スパイダー 増殖のレビュー・感想・評価
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リアルなホラーでなく、移民問題を暗喩した社会派スリラーとして観られるべき映画
ジャンル的にはモンスターが人間を襲うパニックホラーになるだろうが、科学的な観点や登場人物らの言動については気になる部分、腑に落ちないところが多々ある。外敵が人間の環境にクモが適応進化したからといって、たった1匹から1日程度であれだけの数に増殖するには繁殖サイクルがせいぜい数時間でなければならないし(実際には特に繁殖が速いハエの仲間でも1サイクルは10日~2週間程度)、個体が大型化するにも栄養価の高い餌を大量に摂取して超高速で消化し体を形成する必要がある。爬虫類やクモなどの節足動物の生態と飼育に詳しいはずの主人公カレブにしては、有毒かもしれない未知のクモを雑に保管して毒グモ大量発生の元凶を作る(カレブは爬虫類園を作るのが夢だが、そもそもクモは爬虫類じゃないし!)。最初の犠牲者が出て原因不明のうちに建物が封鎖されるが、住民たちは携帯電話もネットも使えるのに毒グモ被害を行政やマスコミなどに必死に訴えることもしない。たとえ出口がすべて封鎖されたとしても、普通の集合住宅なのだから2階や3階の窓から飛び降りて脱出しようと試みる住民が皆無なのも変。
本作で長編デビューを果たしたセバスチャン・バニセック監督が語るように、都市郊外の公共住宅などに多く住む移民や低所得者らへの差別が、暗喩として本作に込められている。そうした人々を、外見だけで忌み嫌われるクモでたとえたという。原題の「Vermines」はフランス語で“害虫”を意味する。外国人の移民や難民を社会の害虫や寄生虫のように見下し、問答無用で排除すべしと主張する人々が一定数いるのもフランスに限った問題ではないだろう。そうした含意を念頭に置いて鑑賞すると、見え方もまた少し変わってくるかもしれない。
余談めくが、舞台となった印象的な設計の建物は、パリ郊外に実在するピカソ・アリーナ(Arenes de Picasso)という集合住宅。巨大な円柱状の構造部分は地元からカマンベールと呼ばれているそう。マニュエル・ヌニェス・ヤノフスキーというスペイン人建築家が設計し、建築好きにはかなり知られた建物らしい。グーグルマップで「ピカソ・アリーナ」と日本語で検索してもちゃんと表示され、航空写真の3D表示を選択してぐるぐる回転させて眺めると面白いです。
ゼノモーフ並みの繁殖力
フランス製モンスターホラーなんて物珍しいが、良くも悪くも人物描写が丁寧な"フランスらしい"映画だった。下手に巨大化するよりも断然こちらの方が怖かったが、ツッコミ所は多々あり、リアリティさはある様な無い様な微妙な所だ。人間が自然の領域に踏み込んではいけないという教訓としてのメッセージ性もあるにはあるが、本作でメインと言っても良い位のテーマは移民問題である。登場人物らには複数の人種が登場し、彼らに共通するのが"貧困"であるのだ。エキゾチックアニマルを愛でる主人公もその1人。あまり表立って人に話せる様な仕事は出来ず、どこか哀愁漂う様相である。それを取り巻く人々の描写は過剰なくらい丁寧であり、アメリカ産B級ホラーの様なその場のノリで撮ってるのではと疑いたくなる様な作品とはレベルが違う。気になる所はクモが1日そこらで数が爆増する所だ。異常な位の生命サイクルで驚いた。また、人をすっぽり覆える位の大きさに成長する個体も多く、そんな奴らがうじゃうじゃいるビジュアルショックは中々だが、火星から来たクモじゃあるまいしと思ってしまい、恐怖を超えて笑ってしまう。
エキゾチックアニマル好きな主人公が絶対役立つだろうと思いきや本推しは爬虫類であり、あまり活躍せずに終わってしまい、憎めないキャラだが心のどこかで"こうなったのってお前のせいだよな?"がチラついてしまうが、まぁパニック映画の楽しみは存分に味わえ、うじゃうじゃ祭りに痒みを覚えながら楽しめる作品だ。
それなりに怖いけど、もう一捻りほしい
中東の砂漠から輸入された蜘蛛が、哺乳類も餌にする凶暴なVermines(有害動物)だった!
