劇場公開日 2025年1月17日

「立ち向かうは国家権力…でも、蓋を開けると浪人同士の決闘だった」室町無頼 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0立ち向かうは国家権力…でも、蓋を開けると浪人同士の決闘だった

2025年1月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

応仁の乱以前、武士(浪人)が主導した一揆…のお話。
劇場予告編の「どん底から勝率ゼロを覆せ」というコピーが気になってしょうがなかった。
「勝率」とは、戦った総数に対する勝利数の割合だ。何度も戦って一度も勝てない状態(勝率:0)でさらに挑んだ戦いの物語なのか…?
気にしつつ映画を観た結果、そうではなかったように思う。
「勝ちめゼロ」という意味ではなかろうか…。

蓮田兵衛役・大泉洋の無頼ぶりは、三船敏郎の素浪人を少しオチャメにした感じで、殺陣も卒なくこなしていて大したものだ。
「俺が斬られても、こいつらは斬るなよ」とは、『椿三十郎』の最後の決闘場面で三船敏郎が仲代達矢に言うセリフ。大泉洋も最後にこれをもじったセリフを言うかと期待してしまった。

才蔵役・長尾謙杜は、最初のうち何をわめいているのか聞き取れず気持ちが入らなかった。汚れメイクもあって、主要キャラクターの存在感がない(前半は)。
柄本明老人との修行の場面は、今の映画なら仕方ないのかもしれないが、特殊撮影だらけで長尾謙杜自身の身体能力が感じられないのが気の毒だ。ジャッキー・チェンのカンフー映画を模しているなら、ここは青年の体力を示さないと…。
とはいえ運動神経は良さそうで、ワンカット長回し(風)の殺陣には圧倒された。だがやはり、忍者映画ならいざ知らず、リアリティがなさすぎる。

骨皮道賢役・堤真一はいつもの現代劇と変わらない演じぶりだが、洛中警護を担う浪人たちの棟梁という圧力は表れていた。芸達者だ。

不良大名の北村一輝の憎たらしさが良い。
この人、こういう役が板についている。元々は二枚目路線だったと思うが、『テルマエ・ロマエ』あたりからか、吹っ切った感があって清々しいほど。

悪政に虐げられる平民たちのためというより、蓮田兵衛に命を預けて集合したような浪人たちだが、その絆の根拠が描写不足。
個性豊かな寄せ集めの賊軍…を描きたかったのではないかと思うが、感情移入できなかった。

いざ大決戦となり、兵衛の兵法が発揮される展開。
合戦場面は迫力はあるものの、戦況が分かりづらい。が、これは今の映画の描き方だから仕方ない。ついて行けないこちらが悪い。

洛中警護役といっても骨皮道賢はせいぜい足軽大将で、ほぼ浪人みたいなもの。幕末の新選組に近い立ち位置だ。
結局は浪人どうしが殺し合いをさせられているので、この騒動で時代が変わったのか、疑問。北村一輝大名が悪の中枢だったら解決だが。

最近『八犬伝』などもあってスポットが当たっている室町時代。
私自身、戦国時代に比べるとまるで知識がないので、この時代背景の時代劇が続いてくれることを願う。

kazz
えーじさんのコメント
2025年2月4日

kazzさん ご返信ありがとうございます!
親身にご返事頂き本当にありがとうございます
非常に嬉しいです!
分かりました。HELPデスクへ連絡してみます‼︎
ただ不思議なのは昔のレビューは見れるのですが、最近の物が外れてしまうようです…
因みに私はiPhoneでレビューしています

えーじ
えーじさんのコメント
2025年2月4日

Kazzさん いつも共感ありがとうございます!
質問がございます!
最近私のレビュー多数が作品から入って見たら外されている事が多いのですが、これって私はブラックリストに載り、意図的に外されてるのでしょうか⁇

えーじ
ノーキッキングさんのコメント
2025年1月31日

コメントありがとうございます。平安時代までは、ハ行の発音はふぁ、ふぃ、ふぅ、ふぇ、ふぉ。と言っていたとか。面白い時代劇が作れそうです。

ノーキッキング
トミーさんのコメント
2025年1月30日

共感ありがとうございます。
北村さんの悪役良いですよね、今作はちょっとひ弱でしたが、今迄で一番印象に残ってるのはガイガーン!起動!の役。
今作は時代背景もあるのか、借金チャラ!が最終目標で、割とあっさり終わった感でしたね。

トミー
えーじさんのコメント
2025年1月30日

共感とコメントありがとうございます
そうなんですよ!予算を沢山使ったのに勿体無いですよね!
あのジャッキーばりの特訓とかはもっと短く出来たし…その分物語の厚みが欲しかったです‼︎

えーじ