Cloud クラウドのレビュー・感想・評価
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怖かった〜、けど、なんかもう一回見たい気もする。ハマってしまった。
菅田さん、奥平くん、岡山さんの3人がキャスティングされてる時点で私得でしかなくて。予告見て怖そうと思いつつもかなり楽しみにしてた。
いやー、ひたすらに怖がってみてた。スリラー系はもともと得意じゃなくて、怖いとこは目を細めたり片耳塞いだりしつつ見てた。だから見終わってすぐはなんか疲労感もありとにかく怖かったっていう印象しかなかったんだけど、、時差がすこしあって、やっぱり面白かったかもってハマってる自分がいて。公式のSNSの投稿を遡って見てたり、パンフレット見たくなって翌週に何の迷いもなく買いに行ったり。まんまとハマってた。(パンフレットすごくおしゃれな作りなのでおすすめ)
前半の方が“ひとの怖さ”がありゾクゾクが強くて、後半の方が純粋なアクション。
みんな普通に壊れてる感じがちょっと面白くもあり、怖い理由でもある。
佐野くん良かったな。後半は彼に釘付けだった。いったい何者やったんや君は、みたいな。その答え合わせがないのもいい。ハマった理由はかなり佐野にある気がする。
あと、やっぱりお気に入りは三宅。あの退場シーンすごいこだわり演出って知ったうえでもう一回見たいな。
黒澤清監督の境地とみるかそれとも
星4をつけたのは本作は人を選ぶ点が非常に多くあると感じながらも、この作品ならではの光る部分について推したいと考えたためです。
ややニュアンス的な表現にはなってしまいますが、
「映画の"らしさ"を荒唐無稽に描き出すことによって"映画"を取り出す」
のような体感が残りました。
近年、稀有といって良いほどのコテコテの演出、台本、あらまし、20年昔で止まっているデジタルリテラシー。
そんな印象をこれでもかと受けるのが本作です。
この一方で浮上する視点が、「この映画そのものが映画本体」という見え方です。
この映画は観客に、ディズニーランドであるとも枯山水であるとも言わせることを許さない、針のような絶妙な存在に挑戦しているようにも感じられます。
個人的にはMナイトシャマランやデヴィッドリンチ監督作品などを好む方に本作をお勧めできるのではないかと感じました。
サバゲー
好きな俳優さん多いし、途中まで良かったけど。
後半のストーリーはちょっと残念。
殺し合い?が素人っぽい。わざとそうてるんだろうけど。最後の方に大どんでん返しもあるけど、予想できる範囲だし。なんだったのかな、、組織って汗
佐野くん…いったいなに?
菅田将暉が演じる平凡な青年・和也が、憎悪に満ちた集団狂気に巻き込まれていくサスペンススリラーです。劇中、和也は転売ヤーとして働いていますが、個人的にその仕事に対して「自分にはできないけど、なかなかおもしろい仕事だな」と思いながら観ていました。
物語の中で、奥平大兼が演じる佐野という謎めいた青年が登場します。彼の存在は、最後まで曖昧で、和也を助けるのか、それとも別の目的があるのかがはっきりしません。このキャラクターは、作品全体にさらなる不安感と緊張感をもたらし、観客の気持ちを掻き乱します。佐野は、和也の混乱をさらに深める要因となり、結局のところ「彼は一体何者なのか?」という問いが残ったまま物語は幕を閉じます。
『クラウド』は、終始謎が多く、特に佐野くんの正体に関しては最後まで解明されません。まさに「佐野くんは何だったんだろう?」という問いを抱えたままの映画です。
映画自体の評価は★3ですが、俳優陣の演技力に+0.5です。
すべてのショットに快楽がある。上映時間ずっと怖い楽しい痺れる、エンタメ快作
黒沢清がVシネを撮っていたころの雰囲気を持つ、エンタメ作。私は黒沢作品では哀川翔主演の「復讐 運命の訪問者」が最も好きだが、本作はそれに並ぶくらいに好き。
何気なく始まるファーストショットから、いつものクロスプロセスのラストショットまで、すべてのショットに快楽がある。上映時間ずっと怖い楽しい痺れる、エンタメ快作。
前半は転売ヤーの日常に迫るサスペンス、後半は長いガンアクションと、メリハリのついたジャンル映画のお手本のような構成がよい。
前半は得意のサスペンスショットに溢れ、否が応でも気分が盛り上がる。バイクのヘルメットをかぶった後頭部のショット、バスの中で誰か後ろいるショット、逆行で真っ黒になった人物、とにかく怖くて面白いショットの目白押し。窪田正孝のイヤな先輩の演技が素晴らしい。
後半はリアルなガンアクション。銃弾一発一発が重い。廃工場内での銃声の残響はどこまでも続く。
並んで疾走する菅田将暉と奥平大兼、撃たれてバウンドする岡山天音、猟銃を肩にかけノシノシ歩く荒川良々、Chimeに続いて突拍子もないお喋りの吉岡睦雄、最期に本性をあらわにする古川琴音、どの役者も本当に印象に残る素晴らしい演技と演出。
もう一回観に行こう。
地に足のついた小悪党が、バス内での異様なショットを経て迷い込む異界...
