Cloud クラウドのレビュー・感想・評価
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展開の唐突感はあるも実力俳優陣がカバー
人としての良心を持ちつつ、生きるために粛々とグレーな仕事をこなしていく普通の青年を菅田将暉さんが演じてます。
展開の唐突感もあるので賛否はあるかもしれませんが、黒沢監督作品に初出演の菅田さんはじめ、豪華俳優陣により上質な作品で、目が離せない楽しさがありました。
サスペンスなので怖いシーンが多いですが、怖いがゆえにむしろ笑ってしまったり、「この期に及んでまだそれやる?」と突っ込みたくなるシーンにも笑いが出ました。
主演の菅田さんはさすがという演技でしたが、助演の奥平大兼さんがすごく存在感を増している作品だと感じました。あとは荒川良々さんがとにかく怖かったです。
転売ヤーに警鐘を鳴らした作品って感じだったけど良く解らなかった(笑)
世にも奇妙な物語2時間sp
後半が残念すぎる…
たびたび問題として取り上げられる転売ヤーを主人公に据えた、サスペンススリラーとして注目していた本作。緊張感の漂う予告にも興味を引かれ、公開2日目に鑑賞してきました。
ストーリーは、町工場に勤める傍ら転売屋として金儲けをしていた吉井良介が、社長からの管理職への打診を断って辞職し、転売屋に専念するため郊外の湖畔に一軒家を借り、恋人の秋子と暮らし始め、地元の若者・佐野を雇い、転売も順調に進んでいるかに見えたが、あこぎな買い占めと高額転売はいつしか多くの恨みを買い、吉井の生活を脅かすようになるというもの。
今日、社会問題にもなっている転売に鋭くメスを入れ、それを諌めるような展開を期待しての鑑賞スタート。冒頭から、人の痛みを1ミリも理解しようとせず、現金をちらつかせながら情け容赦なく商品を買いたたき、楽して儲けることだけに注力する転売ヤーの姿が,見る者に強烈な嫌悪感を抱かせます。そんな吉井にジリジリと迫る怪しい気配と不穏な空気が、この男に降りかかる災難を予感させます。この際、この男をうんと懲らしめちゃってくださいと期待してしまいます。
と、ここまではなかなか雰囲気があっておもしろいです。それなのに、なんじゃこりゃの後半展開!しかも、茶番のような攻防を長々と見せられるという謎のクライマックスシーン!もはや当初の設定やテーマはなんだったのかと言いたくなります。襲撃に加わる登場人物の造形も訳がわかりません。電子機械工場の社長とネカフェ住人の動機はかろうじてわかるものの、あとは意味不明です。社長の滝本と恋人の秋子は、もはや前半とは別人です。
そんな中、さらに謎の無双を繰り広げる佐野!君はどこかのエージェントなのか!?そのスキルと胆力と人脈があれば、プロとして食っていけるよ!それともあれか、バイトに身をやつしているのは、吉井を頂点とした一大転売組織を構築し、最終的にそれを牛耳ろうとする企みか!おまけに井之頭五郎は輸入雑貨の裏で拳銃も密輸してるのか!? 突然投げ捨てられたような終末のおかげで、その隙間は妄想で埋めるしかありません。笑
着想と前半の流れがよかっただけに、話の納め方が本当にもったいないです。転売が与える問題をもっと深刻にあぶり出し、吉井には合法的に社会的制裁を受けてほしかったです。それを現実的に描くことで、転売への警告と抑止に繋げてほしかったです。
主演は菅田将暉さんで、吉井のふてぶてしさと身バレしたときのギャップがよかったです。脇を固めるのは、古川琴音さん、奥平大兼くん、窪田正孝さん、荒川良々さん、岡山天音さん、矢柴俊博さん、森下能幸さん、松重豊さんら。
奇妙で、奇怪で、不自然で、キモい
「思ってたのと100倍違った」
黒沢ファン必見
映し方はとっても良い
不条理ハードボイルド
びっっくりした
どちらが主役かはっきりしない作品
アカデミー賞外国語映画賞日本代表に選ばれた
作品で菅田将暉、黒沢清監督なら見逃せない作品と思い鑑賞。
ハラハラドキドキ感は満載だし、テーマが転売も興味深い作品。
ただ、菅田将暉演じた吉井と奥平大輝が演じた佐野はどちらが主役かはっきりしなかった作品。それだけ奥平大輝の演技が見事。
ちょっと期待外れだった作品でもある。
アカデミー賞外国語映画賞のノミネートは残念ながら厳しいと見る。
最近の日本人は皆んな銃を持ってるの?
