか、見終わった後に妙な感傷に浸ってしまった。
西部劇にしたかったらしたらいいのに。
原作を夢中になって読んだのは、3年前だったか。その時感じたのは
「スケールの大きな物語やなぁ。価値観がさまざまな人たちも複雑に絡むし…。
こんなのは小説でしか描けないやろな」。
と思っていたら、まさかの映画化。
さらに映画.comの評価も4.1とか、4.3とか、高い。
(1/19 16時には3.9に下がってたw)
本日、U-NEXTのポイントを活用してIMAXで朝から見てきました。
----------------------------------------------
良かったのは、森からたいまつを持った一揆勢がでてくるシーンと柄本明の怪演w。
映像のトーンも自分好み。あとVFXもさすが白組。
みてて辛かったのは、シナリオと演出。
原作に縛られ過ぎじゃない?と感じ、ストーリーが窮屈に感じた。
以下、悪口。
最初に西部劇調の音楽。
「おっ、この線で行くのか」…と思ったらそうでもなく。
というか、最後の方に映画として主人公の周りに個性的な人物を置きたいのなら、
「荒野の七人」をやればいいのに、
原作を活かそうとするもんだから、中途半端。
(小説を読んだ自分は登場する人たちの関係がわかるけど、
初見の人はあのシナリオでわかったのか?といらぬ心配をしてみてた)
全体的にバランスが悪い。特に演出がくどい。
また、背景に流れる音楽(西部劇調以外)が邪魔する。
(音楽が映像と不協和音を起こしているような…)
小説の素材は良いのだから、もったいないわー。
突き詰めれば「昔、蓮田兵衛という面白い人物がいた」ということなのに。
監督は門に貼り付けた文字=あの時代の「無頼」という生き方をクローズアップしたかったんじゃないのかなぁ。
監督は脚本も兼ねてたんだから主題を絞り込んでもっと自由に組み立てたらよかったのに…
と思いました。
期待はずれ
かなり期待ハズレな時代劇大作‼️
大泉洋が剣豪・蓮田兵衛を演じ、彼の先導による無頼の暴動を描く痛快時代劇‼️この作品は時代劇というより映画としてかなり期待ハズレ‼️まず主役を演じる大泉洋‼️いつもとは勝手が違うキャラクターを、チャンバラシーンを含め、かなり頑張ってます‼️ただ今までのキャラクターゆえ、非業の死であるとか、武士の哀れとか、そういうものがまったく感じられないのが難点‼️どうせなら彼のキャラクターらしくハッピーエンドで終わって欲しかった‼️そして才蔵を演じる長尾謙杜‼️特に前半の感情がこもってない絶叫演技がイタい‼️アクションシーンは素晴らしいです‼️そして柄本明によるマンガチックな特訓シーンも作品の格をかなり落としてると思う‼️そして松本若菜扮する遊女‼️兵衛に想いを寄せる設定だったのに、才蔵の筆おろしをしてあげたりして、どっちつかずみたいなキャラ‼️しかもラストでは運命的な才蔵との再会みたいなカット‼️でもこの二人が想いを通じ合う描写がそこまで掘り下げられてないため、いまいち頭をひねってしまう‼️てゆーか小太郎って誰の子⁉️もうちょっと大泉洋と松本若菜さんの間にドラマチックな展開を期待したんですが・・・‼️そしてクライマックスの暴動のシーンも地図を広げて戦略を練るわけですが、いまいち状況がつかめないまま事が進んでしまう‼️迫力あるスペクタクルシーンではあるんですが‼️そして大泉洋は頑張っているんですが、対する堤真一のチャンバラシーンがなってない‼️もうちょっと練習しなきゃダメですよ‼️そして大泉洋が北村一輝にトドメを刺すシーンも、それまで北村一輝の非道ぶりを示す描写がそこまで多くないため、カタルシス的に盛り上がらない‼️そして音楽‼️まるでマカロニ・ウェスタンのような、はたまた哀愁漂うギターサウンドで作品にまったく合ってない‼️戦闘シーンを盛り上げる音楽もイマイチ‼️私的にはもっと重厚さが欲しかったですね‼️まぁいろいろ文句を書きましたけれども、大泉洋の頑張りに免じて星二つくらいオマケしときます‼️
いろいろ盛り込んだ結果、薄味な作品に
