Cloud クラウドのレビュー・感想・評価
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極端な描き方だけど
黒沢清作品は人間の深層心理の得体の知れない不気味さ、のようなものを独自の目線で描く、怖さと面白さがあると思う。本作はちょっと不気味さが足りないかもしれない。恨みからの鬱憤を晴らす行為がネットによって盛り上がり、実行に移されるくだりは、現実的に無くはないように見える。ただ心情が行き過ぎているところに不気味さがない。荒川良々はこういう役を既にやり過ぎていて想像がつく。他の役者達もさすが演技が上手いので見応えはあるが、ちょっと加速の仕方に無理があるかも。
そんな中で終始ほぼ一貫してテンションがあまり変わらない菅田将暉の表現はやはりさすが。むしろ多少怯えはするものの、いつも他人の事より自分のビジネスを最優先、と淡々と行動する主人公が一番不気味かもしれない。敢えて触れると謎のアシスタントの存在は、闇を感じない闇の存在で面白い描き方ではあった。
ラストシーンの描き方、スクリーンは日本映画ではなく、ハリウッド作品のようだったのは、さすが黒沢作品と感じたところ。
リアリティー無し、でも退屈ではない
転売屋の主人公を殺すために、銃を調達して、自宅を襲撃・誘拐し、廃工場にて撮影しながらなぶり殺しする。どんなに偽ブランド品を買わされたとか、高額な健康機器を買い叩かれたからと言って、そんなことをする集団がいるのだろうか。買わなきゃいいし、売らなきゃいいだけではないのか。主人公が雇った、手伝いの若者がパソコンをのぞき見したことを注意し、二回のぞき見した若者を首にするシーンがあったが、そんなことで首にするくらいなら、なぜ画面ロックしないのか。荒川 良々演じる主人公の職場の上司は、彼だけなぜ作業服を着ていないのか?そもそも荒川良々のような雰囲気を持つサラリーマンなど私はこれまでの実社会で会ったことはない。古川琴音演じる恋人は金が目的で主人公と付き合っていたのなら、なぜ主人公のカードや通帳を盗まないで家を出たのか等々、私はこの映画にはリアリティーを感じなかった。
退屈な映画かどうかの私の判断基準の一つは、見ている途中で時間が気になって、時計を見るかどうかだ。退屈な映画は今何時か知りたくなり、ついつい時計を見てしまう。この映画では時計を見ることはなかった。ストーリー自体には引き付けられたということになる。
全てを犠牲にしてまでやる事なのか。
転売ヤーが主人公の今作。
しかし作品内ではそれ以外にも
現代における問題がいくつか隠れており、
そのどれもに共通して言える事は
「他の事を蔑ろにしてでもやるべき事なのか」
という問いに行き着く…のかもしれない。
悪い意味でまったく無害の無気力主人公が
ある事をきっかけに目がイキイキとする様は
「こんなクズ野郎が生を実感しそうな瞬間なんて、あってもこれくらいだろ?」
という現代への皮肉に見えた。
ラーテル
滝本はもっと普通で実直な雰囲気の人の方が、秋子はもっと色気のある人の方がハマるだろう。
でも、そのあたりは多分ワザとなんだと思う。
何人かのキャラが突然それまでの印象とは違う行動を起こすことも含めて、違和感を演出してる。
それら自体に意味はあるのだけど、ちょっと重ねすぎ。
そのせいで、題材の割にリアリティはないし、終盤に「組織」とか言い出すから、もう…
吉井の“仕事”ぶりも、フィギュア以外で“被害者”の描写がないので後半の展開が唐突に映る。
村岡、滝本、三宅の動機は転売関係ないし。
ピアノ線(?)の罠の次のカットで退職とか、シーンの繋ぎがよく分からない所も。
終盤の緊張感はそれなりなのだけど、見張りも置かず全員でゾロゾロ動くのは馬鹿なの?
銃の扱いとか佐野くんの感情とかは一旦流すが、クライマックスがだらだら長い。
途中で秋子に声を掛けさせた意味もないし、そのせいで最後の展開も読める。
あの状況で、佐野に忠告された直後に「クレジットカードは?」って言われて出しますか?
