室町無頼のレビュー・感想・評価
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日本版『マッドマックス』
監督が『マッドマックス』を意識したと仰っていた通り、あの汚く腐敗した世界観や、個性強めなキャラクターのビジュアルは『マッドマックス』の要素強め。私は『マッドマックス』が好きなので楽しめた。
「寛正の土一揆の首魁」という歴史上の一文から、時代劇というより漫画的なエンタメ要素に振り切った作品。才蔵なんて少年漫画の主人公かと思ったよ。
『SHOGUN』や『侍タイムスリッパー』など、時代劇が新たなスポットを浴びる機会が多かった2024年。時代劇=堅苦しい・難しそう と思っている人も、こういう時代劇なら楽しめると思う。
クライマックスの一揆シーンはすごい迫力で、とてもスクリーン映えした。やはり人数が多いとその分の圧がすごい。
しかし面白かった分、残念な点も目立った。
残念な点は2つ
①劇伴が合ってない気がした
このシーンでそんなほのぼの音楽!?
こんな大事なシーンでそんな現代っぽい音楽!?
と、大事なシーンの劇伴が雑音だった。
『マッドマックス』はビジュアルとロックがすごく合っていた分、意識するならそこも意識してくれと思った。エンドロールの時の音楽をもっと劇中に使えば良かったのに…
②才蔵役の子の話し方
まだ演技経験が少ないのかな?殺陣は本当に凄くて、きっととてつもない努力されたんだろうなと感動したし、かっこよかった。
ただセリフのシーンになると…浮く。怒鳴り散らすシーンは滑舌が悪くて聞き取れないところもあった。これから頑張って欲しい。
残念な点もあったけれど、満足度は高い作品でした。
大泉洋さん頑張っています
相対範囲内のアクション
東映が社運を賭けて久々の大型時代劇を手掛けるという事、応仁の乱のきっかけとなった室町時代末期が舞台という事などの話題性があったので、若干ハードルが上がっていたかもしれません。
確かに時代劇としてのアクションはすごいのですが、るろうに剣心シリーズで目が肥えた現時点としては、想定範囲内だったという印象です。
剣豪だとしても、主人公が007ばりに強すぎる点や、拾った孤児が短期間でスーパーサイヤ人レベルの超人に進化するてんなど、ありえない設定も含めて、面白い事は面白いけど、それ以上でもそれ以下でもないなという印象でした。
興行収入の点でも、制作費が約10億円に対して最終が約5.6億円らしいので、満を持して製作した東映としては大爆死レベルになった様です。
河原にて
入江悠『室町無頼』大飢饉と疫病の室町時代末期に幕府と高利貸しに立ち向かった人々の物語。時代は室町だが、完全に今の時代についての作品。「あんのこと」はこの社会の脆弱さから取り残され、救われなかった命を描いていたけど、こちらはそんな社会を変えるために立ち上がれ、闘えという映画です。
もうひとつ「あんのこと」と違うのは完全にエンターテイメントに振り切った作品で、時には「ジョン・ウィック」時には「爆裂都市」とには「必殺仕置人」で、差別野郎はくたばれという要素もあって、なかなか痛快なアクション映画に仕上がってたな。
あと、この映画は長尾謙杜演じる「民から暴利を貪る高利貸し、その片棒を担いだ時もう死んでいた」と語る才蔵のその後の成長を描いた青春映画とも言えるよね。
某役者さん目当てで軽く見始めたが…
まあ、話はわかるが、
字幕が出ない日本映画あるあるだけど、普段のセリフはボソボソ聞こえにくく、それで音量をあげると、怒鳴り声やら争いやらの声でいきなりうるさくなる、という、音量の上げ下げで気が散るパターン。
貧しい人たちは力ないしゃべり方だし、主人公はじめ他の人らも普通のセリフでももうちょっと滑舌よく聞こえやすかったらいいんだが、なんなんだろうな、こういうのでムダなストレスがもったいなくもあり。
こういうのを見る人は、どんなかんじで聞き取って理解して見てるんだろう(笑)
修行のくだりは大昔のジャッキーチェンの映画のワンシーンのようでもあり(笑)、中盤はなんか間延びしてるようなかんじで、後半のチャンバラではどっちがどっちかわからんかったり大声ばかりでまた音量をさげる、と。
ストーリーはわかるけど、んー、まあ、どういうもんかわかったからもういっかな、と。
大泉洋がかっこいい!
見どころが分からない
何かよくわからずブチギレてる人達がワヤワヤしてる。
まあ多少積極的にストーリーを理解しようとすると、高利貸しからの借金取り消しのための武装蜂起なんだろうけど。
なんか映画の大部分がモブとモブがワチャワチャしてるだけで、「映画なのこれ?」って言いたくなるほど見どころがわからない。
大泉洋や堤真一など名前の分かる俳優が登場しているシーンなんて、冒頭の導入部分とラスト30分程度じゃないか?