何やら先行上映の評判が良いらしいので観賞。
劇場は日曜朝イチだったが、ほぼ高齢者で満席だった。
蓮田兵衛の最初の殺陣のシーンで、「あ、『ケレン』か。」と示してくれたのは、その後の見方を決める意味では結果的にありがたかった。
様々な「リアリティ」に目を向ける必要はない、と。
才蔵の修行やらも「まあ、頑張りなさい」と見守っていられる。
だから、チャンバラ・格闘・大乱闘を楽しむ「活劇」として割りきって観れば確かに楽しいのは間違いない。
明らかに過去の時代劇はもちろん「カンフー映画」や「マカロニウエスタン」を意識したシーンもあって、個人的に興味を引かれる部分はあった。
ただ、作品全体のデキはどうだったかというと、私には気になることが複数あった。
まずは、キャラクターが多すぎ。
途中でフワッと現れた3人(登場のシーンも蓮田の回想ダイジェストという雑さ)が、名前もよく分からないけど結構活躍するんかい。
他にも敵・味方含め、出てくるかなりの数をそれなりにキャラクターを立てた演出するもんだから、活躍しそうでそのほとんどが活躍しない結果、全員が薄味になってる。
あと、言いたくはないがやはり「才蔵」の演技。
過去出演した作品は知らないけど、ほぼダブル主役と言っていい立場のこの役どころは、さすがに彼には荷が重すぎだろう。
批判してる人も多い「劇伴」に関しては、まあいろいろやりたいんだなという熱意の延長として受け入れられるけど、それでも全体としては、いろいろな要素を盛り込もうとし過ぎた結果、なんかボンヤリしちゃったな、という印象。
ギャグシーン、なのかな。
あの「かえる、いや京都に帰る」も、「虫にしては大きいがな」もすごくスベってる。
もう少しメリハリ付ければ面白かったと思うと残念ではあるな。
おもしろかった
簡潔にわかりやすく、おもしろかった。時代劇に馴染みがなくても入り込めるエンタメ作品だと思う。伏線のような会話や、対比になる画角のシーンがいくつかあるのも楽しめるポイント。苦しい内容でありながらも、重苦しすぎない描き方をしていたのが私としてはよかった。複雑な内容や、残酷な描写へのリアリティを求めている方は違う印象を受けるかも。
キャラクターが魅力的で、見ているうちに好きになる。民衆の必死さには、自然と感情移入してしまうものがある。兵衛、道賢はかっこいい大人。才蔵の成長には感動する。他にも、セリフが多くなくても魅力的なキャラがたくさん。
アクションがすごい!大泉さん、堤さん、強い女性たち、一揆衆、みんなかっこよかったけれど、中でも才蔵役長尾さんの活躍に驚いた。長回しのアクションシーンは心が躍った。
公開してる間にまた見にいこうと思う。
映像はとても好みでしたが…
大泉洋さん目当てで観に行って、骨皮道賢役の堤さんに骨抜きにされて帰ってきました。あの黒い鎖狩衣姿での佇まい、立ち姿そのものが『カッコイイ悪役』の概念そのもので。
大泉さんも役者の大泉さんが全開でしたから、二人の対話や対決シーンはどれも見応えあって見入りましたし、映像全体に時代劇らしいわかりやすさとメリハリがあって楽しめました。
北村さん演じるゲスな貴族がとことんゲスで、あの全体に汚して暗く作ってある人物群像の中で染みの一点もなくきれいなあたりとか。
が。いかんせんストーリーと音楽が…一揆の意味とかもうちょっと掘り下げてほしかったのと、時代劇らしさを出したいのか知りませんがあの音楽の浮いてる感じをなんとかしてもらいたかったです…予告編とかもうちょっと現代的にしてたと思うんですけど…。
窮鼠猫を噛む
「見ている物は同じでも、道は違えたか」
垣根涼介の同名小説を映像化。応仁の乱前夜の京を舞台に、寛正の土一揆の首謀者・蓮田兵衛を描く。主演は大泉洋。
寛正の土一揆は1462年9月〜11月に発生した一連の一揆を指すようだが、学校の教科書にはほとんど出てこない。蓮田兵衛についても「新撰長禄寛正記」に一行名前が出てくるだけらしい。いずれにしても、この後の応仁の乱〜大坂夏の陣があまりにも忙しいので世間一般には日本史上の空白期にあたると言える。自分も戦国史マニアな側面があるが、1500年以降の時代が主戦場なのでこのあたりの時代は教科書レベルでしか知らない。
