Cloud クラウドのレビュー・感想・評価
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リアリティが空の彼方に飛んでく。クラウドだけに
じゃないんですよ。序盤も粗い設定だったけど、後半になってくると少年マンガみたいにチート級の助っ人が登場。トドメは、ミエミエの裏切りのくだり。これ必要ですか?
誰だって商品を出品できる時代に若造に買い叩かれる社長っています? 自分で直販するよね。
前半は、不穏な空気感もあり、多少の粗さは身にならなかった。だけど、後半になると一気にリアリティラインが崩れていく。猟銃ならともかく、一般人が拳銃を調達するなんて至難の業。
銃撃戦自体は緊迫感があって悪くはないんだけど、バックグラウンドの設定に足を引っ張られる。そんな作品でございます。
地獄の入り口
黒沢監督節全開映画
互いに明後日の方向を向いたままの会話シーン
意味もなく部屋をウロつくシーン
ただこっちを見て立っている人のシーン
生活感ゼロの倉庫のような部屋のシーン
くすんだビニールで部屋が区切られ向こうが見えないシーン
急に部屋が薄暗くなっていくシーン
森を走って逃げるシーン
車内の景色は合成シーン
他多数...
今までの黒沢監督の映画が好きな方は黒沢監督のお約束演出テンコ盛りで期待を裏切らない間違いなく好きなタイプの映画ではないかと思います。
登場人物全員がどこか感情が欠落している普通ではないような人達ばかりで、終始、違和感と不穏な空気感が漂う、人コワ映画に仕上がっていました。
今、豪華キャストで昔の「復讐」「蛇の道」「蜘蛛の瞳」のような作品を撮ったらこんな感じに仕上がりましたといった感じでしょうか。
後半は最近の邦画ではなかなか見ない銃撃戦が見れたのも良かったです。
やっぱり黒沢作品は面白い!
久しぶりに怒りを覚えるくらいつまらなかった
警察や装弾数や法律やらのツッコミはNG
期待値下げて行きました(笑)
おかげで、残念感はそこまで酷いものではありませんが、ストーリーが退屈で前半は何度寝落ちしたことか😅
ガラスが割れる音で目が覚めて、ドンパチ始まってまた目が覚めての繰り返しでした🤣
隣にいるおっさんなんかは予告編からずっといびきかいていて、ドンパチ始まってようやく目を覚ましたぐらいの散状でしたし😮💨
せっかくの窪田正孝が使ってのラスボスなのに、あれもちょっと😓
誰か黒沢清監督に真のラスボスとはベイビーワルキューレに出てくる池松壮亮のようなキャラだって教えてあげてくだせぇ😁
そうそう、シティーハンター目当てで調布のイオンシネマ来て、ついでにこの作品観たっていうのも、そこまで失望はなかった理由ですが、それで2.5って(^^ゞ
海老名、座間、新百合ヶ丘、多摩センターのイオンシネマに比べて、調布はシアターへの入口が狭いからか、べらぼうに長い行列ができたり、ムダに長いエスカレーターがある割には、廊下の天井は低くてせせこましいなど、かなりストレスも溜まるので、余程の事がない限りは来ないだろうな、下手したらもう一生来ないだろうなと思いました😌
登場人物の背景が薄い
菅田将暉さんの演技力がありきでこの評価です。細かな演技はさすがの菅田将暉さんです!が内容がよくわかりません、何を伝えたかったのかな?という印象。
特にラストは謎のままで、俳優陣はそれぞれ良かったのですが残念な印象です。
MVPは古川琴音かな
「蛇の道」、「Chime」に続く2024年黒沢清監督三部作(?)の掉尾を飾る作品でした。4か月で3回目ということで、短期間に立て続けに黒沢ワールドに浸ったせいか、理不尽系の物語にも慣れて来て、本作では物語世界そのものを楽しむことが出来ました。「Chime」でもそうでしたが、序盤は普通の世界なのに、ハッキリとした理由が分からないままに徐々に歯車の回転がおかしくなって行き、やがて地獄行きになるという展開に快感すら覚えました。
また本作の見所は、菅田将暉をはじめとする俳優陣。古川琴音や窪田正孝、岡山天音、「Chime」では主演を務めた吉岡睦雄、さらには松重豊をチョイ役に使う贅沢な布陣で、彼らの絶妙な演技が本作の浮世離れしたとも言えるストーリーにリアリティを与えているところが流石でした。
そしてそんな俳優陣の中で最も印象に残ったのは、菅田将暉を抑えて古川琴音でした。菅田将暉演じる主人公・吉井の恋人役でしたが、最後に吉井に見せた般若の如き表情は、悪夢に出て来るレベル。俳優だからシナリオ通りに何でも演ずるのは当然と言えば当然ですが、従来の古川琴音のイメージを完全に一変させたあの演技は、間違いなくMVPものでした。
そんな訳で、本作の評価は★4とします。
格好良いけど
希薄過ぎる人間描写
フオンも
地獄の入口
転売を本業として儲け始めた男が何者かに狙われる様になる話。
転売を副業とする町工場で働いて3年の男が、出世話しを持ちかけられたことを機に会社を辞めて巻き起こっていくストーリー。
とりあえず、怪しげな上司に始まって何だか彼女も…そして先輩もねぇ。
いよいよ転売を本業にして仕事がうまく行っているのかいないのか、からの佐野君の狙いが良くわからないけれど、随分自信満々な彼女だこと。
と思っていたら、話しが随分大きくなるし、駅に西洋雑貨商もどきの登場で話しが、飛躍し過ぎの様な雰囲気に…これ日本が舞台ですよね?