地に足のついた小悪党が、バス内での異様なショットを経て迷い込む異界。条理も動機も理由も不明な中で、表層な緊張感や説得力だけは抜群に、サスペンスは進み、困惑の中でがなくションを決める。
表層的な頼りがいに満ちた、動機が不明な助手が運転する車に乗って、さらなる不条理の地獄へと向かう。
現代の世相を鋭く抉る
衝撃のゲージツ作品か!?w
残念ながら私にはさっぱり理解できなかったが。
そもそも菅田演じる吉井は命を狙われるほどの悪なのか?
この程度でもネットで煽動されるとこうなる?
今世間を賑わせているネット強盗団の親玉とかなら制裁されてやむなしだが、
偽物をつかまされた程度では過剰報復の観は否めない。
胸がすく思いもない。
吉井の近しい人間関係も唐突でわからない。
そもそもアシスタント佐田って何者?
彼と比べると吉井の小物感半端ないんだけど?
吉井の下に付く論理性が全く理解できない。
さらに古川演じる彼女の行動も同様。
何か伏線があって私が見逃した?
と今回のレビューは???だらけ。
途中ホラータッチで良さげなところもあったが、
結局はゲージツお決まりの投げっぱなしのラスト。
モヤモヤしか残っていない。
一度やったら、二度も三度も...。
すっごい好き。黒沢清ナンバーワン。
変な映画ではあるけど、これまでの黒沢映画と比べるとアクが少なく、癖も控えめ。若手俳優を筆頭に、日本映画を支えるバイプレイヤーが勢揃いしており、いい意味でも悪い意味でも黒沢清らしさが薄めの、大衆向け映画になっている。
ただ、これまで見てきた「クリーピー」「スパイの妻」「蛇の道」の3本全てハマらなかった自分からしたら、大満足の作品だった。一方で、これまでの黒沢映画が好きなファンからしたら物足りないのかも。結構ポップでエンタメに振り切った作品になっているから、特有の闇はあまり感じられなかった。でも、これがいい。
恐怖が淡々と迫ってくる、緊張で心臓が小さくなるような演出は今回も健在。この演出だけは黒沢映画で変わらず好きなところだし、いつも変えずにやってくれるところ。実はここが好き嫌いわかれる原因でもあって、いつまで自主制作みたいな映画撮ってんだ!と言われるのはここにあると思っている。
黒沢監督はほとんど音楽を使わないし、そこにカメラがあっただけみたいな、突拍子もないリアリティを求める人。でも、これこそ映画だと思うし、私生活に支障をきたしてしまうような気迫こそがこの人の最大の良さだと思っている。それが今回は更に濃く現れていて、おかげでこれまでに無いくらいハマることが出来た。
アウトレイジ的に言えば「全員、狂人」。
豪華キャストのアンサンブル。とにかくみんな狂っていて、シュールな恐怖になんだか笑っちゃう。何やってんだ全くと少し呆れながらも、みんな全力で演技を楽しんでいてずっと見守りたくなる。しかも時間が経過する度に、頭のネジが緩まっていくようにして狂気じみてくるから、2時間ちょっと常に上り坂でとにかく楽しい。「キングスマン」の教会のシーンを想像してもらったら分かりやすい。だけど、そんな中にも人間臭がしっかり残っているから、なんだかんだで全員愛おしく感じちゃうんだよね笑
かなり銃撃戦。後半ずっと銃撃戦。
結構こだわりがあるんだろうけど、舞台が日本となるとリアリティは激減するし、銃を扱うことを納得させるような要素もなく、長すぎることもあって若干退屈した。本作はここで評価が分かれるだろうな。
ただ、奥平大兼が黒澤監督の雰囲気とめちゃくちゃマッチしていたのは意外だった。この映画で一番のハマり役は彼。他のキャストと比較するとセリフ量は少なく、大々的に画面に映るわけでもないんだけど、菅田将暉以上のインパクトですっごい爪痕を残していた。特に後半からはヤバい。あまりにイケてる。
主人公の吉井は銃を手にした時にあたかも初めて罪を犯したような顔をするけど、二度三度と回数を重ねる度に感覚が麻痺していき、罪の意識は徐々に薄くなっていく。まさに、転売ヤーという職業そのものを暗示させる表現。慣れって怖い。当たり前って怖い。一番狂っているのは自分自身だと、まだ彼は気づかない。
周りの評判通り、変な作品だったけど、監督の意図しているようなメッセージは珍しく受け取ることが出来たし、満足度がかなり高かった。ただ、流石に高額買取してくれるからって客のことを見限っては信頼も地の底ですぞ、おもちゃ屋のおっさん...。
没入感スゴイ!
