「私達が、果たせなかったこと」室町無頼 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
私達が、果たせなかったこと
つい考えちゃうんです。何故、今、この時代に、この映画が現れたのかを。エンタメ映画である以上、誰かが、何かを求めるが故に、この映画は創られたはず。
ヒトを苦しめるのは、おカネ?、暴力?、無慈悲?。
おカネ持ちになって、幸せになりたい。でも、それは、他者の不幸せを担保にすることでしか得られない?。
富がもたらす不平等は、誰が糺す?。
徳政令を求めるのは、昔話なのか?、現世なのか?。
護れなかった命は、誰がつぐなう?。
無頼に生きる術がない私に、何ができる?。
野辺にたたずむ親娘こそ、私?。
そんな私に憐れみを捧げる侠客は、誰?。
痛快娯楽映画のはずなのに、ヒトの痛みと苦しみと哀しみで、スクリーンが滲むのは、どうして?。
私達は、何を果たせずにいるの?。
令和の無頼に告ぐ
あなた方は、何を果たそうとしている?。
「あかんべぇ一休」
「室町無頼」の5年後に起こる、応仁の大乱を、風変わりな頓知を駆使する、型破りな僧目線で描いた傑作コミック。救いようの無いヒトの愚かさ、総てを受け入れ、総てを棄てる悟りの境地から見える修羅の世界の虚しさ。そんな世界を憐れむことなく、愛し続けた僧がいた…。
併せお読み下さい。
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