🕷️
それなりに怖いし、パニックに陥れるホラーではあるが、終盤に予想を裏切るような展開を期待してしまった。助かるにせよ、助からないにせよ、もう一捻りほしかった。
蜘蛛や昆虫の生態にも詳しい身からすると、非現実的なまでに早すぎる増殖速度に、SF?オカルト?的でいいから、何らかのexcuseを加えて欲しかった。
うじゃうじゃ🕷️パニック!
蜘蛛がうじゃうじゃ増殖&巨大化して
人間を襲う(繁殖のため)パニック映画です。
この手の映画って、
昔々、テレビでヒッチコックの『鳥』とかで
気持ち悪いな〜と幼くして思った記憶がうっすらあります。
昔はテレビで普通にホラー映画も放送されていて、
家族でワーキャー言いながら観ていました。
今だと考えられないですね。
本作はホラーというより、パニック映画かなと思います。
で、主人公たちに私は全く共感できなかったですし、
そもそも本来生息していない地に蜘蛛を持ち込むあたり
どうかと思うので、因果応報とも感じますし、
蜘蛛ってそもそも人間を襲おうとしてるんだっけ?と
考えちゃうと、なんだかなあと。
で、割りかしキャストの叫び声とかがうるさ過ぎて
私は頭痛がしてしまい、甚だ疲れてしまいましたね。
ラストバトルの場である駐車場においても
何が起こっているか全然わからないので、
私としてはちっとも盛り上がらなかったです。
車の前に現れた蜘蛛のデカさに、でけーなーと思ったくら
いで、あんましスリリングな展開にならなかったので、
拍子抜けでした。
人情話的な要素も余計な気がしましたね。
もっと振り切ってよかったんじゃないかと思いました。
これがフレンチホラー20年の中でNo. 1ヒットなのかあ。
次週は全米No. 1ヒットとなった
『テリファー 聖夜の悪夢』を鑑賞します!!!
上映中に退席しようかと。。。
新世代虫ホラー
毒グモの恐怖を描いたパニックホラーでパリ郊外のアパートに持ち込まれた珍しい毒グモが凄まじい速度で繁殖し閉じ込められた住人たちに次々と襲いかかる様を描きだす。仏蘭西発新世代虫ホラーの解放。大増殖と巨大化を繰り返す毒グモの未知なるエネルギッシュさに恐怖。また原題の「Vermines」は”害虫”。いわゆる郊外のアパートメントに住まうプアピープルたちに被せた害虫という名のメタファー。アパートメント自体のワンシチュエーションの手際の良さや身近に存在するクモがここまで人間を追い込み死をももたらすのかという恐怖感がつねにあった。毒グモを飼い慣らそうとする一つの判断の手違いから地獄へ落とされる人間の判断ミスの恐怖をココまで膨らませれたのは監督のポテンシャルを感じさせ素晴らしいとおもう。
Hole
蜘蛛がたくさん出てくるんだろうな〜とモンスターパニック大好き人間からしたらワクワクもんの題材だったんですが…あれ?全然出てこないし、基本的に登場人物が騒ぎまくっててホラーとしてもスリラーとしてもモンパニとしても全く物足りない出来でした。
爬虫類や虫が大好きな主人公が何故かシンプルな蜘蛛を買って帰ってきてそれが大繁殖してしまって…と主人公が基本的に事態の原因なんですが、悪びれることなく他の住人と言い合いになったりしているのでこの手の作品のメイン格に相応しい抜けっぷりは良かったです。
ただ中盤から他の住人と一緒になってリアクション要因になってしまったのはもったいなかったなーと思いました。
蜘蛛が大量に出てくるところだったり、超巨大化してライトが当たった瞬間に止まってばぁ〜ってなってるところは好きでした。
完全にだるまさんが転んだ方式での驚かせ合いが続くところはコメディじゃんってなって笑ってしまいました。
いやらしいところに潜んでるのも身近な恐怖を演出してくれていて、そこからワラワラ湧いてくるって分かってるのにいざ出てきたらギャー!って言いたくなる映像はビクッとしながら喜べました。
オチへの持っていき方もあっさりで全滅か全駆除かを大胆に描いて欲しかったです。
この手の作品で100分オーバーはちょっと長いかなと思いました。
もっと蜘蛛たちが大暴れする様を見たかっただけに、壮大な音楽や映像には似合わぬコンパクトさでした。
モンスターたちはデカければデカいほど良いんですよね、これ教訓です。
鑑賞日 11/5
鑑賞時間 11:35〜13:25
座席 D-1
SPIDER(映画の記憶2024/11/1)
ピカソ・アリーナに行きたい
パニックホラーとしては面白いけど
右足いつの間に履いた?