菅田将暉演じる吉井良介は、町工場で働きながら、転売屋をやっていた。ちょっとちょっと!転売ってそんなに儲かるの?しかもあっという間に。そこそこ儲かると判断している吉井は会社を辞めて古川琴音演じる彼女の秋子と田舎の賃貸一軒家に引っ越す。安っ!あら、アシスタントを雇うって、どんだけ儲かってんのよ。吉井は商品を安く買って、サイトで売っている。えっ!そんなに高くしても売れるの?オークションなら、まだ分かるけどね。吉井のハンドルネームはラーテル、何で哺乳類の名前なんだろね。ん?販売中のバッグが偽ブランド品だとサイトで指摘される。本人は知らないと言う。それ、怪しすぎ。でも値下げしたら売れるてか。
怪しいと思っていたら、寝室に事件発生。それから始まる、殺し合い。何で皆んな銃を持ってんのよ。持ってるだけで犯罪だぞ。中盤までは吉井と秋子の行動が楽しかったんだけど、後半は大嫌いな殺し合い。殺しに来るなんて納得できず、逆に正当防衛なら相手を殺してもいいの?信じられない。
何より楽しかったのは、秋子が吉井を、りょうちゃんと呼んでたこと。自分は普段から自宅でりょうちゃんと呼ばれているので、ずっと琴音ちゃんに呼ばれてる気がしたのよ。最後はまさかの展開だったね。秋子の気持ちずっと分からなかったわ。中盤までソコソコ楽しめました。
一流の役者と三流の脚本
佐野くーん!
お金の無駄
あまり深く考えず、頭をからっぽにし、ドンパチの奔流に身をまかせるのが吉
『黒沢清』のフィルモグラフィーを確認すれば、
ドラマ性の強い作品が続いたのちに、
暴力に彩られた一本が突如として撮られていることに気づく。
まるで普段は理性で抑え込んでいる残虐性が
突然発露するように。
ここ十年なら
〔クリーピー 偽りの隣人(2016年)〕
〔蛇の道(2024年)〕
がそれにあたるか(後者はリメイクだが)。
そして本作は前作に続き暴力に彩られた一本。
多少のご都合主義は全て脇に置き、
無慈悲な描写を堪能すべき。
『吉井良介(菅田将暉)』は転売ヤー。
ネット上の情報に注意を払い「セドリ」をし、
利ザヤをコツコツ稼ぐよりも、
弱みに付け込んで良品を買い叩き高額で売ったり、
出所不明な商品を扱ったりと、
そのやり口はかなり怪しい。
が、本人は商品そのものには何の興味を持たず、
いかに高く売り抜けるかだけを考える。
そうした手口は当然周囲にも軋轢を生むし
買われた側、売られた側からも恨みを持たれ
それが次第に澱のように沈殿していく。
重低音のような落ち着かない感覚は全編に付き纏い、
挟み込まれる薄気味の悪いエピソードが積み重なり、
クライマックスで爆発する。
モノに対する関心は薄く、
金に強く執着する『吉井』だが
意外にも恋人の『秋子(古川琴音)』にはゾッコン。
気まぐれで我儘な彼女に寛容な態度で接し、
それが終局のシーンの慟哭に繋がる。
圧巻は全編の1/4ほどの尺を占める撃ち合いのシークエンス。
それもたった一人のプロを除き、
残り七人ほどは全て素人という驚愕の設定。
機械が多く置かれている場所でも、
跳弾など気にせずにばんばんと発砲しまくる。
その節操の無さが
独特の緊張感と迫力を生むのは逆転の発想か。
面白い。
タイトルの「クラウド」には
雲、群衆、曖昧模糊、陰鬱などと複数の意味があるが、
本作には何れもが当てはまりそう。
とりわけ、登場人物のほぼほぼが
死んだ魚のような目をしているのは象徴的。
曇った瞳には、いったい何が見えていたのだろうか。
皆んな謎、だれにも共感出来ない