知らないのが良かったか、思いのほか面白かった。蓮田兵衛(演:大泉洋)と京都警固役・骨皮道賢(演:堤真一)の腐れ縁のような対立関係も分かりやすかった。鎌倉〜南北朝を経て、戦国時代に一気にギアを上げる前の未成熟な郎党の姿も新鮮だった。また、一部アクションはVFXを駆使しているものの、基本的には人員を割いて撮影したようで、一揆本番の松明は大迫力。アクションだけでなく、「ひ弱な農民・浪人が武士とどうやって渡り合うか」という知略も盛り込まれており、特にこの時代に京に存在した七重の塔を使った作戦には思わず唸ってしまった。
もう少し頑張って欲しかったのは劇伴。最近の邦画のメロドラマにありがちな曲が流れたかと思いきや、いきなりレオーネ作品のようなマカロニマカロニした曲が流れてきて却って気が散った。エンドロールのような曲を全編通して使ってほしかった。「黒澤明と早坂文雄だったらこういう仕上がりにはしなかっただろう」なんてことをついつい考えてしまったのだ。
演出がややオーバーではあるものの、現代の歴史劇の流れとしては仕方ない。無理のない範囲で作り込まれていたし、結構面白かったので良しとしよう。
人情時代劇のリブートA Reboot of Human Drama in Period Dramas
主人公、蓮田兵衛を演じる
大泉洋さんはもちろんのこと
登場人物が全て魅力的。
人情時代劇とは書いたが、
それだけではなく、
生きるとは、人生とは、
世の中の仕組みとは、
充分、現代に通じる内容でもあった。
人との関係が
一見乱暴に見えて、
実はとても濃いのがよく分かる。
人を育てるとは?
ということが、
これは今は無理だろうなあと思うけど
あれくらいのことがなければ
実は限界突破できないしなあ
と色々考えながら見ていた。
とても濃い
人情時代劇です。
オススメです。
The protagonist, Hasuda Hyoe, played by Yo Oizumi, is, of course, outstanding, but every single character is equally captivating.
While it’s described as a “human drama in a period setting,” it goes beyond that.
It delves deeply into themes like what it means to live, what life is, and how the world works—concepts that resonate strongly even today.
The relationships between people, though they may seem rough at first glance, are actually deeply profound, as the story makes clear.
The question of what it means to nurture and raise people comes through vividly.
It left me thinking: “That level of intensity might be impossible nowadays, but without it, breaking through our limits might also be unachievable.”
A truly rich and profound human drama set in a period setting.
Highly recommended!
かえる→才蔵へと進化は美的、大泉洋のラスト両手刀がかっこよすぎ!
時代劇初心者でも分かりやすくて入り込みやすい!