コミカルだったり軽いノリだったり、もしくはそういう世界を題材にした作品ならまだしも何だかね。
そしてわけわからんその流れのまま捻りもなく終了されて、ちょっと自分には刺さらなかった。
シュピーゲルグランツ
薄すぎるネット文化批評
たしかに黒沢清ならではの刻印は、あちこちにあるんですよね。素早いクロスカッティングを使って、バスの中で視野の隅を一瞬だけ横切る不安な黒い影。空っぽの工場で風にはためく半透明のビニールのカーテン。逆光で真っ白に飛んだ窓ガラス。そして何よりも、菅田将暉の不思議な存在感は忘れがたい。
でもねえ、それらすべてを足し合わせても、これ要するにあんまり脚本が練れてない薄っぺらいネット文化批評の映画としか言いようがないんですよね。どこからともなく現れる反社集団とか、ネットの転売くらいでキレる一般人とかさ、あまりにもご都合主義がすぎる。黒沢清が教壇に立ってる藝大映画学科の脚本課題でこんなの提出されたら、「まあもう少し頭を冷やして伏線を整理してみたら」と講評を書かれると思うんだよね。そんなの映画として撮ってちゃいかんですよ。
朝日新聞のレビューで大久保清朗が「銃撃シーンは圧巻」と書いてるんだけど、本気ですかね? シロートが適当に乱射してるだけですって。画面を見ろ画面を。
俳優の演技も、この監督はぜんぜんコミットしてないのがありあり。ぜんぶTVドラマだねこれは。それをぶっちぎって異様な迫力を放っているのは菅田将暉で、彼の撮り方だけでぎりぎり持ちこたえている、そういう映画。
蓮實重彦なんか年寄りのくせに小ずるいから、知り合いの作品だと致命的な欠陥には触れずに「菅田将暉がすごい」とだけコメントを出すんだよね。そんなの真に受けちゃダメです。菅田さんは凄いよ、でも映画はくだらないよ、ってことです。
憎しみも好意も恐怖になる
2024年。黒沢清監督。工場で働きながらネットでほそぼそと「転売屋」として稼いでいる男は、ちょっとした儲けが出たことと会社で昇進しそうになったことを契機に工場をやめて転売で生きていこうとする。ただ、偽物か本物かに無頓着に売れそうなものを買い占めて転売するきわどい手法は反感を買い、ネットで標的とされて命さえ狙われることに。その時、たまたま雇っていた青年が裏社会に通じた人殺しも辞さない人として現れて男を救うという話。
小賢しい男にすぎない主人公が、あれよあれよという間に恨みを集め、ネットの力で憎悪の的になっていくことがまず恐ろしいが(この程度のぼくがなぜ?1)、土壇場で救世主のように現れる青年に命を救われることで、逆に後戻りのできない地獄に突き進んでいくというのも恐ろしい(人の道を外れていく2)。1では恋人を含む周囲のあらゆる人間が自分を憎んでいることを突き付けられ、それがそもそも自分の無関心から発していることを知る。2では逆にこちらの想定を超えた好意を向けられ、その底知れぬ行為の行きつく先の恐ろしさを知る。どちらにせよ、他人や世間に対して無関心な主人公(訪ねて来た工場主に対する居留守、先輩に携帯番号を訪ねられたときの能面など。積極的に関係を切断し続けている)が、過剰な関心を寄せられることで恐怖を抱く姿を描いている。
黒沢監督の恐怖映画が常にそうであるようにぞわぞわする。主演の菅田将暉がどこかのインタビューで話していたが、後半で男が手にする拳銃には常にライトが当たるように計算して撮影していたとか。きらりと光る拳銃が「ぞわぞわ」に貢献しているのは間違いない。
黒沢清は進むことを恐れない。あの頼もしき奥平大兼のように
リメイク版『蛇の道』を観るのは辛かった。
黒沢清が面白くないという現実は受け入れ難かった。
これぞというショットを撮らず、悪戯に間延びした格闘で尺を伸ばす、これを撮ったのは本当に黒沢清なのか。
黒沢清に明らかな変化が起きている、しかしその変化が良いものだとは到底思えない。
ただつまらない映画を観ることより遥かに、それは辛い体験だった。
黒沢清は、進むことを恐れなかった。
銃を手に変貌した奥平大兼が「進みましょう」と繰り返すように、変化することにいささかの躊躇いもなかった。
映画『Cloud クラウド』で黒沢清は、ペキンパーへの憧憬を抱きつつ、イーストウッド的な軽さで撮りつつ、スピルバーグへの対抗心を燃やしつつ、『回路』の頃の黒沢清でありつつ、しかしそのいずれでもない。
菅田将暉と古川琴音が互いを見つめ合う時、異様に速いバスの中で寄り添う二人の後ろに黒い影が出現する時、かつてない長さにも拘らず一切の緊張を失わない銃撃戦の最中、倉庫の外に雪が降るのを目撃する時、「進みましょう」と促す奥平大兼に導かれ、映画の世界に生きることを決意した菅田将暉が走り出す時、そんな矛盾した感覚を覚えつつ、自身の変化の全てを肯定する黒沢清の強さに涙を堪えきれなかった。
進み続けたい、スクリーンプロセスを背に光る眼を前に向ける菅田将暉のように。
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