とか色々言いつつ、『蛇の道』『Chime』に比べたら普通に楽しめたので、相当甘めに星つけちゃう。笑
「“誰もが標的になりうる”見えない悪意と隣り合わせの“いま”ここにある恐さを描く」とか書いてあったけど…
だったらもう少し地に足つけた描写でないと。
食事シーンが無いのも現実感を失わせおり、テーマと演出が真逆を向いてる。
秋子の紹介に「謎多き」とか付けるのも余計だよね。
あの物件が7万で借りられるなら、まずはそれを転売(又貸し)するけどなぁ。
滑稽感とか虚無感とか
前半、淡々としたリアルな日常描写のなかに滲み出る不穏さ、ひずみを感じさせる人間関係など、じわじわと来る恐怖の気配は秀逸で良かったです。
後半、工場の陰影や、引いた画面で淡々と人を撃つ様子など、不気味さ不穏さのある映像はやはり良かったです。
とは言え、後半の登場人物たちの描写は、極端というか急に戯画的になったというか。
安直な殺意とか素人計画の適当さとか、滑稽感もありますが、ネットの悪意が単純にそのままやって来たような、ある意味怖さもあります。
その状況で商品の心配とか、カードに執着し過ぎとか、どこかズレた滑稽感がちょいちょい挟まれ、ブラックコメディのようにも感じます。
菅田将暉の虚無感漂う佇まいや、窪田正孝の意識高い系なやさぐれ感など、俳優陣の演技は良かったと思います。
期待していたほどの恐怖はありませんでしたが、暗鬱なラストシーンは嫌な奇妙な余韻が残りました。
難しい
ユーチューブから今年最高の映画って色んな人が言ってたので、期待して友達と観に行きました。
自分には合わなかったです。
黒沢清監督の作品そんなに知らないから、難しかったです。
疑問がいっぱいです。
佐野くんは何者なのが1番知りたいです。
全ての転売屋へ鑑賞を義務付けるべき作品
ポスターだけ見て、誰が監督で誰が出てるかどんなジャンルか全く知らなかった。
時間がちょうどいいとこだったので鑑賞。
流血はほとんどないので乾いたノワールという感じで、終始なんなんだこれはと
なかば怯えながら鑑賞していた。
ストーリーは難しいものではないが
理由や正体が曖昧、わからない部分が出てくると思う。
しかし細かいことはどうでもいいと思わせてくれるスピード感あるサスペンス。
狂った役柄ばかりに見えるが一番普通なのは一体誰なのか?
そこが見どころかもしれない。
菅田将暉の演技には驚かされた。
彼が演じた普通の人間が一番狂っていた。
引き金を引くことに慣れていく様も意外と人間そういうものなのかもしれない。
後で黒沢清監督と知り、「蛇の道」セルフリメイクでは正直物足りなさがあったが
そもそもこういう監督なんだなと感じた。しっくり来る、納得感のある作品だった。
豪華な役者陣だったが、
荒川良々さんだけはどうせこの人が狂った役なんだろうと想像がつくのが残念。
ハマり役だけど既視感がある人は多かったんじゃないだろうか。
自分だけかも知れないが、エンドロールが海外向けだと冷めちゃうんだよね。
海外の賞が欲しいんだねって。
でも映適マークは好印象!
この殺伐とした世界をしっかり労働環境に配慮して作ったのは皮肉が良い方向に効いてる。
ハラハラする刺激が欲しい人や、すべての転売屋へおススメしたい。
黒沢清らしくスリルサスペンスだが、、
転売屋が恨みをかい襲われるという物語
物語としてはスピード感とスリル感があり面白い。
菅田将暉さんのビビり顔はさすが。
しかし、脚本が粗すぎて突っ込みどころ満載
まず転売屋が20万で売る品を3000円で売ってしまった主人。まあここまではあり得そうたが、その後ライフルで狙撃って、随分飛んだ設定。
そこまで恨むならまた作って20万で売る方が楽では?
特許取るほどいい商品だし。
奥平くんと松重さんの組織に任せておけば?とか死体は知り合いが片付けるってベイビーわるきゅーれか?
荒川さんの真顔って怖いからやめて欲しいが、彼のライフルもどこから来たの?
しかも撃ち慣れてるし。
どこかに伏線あったのか?