惜しい
150分では足りなかったのでは?各キャラの深掘り等がもう少し欲しかった。それが無いためか、話が薄い印象を受ける。題材は今の世に訴えるような良いものなので、シリーズにするか前後編でしっかり描いて欲しかったと思った。
それから音楽が合ってない。これが一番マイナス点。盛り上がるところで毎回スカされる感じで、感情が不完全燃焼に。マカロニウエスタンってウケ狙いなのか?わざと外してるのか、全く意図がわからなかった。
アクション、殺陣のシーンはとても良かった。
才蔵の役者は最初喚く演技がイマイチだったが、修行後からグッと良くなった。
兵衛の大泉洋は、この作品で新たな境地を開いたのでは?と感じた。兵衛は非常に魅力的に演じられている。
NEWヒーロー誕生
時代は違えど「あんのこと」の入江悠監督が今回も社会的弱者に目を向けた優しくて強い作品
とはいえ、説教臭くならずクスッと笑えるシーンもありエンタメとして楽しめる
一揆のシーンは圧巻だが戦には必ず痛みと新しい苦しみを生み出すことをカメラワークでみせる監督は流石!
重たくなりそうなシーンに軽やかな音楽にも救われた
アクションではチョヒ(武田梨奈)など原作にはない女性キャラクターも良かった
弓引く佇まいと物言えぬ体でありながら微かに聞こえる息遣いが戦いの激しさを物語る
また才蔵(長尾謙杜)のスピード感あふれるアクションには開いた口が塞がらなかった
そのアクションと共に彼の目や手、声で表現された成長を感じる演技にも魅了された
師弟関係がテーマにもなっているストーリー、映画内でも才蔵が次世代の希望の光となっているが、映画界としても新星才能を秘めた逸材の登場に胸躍る
これからも楽しみな俳優さんだ
彼を含め主要キャストから端役までキャスティングの勝利!
ラスト、兵衛(大泉洋)道賢(堤真一)才蔵(長尾謙杜)のシーンは涙腺崩壊
ベテラン勢の表現力、才蔵の表情と手から棒に流れ落ちる物に注目して頂きたい
観る度に新たな発見がありそう
新たな時代劇の良作
ちょっと長い気がするが、その分ちゃんと当時の様子をキチンと描こうとしたと思われる入江悠監督の(多分)初時代劇。白石和彌監督に続き、監督の才能が遺憾なく発揮された新たな時代劇の良作。そしてまさに「つまらぬ世」である今作られる意味がある映画。どこかウエスタン風なのも素晴らしい…
大泉洋演じる蓮田兵衛の物語と長尾謙杜演じる才蔵の成長譚が同時に語られるところがまた良いし、長尾謙杜ほその成長の様子とアクション(特にラストの疑似ワンカットシーン)がいずれも良い。
また、脇のメンバーまでキチンとキャラクターがある。特に武田梨奈が久々にアクションで魅せてくれるし、柄本明はいつも通りズルい。
難があるとするなら、室町時代はあまり馴染みがないのでもう少しじっくりと描いても良かったところ。なんならミニドラマシリーズで見たかったくらい。
しかし「侍タイムスリッパー」含め、時代劇が滅びないように新たな才能による作品が作られるようになっており、今後にも期待できるかなと…
楽しみ。
アクションシーンが熱い
室町時代に一揆を起こした人物・蓮田兵衛を主人公として描いた時代劇アクション。巨大な権力に立ち向かい戦国時代の幕開けといえる戦いを迫力ある映像とアクションで描かれている。見どころは何と言って迫力あるアクションシーン。中でも長尾謙杜が演じる才蔵のアクションシーンは格好良すぎます。
2025-7
今の時代にも必要な正義
現在の世の中をどう思いますか?。疫病明けや重税、格差社会。時代は移り変わっても根本は変わらないのではないでしょうか。
室町時代、混沌した世に実在した蓮田兵衛(大泉洋)の生き様がストーリーです。どこか掴み所がなく憎めない主人公が弱者の為に幕府へ挑みます。
見せ場は少ないが大泉洋さんの殺陣が心底格好いい。相当稽古したのではないでしょうか。
こちらも実在した骨皮道賢(堤真一)との昔からの悪友であり最終的に対立する関係が作品に深みを与えています。
大泉さんと堤さんの最近の共演といえばテレビドラマ「終わりに見た街」が思い出されますが今作のほうが心に刻まれました。そして自分的にあまり見かけたことのない俳優陣が多く出演していたのが良かった。早速、各キャラクターと役者さんを調べなくては。
全432件中、201~220件目を表示