開始後1時間程度で蜂起が始まるが、40分間モブしか居ない戦闘。
ラスト30分で大泉洋が出てきても、モブに隠れてどこに居るかもよく分からん。
その30分にしたってモブが歌って、モブが叫んでるだけ。
見せ場がない。
見る価値がない。
ただただ眠くなるだけ。
もう少しくらいキャラクターに味をつけて、ネームドキャラの見せ場を作ったら?
緩い…
贅の限りを尽くしながら、民を飢えさせる大名たちに一揆を企てた蓮田兵衛という人物を知らなかった。しかし、大泉洋だからなのか、堤真一とのやり取りや、時代劇らしからぬ音楽、芝居じみた演技、折角の一揆の戦いのシーンも何となく軽く感じてしまった。柄本明のセリフも何を言ってるのか分からないし、松本若菜のシーンも必要性を感じない。エンディングも締まらなかった。
原作はかなり面白いんだけどなぁ
応仁の乱直前、
牢人をはじめとした無頼の徒が
歴史の表舞台に姿を現して、
下剋上の世のさきがけとなった。
その一人が、徳政一揆の首謀者となった
蓮田兵衛(はすだひょうえ)。
そしてもう一人が、侍所の目付(とはいえ素性の知れぬ)
骨皮道賢(ほねかわどうけん)。
物語は、実在したこの二人と、
数え年十七の少年、才蔵を中心に
時代の変わり目を描いてゆく。
彼らがそれぞれ、
やせ我慢と達観と
青白く燃える情熱の炎を秘めて、
不条理な世界に立ち向かう
傑作歴史ハードボイルド小説。
ただし、
困窮する庶民の主要キャラがいなくて、
そのへんのリアリティに厚みがないのが、
ちょっと食い足りないところ。
* * *
で、その映画化。
監督も、困窮する庶民の描き方が足らん、と思ったらしく、
その辺りの描写が加えられている。
ただ、描き方が、かなりステレオタイプ。
おそらく監督は(あるいはプロデューサーか)
エンタメ度マシマシにしたかったんだろう。
だから、
わかりやすい笑いを入れて、
わかりやすい敵をこさえて、
キャラもわかりやすいステレオタイプにしたんだろう。
本来は、皆もうちょっと
深みのあるキャラだと思うんだがなぁ。
とくに才蔵が当初、
子犬キャンキャンみたいになっちまってるのは、
非常に残念。
室町っぽくないしミスキャスト
監督曰く『マッド・マックス』とマカロニ・ウエスタンを意識したとのことで、さらに全体的には黒澤明の時代劇を意識したようなところもあり、そこに昔の香港カンフー映画の修行シーンとか、『グリーン・デスティニー』的ワイヤーアクションをぶち込んだ、つぎはぎのパッチワーク感が強い映画。室町時代を舞台とした珍しい映画というところに惹かれて観たんだが、正直言って室町感はあまり感じられなかった。たぶん監督がそういうところにあまり興味がないんだろう。
俳優たちも演技は悪くないが、なんだか設定通りのキャラクターを必死でなぞってるように見えて、役がその俳優のものになりきってないというかなんというか。そもそも主演の大泉洋がワイルドで強くてカッコいい主人公に合わない。演技は相変わらず達者で違和感はないが、キャラクターが大泉に合ってない。大泉は演技は上手いが、どんな役でもできるカメレオン俳優ではない。三船敏郎や渥美清なんかといっしょで役を選ぶ人だ。そしてこの作品の主人公はまさに黒澤映画の三船が演じそうな役で大泉のキャラクターには合わないのだ。
少年マンガ的ベタなシーンがちらほらあるのも少々鼻白む。クライマックスの一揆のシーンでも、若い棒術の達人が幕府軍をバタバタなぎ倒していくが、なんで幕府軍は弓矢使わねーのかなと思ったり。
うーん、期待したほどではなかったかなぁ。決してつまらなくはないんだけど、まあまあ面白いという程度の映画でした。
現代にも通じるような作品
普段はあまり時代劇を観ないのですが、アニメ実写を見るような感覚で最後まで楽しく観れました。
こんな風に命を削った人たちのおかげで今があるんだなと思うとぐっときてしまい、また、現代の政治にも言いたくなるような台詞に目頭が熱くなりました。
ド派手な殺陣もとてもかっこよかったです。
珍しい時代設定に興味が湧いたけど別にどうって事もなかった。
大泉の役は戦国武将でも勤皇志士でも流浪のガンマンでも抗日馬賊でも撮れる。
けっきょく『史劇』ではなくあくまでエンタメの『時代劇』なんだよな。
だから時代考証にはあまり注力していない。大泉からして、武士が大小二刀を差すのは江戸時代以降のことだし、この時代『烏帽子をかぶらないのはパンツをはかないようなもの』じゃないのか。
せっかく蓮田兵衛というマイナーな人物をあえて取り上げておいて、史実を掘り下げる意思も特にない。
全体的に雰囲気重視で『細かいことはいいんだよ!』のノリ。
紙吹雪みたいに証文を撒き散らしてどうするよ。集めて全て燃やすのが目的なのだから纏めておかなきゃダメだろ。
あんなことしてたら後で相当な数が回収されて金貸しの手に戻るじゃないかと気になって仕方なかった。
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