最後に何を伝えたかったんだ黒沢清監督
まあ菅田将暉さん扮する主人公は、ある意味狙われるより怖い環境を手に入れたのかも、、、。
恐怖の核心はSNSに集約される無法者‼️❓
製作者の意図にはなさそうだが、現実にはSNSで釣られる強盗が多発している、皆殺しを当然とする関連性の無い無法者たち。
対して、この映画の無法者たちにはリアリティが無い、転売ヤーに八つ当たりしてるに過ぎない、命をかける必然性も無い、転売ヤーが悪とも限らない、いずれも、境界線上の偶発。
でも、この映画の演出と菅田将暉の演技には迫力がある、境界線上の。
対して、他の役者に迫力が無い、池松壮亮とか、悪を境界線上で演じられる役者がいない。
ただ、あいまいな態度とあいまいな恐怖が、爆発して、銃撃に繋がる、カタルシス、女が射殺されるところで頂点にたつ、海のはじまらない終わりのカタルシス、わかるかな。
この映画はリアリティも無いし、菅田将暉と助手以外は迫力も無い、でも映画の無限大の可能性は感じさせられる、映画ファンなら是非
Cloudって言えば、白も黒もない灰色っぽく感じる
全員悪い、意外だな...
結局サノさんは警察なら、もっと面白くなるだろう
一時の貪欲から利益が爆上がりして、自分の欲望を抑えずにどんどん落ちてしまう。最後に全てを失い、希望がないままになちゃう。
映像的に言えば、普通に面白いと思う。物語は本当に灰色の世界から完全に黒い地獄に落ちる感じ、なんっていうか面白くないなぁ
ヨシイとサノの対話するシーンによると、話し側は右顔暗い左顔明るい、聞き側は逆に左側暗い右顔明るいと気づいた。二人は立場は逆だと思って、結局ファンなのか...
他人が何考えているかなんて解らない
第97回米国アカデミー賞国際長編映画賞の「日本代表」作品に決定した本作、公開初日から少々出遅れの本日ファーストデイに鑑賞です。TOHOシネマズ日本橋で1番小さいSCREEN2が割り当てられており、客入りは残念ながら少々寂しい感じ。映画.comの点数もあまり芳しくないようですが、黒沢清監督作品ですから私としてはやはり見逃す手はありません。
黒沢作品と言えば、「得体の知れないものに対する薄気味悪さ」をいろいろな手法で見せてくれる楽しみがあります。特に他人(ひと)に強いフォーカスをあて、設定や展開から思い切ってディテールをオミットすることも多く、真面目に考えると難しく感じたり、世界観に入り込めない場合もあります。ただ、だからこそ役者の演技が際立ち、そこに監督熟練の小技演出が加われば必然、鑑賞する側に「想像」する余韻を与えてくれます。本作も説明は一切ないままに特殊な分野に生きる人・吉井(菅田)と、彼に関わりを持つ少ない周辺人物の対立構造を描いたシンプルな物語となっており、いろいろご意見はあるかもしれませんが私は十分に楽しめました。
と言うことで、ネタバレを避けて内容に触れるのはちょっと難しいので逃げますが、大きく分けると3部構成かなと思います。前半、飄々としていて「本心」が見えずらい吉井に戸惑う人、呆れる人。そこだけのちょい役なのかなと思いきや、後半に再登場する役などもあります。登場人物はけして多くはないので集中して観てください。そもそも絶対的な主役感の菅田さんに対して、力量溢れる豪華な助演俳優たちの演技は見どころ満載です。特に印象に残ったのは荒川良々さんと古川琴音さん。お二人とも存在感がありすぎ。台詞はなくても「何かある」と思わせてくれて目が離せません。
そしてもう一つ、今作の後半の展開における銃撃戦は、ガンエフェクトによる着弾表現に迫力があって素晴らしい。地面や障害物などに当たった時の弾け方や、崩れる壁にしっかりと恐怖感を覚えます。そして何といっても「ある人物」への至近距離からの着弾シーン、被弾した反動でもんどりうって倒れるあの方、最高でした。
米国アカデミー賞、まずは最終選考の 15 本に残れるか。。その前に国内評価が低めなのが残念ですが、、まぁ、主観は人それぞれ。他人が何考えているかなんて解らないのですから!