裏ルートで手に入れた人を殺す毒を持つクモを題材にしたパニックホラー。
爬虫類や両生類や昆虫や節足動物を飼育するのが趣味のスニーカーの転売ヤーが、とある店で観たこと無いクモを手に入れて持ち帰り巻き起こっていくストーリーで、とりあえず、靴の空き箱にクモを入れて出かけたら行方不明になり、アパートの住人に売った靴の中に潜んでいて…と展開していく。
正確には虫じゃないけれど、虫が大の苦手な自分にはドキドキバクバクもので、大きな音じゃないのに何度もビクッとwこれも一応ジャンプスケア?
繁殖と成長のスピードはムチャクチャだし、その設定なら異様にデカくする必要もなく安っぽいだけながら、中盤あたりまではかなり面白かったのだけれど、なんだか妙に引っ張りまくり、魅力を感じられない登場人物たちの人情ドラマをみせられダレてくる。
ラストも少々曖昧というか、それって残っていたら拡散させてません?
もうちょい説得力を持たせてくれたらかなり良くなりそうなのに…。
知性と想像力が皆無のわがまま集団の末路。
誰の目線からでも観ることができないほど登場人物の誰にも感情移入する事ができなかった。
強いてあげれば最後の方に出てきた刑事くらいか。
今年観た同じフレンチスリラーの「ザ・タワー」でも低所得者達が住まう中層階アパートが舞台だったが最近の流行りなのだろうか。
ヤンチャなフランス版マイルドヤンキー達はみな警察の世話になりたくないと言い、大騒ぎしながら自分達で何とか解決を試みるが、その割には保身のために本当の情報を共有しなかったり、考える力が不足していたりなどで事態はより悪い方へと向かっていく。
リーダーらしき奴はいるものの統率力が一切なく、ひたすら破滅の道を進んでいく。
しかも持ち込んだヤツからは全く罪の意識や反省の色が伺えず、早くコイツに酬いを与えてくれと思いながら観ていた。
警官たちが蜘蛛に向かって銃弾をひたすら撃ち込んでいるシーン(ほぼ銃声だけだったけど)はさすがに有り得なさすぎてひっくり返った。
出口前に立ちはだかるラスボス?蜘蛛マジかw
ゴールキーパーみたい。
フランスらしい?個性的なデザインの丸いの建物・・・勿体無い・・・。
ベースの出来が良いだけに脚本の粗が目立つ
もっとシンプルでいいんだと思うけどね・・・・
久しぶりの試写会で、本作品「スパイダー/増殖」を見てきました。
フランス映画みたいで、若手監督による低予算映画みたいですね。予告編では、結構面白そうに見えましたが・・・・
まずは、ホラー映画ではありません。パニック映画と言ってもいいでしょ・・・
本作品のアイデアはいいかと思いますが、お話の作り方がいまひとつかな・・・・
なぜ、危険な蜘蛛を都会や多くの人が集まる住宅に持ち込んではいけないのか、この蜘蛛はなぜ危険なのかと言う意味合いがまるでないと言うか・・・蜘蛛の沢山増えて、その蜘蛛がちょっとやっかいだから困って襲われて逃げるんだけど、そのお話に絡んでくる別のエピソードが意外にうざい・・・・
もっとシンプルでいいんだと思うけどね・・・・
蜘蛛が沢山湧いてくるシーンは、さすがに気持ち悪いけど、特にハラハラドキドキもしないかな・・・・
なぜ、あっという間に警察は隔離していまうなどのエピソードも弱い・・・・
ラストも弱いと言うか・・・・
面白くて、超イライラ
蛇、バッタ、カエルも登場
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