「ラストシーンにやられた!」かくしごと かいぬしさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストシーンにやられた!
今日の試写会は『かくしごと』完成披露試写会。
鑑賞前の舞台挨拶で、キャスト自身が口々に本作を称賛しハードルを上げてくるから、かなり期待値を上げて見たんだけど…、
ラストシーンにやられた! 本当の『かくしごと』とは何なのか? そして、あの杏のラストショット、痺れた!
車ではねた子供に虐待の後があったとしても、さすがに自分の子供として育てるなんて覚悟できる(?)なんて思って見てたら、この女、過去に傷を抱えていたのか。
ひとつ屋根の下に、事故で記憶を失くした少年と、認知症で記憶を失った父。記憶を失くした者たちを娘であり母である千紗子(杏)が繋ぐ擬似家族。
私も祖母に「どちら様ですか?」と初めて言われた時はぞっとしたのを思い出した。
私の父も晩年は排便もままならず、奥田瑛二と杏の姿が、我が父と妹に重なった。
幸せな家族の日々が続けば続くほど、崩壊への序曲が聞こえてくるようで怖い。
そして「その日」がやってくる!
「老人介護」「児童虐待」という思いテーマを抱えながら、観るものに「あっ」と言わせ、感動を呼ぶミステリーでもある。
「杏」、子役の「中須翔真」、「奥田瑛二」、三者の演技が「神」!
『かくしごと』は6月7日公開予定。映画ファン必見の傑作です。
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