面白きゃいいってことかな。
話のつじつまは合わない。
でも見入ってしまう。
主人公に感情移入できなくても、敵たちの動機がわからなくても、だれかが追い詰められてギリギリでかわしていくってのを続ければ面白いってことか。
助っ人ヒーローがナニモンなんだかさっぱりわからなくても、強けりゃカッコいいってことか。
映画にストーリーなんていらねえ!って言われてたのかな。
いまどき、大きな音でびっくりさせるのはやめてほしいけど。
なんだ?これ?
期待していたので、なんだこれ?って感じでした。カタルシスは全くありません。展開はあの気持ち悪かったセブン? しかしあそこまでの絶望感もなく、これから始まる連続テレビドラマのエピソード0って感じでした。
なぜあんなに素人が銃持ってるのかもわからないし、後ろに指示役がラスボスで海外から指示してるのかな?と思いきやそんなこともなく、ラストは彼女がカード欲しいがための裏切りで終了って
あまりに陳腐やないですかぁ。
どうしたんですか?監督?
壊れかけのエスプレッソマシーン
展開は面白かったけれど
『転売屋です』ってあんなにサラッと話しちゃうの?そりゃまずいんじゃ‥
後半はあまりにも簡単にどんどん人が撃たれちゃって現実味が感じられなかった
やっぱり悪いことやっていると悪いことを引き寄せるんだな。地獄の始まり
高校生がメガホンを取ったのかな?
①尺の使い方が明らかに間違っている
②結果ほぼ全ての出演者の言動に?がつく状態
③客のビビらせ方は音
④演技指導ができていない
⑤恐らく一番見せたかった最後のシーンがお笑い番組か時代劇レベルの立ち回り
総評として何を見せたいのか、何を伝えたいのかがサッパリ分からず一切引き込まれない映画に仕上がっている。
自業自得・・・クズ達の末路。
本日、映画のハシゴの中で2本目の本作がメインだったんだけど・・・
ファンの人には申し訳ないですが、ちょっと期待はずれだったかな。
菅田将暉さんを筆頭に、窪田さん、岡山さん、荒川さんと、一癖も二癖もある役者さん達が、力を魅せつけてくれるのは、最高です。危機迫る狂気が、ビンビン伝わってくる。
でもね、ストーリーなのかな?
なんか、入り込めなかった。まぁ、元々が転売屋という、人間のクズみたいな人の話だから、余計に感情移入出来なかったのかもしれない。
追い詰められたところで、応援する気にもならないし、ドキドキハラハラもあまり感じなかった。
全くの余談ではありますが、菅田将暉さんと古川琴音さんと言えば「虹」のMVで共演されています。あの幸せそうだった二人が、こんな風になっちゃったのかと考えたら・・・なんか、悲しくなっちゃいました。
ネットの闇とガンファイト…⭐︎
予告編を見て、スリラーものは苦手だが、菅田将暉が出演ということで鑑賞。
サスペンススリラーと言う触れ込みだったけど何だかなぁ…。
前半は菅田将暉演じる吉井良介の転売ヤー絡みの物語でどう展開するかと期待を持って
見ていたが、彼が引っ越して アシスタントに奥平大兼演じる佐野(後半彼が主役
のようだった)を雇ってからどんどんへんな方向に進んでいく。
転売ヤーに復讐しようとする輩がネット上で集まってきて彼を襲撃。
そこは良しといても、訳のわからない元の会社の上司とか
転売ヤーの犠牲にになった社長などワラワラと湧いてきて、突然
ライフルだのピストルなどを持って菅田将暉を狙う。
このあたりから個人的に???だらけでそこに救世主のように
解雇された佐野が登場。
とにかく、最後はどっかの廃屋になった倉庫でネットの輩と吉井と佐野がひたすら
ガンファイト(日本なのに?)。
それが長い。
佐野の出自も全く分からず、どっかの反社の御曹司?かとか何で良井にこんなに
入れ込むの???とか最後まで疑問符だらけの作品だった。
黒沢清監督の映画は結構 鑑賞してたんだ…と自分にびっくり。
ずっと前に見た好きだった「トウキョウソナタ」 も彼の作品だった。
ずいぶん遠くなったなぁ…。
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