菅田将暉さんの演技力は、凄まじいです。
グイグイ作品に取り込まれてしまう、没入感…半端ないです。
まさかまさかの展開に、ハラハラし通しでした。
ラストシーンが、何とも言えません!
続編を、期待しています!
こんなに面白い黒沢清映画が!
本年度暫定1位。純度100%の黒沢清ワールドでありながら、エンターテイメントとしても最高の出来。完全に映画に吸い込まれた。
◎終始不穏、不気味なのが黒沢清作品だと思うが、今回も間違いなくそう。常に黒沢清ワールドに浸っていられる多幸感(?)に、心が満たされていた。
◎主要な役者達はほぼ初めての黒沢作品だったらしいが、各々が素晴らしいポテンシャルを引き出されている。特に、窪田正孝と奥平大兼。2人とも素晴らしい。
◎後半の銃撃シーンの楽しさは、劇場で観てこそ。主に音響による理由で。
深夜帯で見たので、劇場にはほぼ観客ひとり。でもあらゆる人にみてほしい。
そして、黒沢清映画の虜になってほしい。
ラーテルは言い過ぎ。たぬきにしとき。
ひとつ言えるのは奥平大兼がめちゃくちゃ良い。佐野君が何者かなんてもはや気にならなくなるほどに。ストーリーは設定から何から中身がスカスカで、その全てをなんとかキャスティングで乗り切った感じです。
そもそも転売屋って今時やるならもっと上手くやるでしょうよ。某テーマパークの熊さんの新商品売った方がよっぽど利益出そうやん。だいたいあの社長も自分でオークションサイトにでも出せばいいのに、初っぱなからなんで??ってなった。わざわざ湖畔のポツンと一軒家みたいなとこ行くのも謎過ぎるし、後半の銃撃戦とかほんまもうただスクリーンを無で観てるだけやった。なんであんなことになったんやっけ?笑
最後の車を走らせながら多分名台詞を吐いたであろうシーンもなんか外の景色がCGで安っぽ過ぎて全然印象残らんかったな。強いて言うなら序盤のバスのシーンが一番怖かった。
空虚なゲーム
菅田将暉演じる転売ヤーが、ビジネス拡大に伴って不特定からの恨みを買い、思わぬ惨劇へ。人間関係や状況の説明を最小限に抑え、湿度と熱量も極力抑えた黒沢清ならではの娯楽作品。
登場人物がみな、出てきたときからセリフや表情が空虚で薄っぺらな感じ。ネット上の転売ビジネスや闇バイトの空虚さと重ね合わせた作者のねらいなのだろう。後半の延々続くガンファイトも、空虚なゲームをただ眺めている気分。
出演者は豪華だが、作品世界にあまりフィットしている感じはしなかった。中では、奥平大兼の飄々とした感じが、裏で何を考えているか分からない薄気味悪さもあって、良かった。殺し合いは全部彼が仕組んだようにも思われる。あと、荒川良々のライフル姿が格好良くて意外。
黒沢清としては、かつてのVシネマのように軽く撮った作品なのだろう。観る側も軽い気持ちで十分かも。
もうちょっとかな
登場人物も少なく、まあ独特の世界でした。
なぜ高専出てそうなの?とか、何故殺しにくるの?何故そういう手配できるの?と疑問があるなか説明的な要素が少なすぎて、それはそうなんだろうけどもうちょっとほしかったかな。
ディテールを一切排除した演出が思わぬ緊迫感を生むサスペンスの成功パターン!!
作品の中で必要最低限な人間関係しか描かれない演出が思わぬ緊迫感を生むサスペンスの佳作!!
黒沢清監督の他作品は未見だが、ディテールを排除した演出は日本よりも海外受けするのであろう。
作品、監督共に海外での評価が高いことにまず驚き!!
作品自体が転売屋であったり、狩りゲームであったり、ネット社会を媒介して個人等がなかなか特定されない世界ではむしろこうした演出を取った方がより効果的なのであろう!
今や日本を代表する俳優(個人的な見解)の菅田将暉と窪田正孝の競演だけでも眉唾物なのに、謎の人物を描かせたら天下一品の荒川良々まで出演し本当に贅沢の極みといった感じ!!
AIが創る世界
aiは人間のいい欲悪るい欲をみたすための試行錯誤とその時間限りなく短縮していく。
本来その報われない無駄こそがやさしさとか人生なのに。
凡夫があっという間に冷酷な殺人鬼に変わる。
人心無視して、科学は前進あるのみ、いずれ人間は欲だけの畜生地獄に戻る、最期の主人公のつぶやきこそが人間の限界なのかもしれない。
彼を助けにきた部下はAI,
怪演に感謝!
「フィルム・ノワール」
今年233本目。
NOBUさんの「Sin Clock」のレビューでノワール・サスペンスと拝読しましたのでちょっと調べて、主に犯罪を中心に撮る映画、今作もフィルム・ノワールと総じて言えます。黒沢清監督の2作前「蛇の道」がある特殊な状況下を描いた作品で、今作はどうだったかは控えたいと思います。
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