工場で働きながら転売で金を稼いでる吉井良介は、勤務先の工場の社長・滝本から管理職への昇進を打診されたが、断り、工場を辞めた。30個9万円で仕入れた商品を、1個20万円で売り切り、約600万円のあぶく銭を得たことがきっかけだった。転売で生計を立てようと、群馬の湖のそばに事務所兼自宅を借りて、恋人・秋子との新たな生活を始めた。地元の佐野を雇い、転売業を拡大していったが、周囲で不審な出来事が相次ぐようになった。吉井が無自覚で行なった転売で不良品や偽物を掴まされた人達により、ネットで叩かれ、お互いを知らない集団により狩りゲームの標的となった。吉井はどうなる、という話。
1個3,000円で仕入れ、20万円で売れたら、そりゃあ美味しい話だよなぁ、まともに働く気なくなるわなぁ、なんて観てた。
吉井の行動は理解できるが、そんなうまい話がいつまでも続くわけないよなぁ、とも思った。案の定・・・だし。
恋人の秋子は結局吉井にまともに相手をしてもらえず怒りの行動に出たってことなのかな?彼女は何を考えてたのか、よくわからなかった。
工場の社長の滝本はストーカーみたいな事をした頃から不気味で、1番壊れてた人かも。もちろん共感できず。
ネカフェで生活してた三宅も小心者でそんなに恨みがある訳じゃなさそうなのに狩ゲームに参加したりしてアホらしいし。
吉井を転売に誘った先輩の村岡も元々気持ち悪いし。
とにかく登場人物の誰にも共感出来なかった。
唯一、佐野はクールでカッコ良かったが、どこかのヤクザの孫?みたいな設定だったのかな?奥平大兼はピッタリだった。
ちょい役だったが松重豊も観れたし、良かった。
もちろん、吉井役の菅田将暉はさすがでの演技で魅了されたし、秋子役の古川琴音も不思議な女を魅力的に演じて良かった。
社長役の荒川良々、村岡役の窪田正孝、三宅役の岡山天音など、みんな流石だった。
黒沢清
ナニコレ珍シネマ
他の人のレビューとかぶる点が多いので、止めとこかなと思いましたが、やっぱり投稿します。普段日本映画はあまり観ないのですが、今年は「PERFECT DAYS」や「夜明けのすべて」など、心に染みる良作を観て、日本映画もレベルアップしてきたなと思っていました。さらに今回黒沢清監督の作品を初めて鑑賞ということで期待していたのですが、結果はなんとも残念でがっくり。前半は独特の不穏なムードで緊張感もあって、結構引き込まれていたのですが、後半の極端ないい加減さに愕然としました。安っぽくてリアルさのかけらもない銃撃戦と人物描写。前半の伏線回収とかあるのかと思いきや何もない。せっかく上手い役者が多数出演しているのに、感情移入したくなる登場人物が皆無で、主人公含め、とにかく人物描写が薄っぺらい。なんで主人公をここまで恨むのか背景描写が弱すぎ。
転売屋を主人公にするのは、今風で面白い着眼点だと思うのですが、いかんせん全体的にリアルさが無さすぎる。あんな方法で転売する?あんな不便なところに仕事場を構える?現代の日本で素人が銃を大量に入手して撃ちまくる?そもそもアシスタントの男は何者で目的は何? ・・・途中からついて行けない、というか考えるのがアホらしくなりました。どうせなら、もっとぶっ飛んでブラックなコメディに仕立てればよかったのではと思います。観たあと考察を楽しむタイプの映画なら、「あの人物はなぜあんなことをしたのか」を考えるのも一興ですが、これだけ単純な展開のストーリーで何の背景説明もないのは、脚本が手抜きというか破綻している。まあ、あまり映画を観ない人には、「最後の銃撃戦はすごい」とか思えるのかもしれませんが、人より少し多めに映画を観ている者からすれば、あきこのオチ含め全部予想通りの展開で何のヒネリもなかった。
今年観た中ではダントツのハズレ作品でした。
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