「ゼノモーフ並みの繁殖力」スパイダー 増殖 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
ゼノモーフ並みの繁殖力
フランス製モンスターホラーなんて物珍しいが、良くも悪くも人物描写が丁寧な"フランスらしい"映画だった。下手に巨大化するよりも断然こちらの方が怖かったが、ツッコミ所は多々あり、リアリティさはある様な無い様な微妙な所だ。人間が自然の領域に踏み込んではいけないという教訓としてのメッセージ性もあるにはあるが、本作でメインと言っても良い位のテーマは移民問題である。登場人物らには複数の人種が登場し、彼らに共通するのが"貧困"であるのだ。エキゾチックアニマルを愛でる主人公もその1人。あまり表立って人に話せる様な仕事は出来ず、どこか哀愁漂う様相である。それを取り巻く人々の描写は過剰なくらい丁寧であり、アメリカ産B級ホラーの様なその場のノリで撮ってるのではと疑いたくなる様な作品とはレベルが違う。気になる所はクモが1日そこらで数が爆増する所だ。異常な位の生命サイクルで驚いた。また、人をすっぽり覆える位の大きさに成長する個体も多く、そんな奴らがうじゃうじゃいるビジュアルショックは中々だが、火星から来たクモじゃあるまいしと思ってしまい、恐怖を超えて笑ってしまう。
エキゾチックアニマル好きな主人公が絶対役立つだろうと思いきや本推しは爬虫類であり、あまり活躍せずに終わってしまい、憎めないキャラだが心のどこかで"こうなったのってお前のせいだよな?"がチラついてしまうが、まぁパニック映画の楽しみは存分に味わえ、うじゃうじゃ祭りに痒みを覚えながら楽しめる作品だ。
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