劇場公開日 2024年12月13日

「スピリチュアル・ジャポン」不思議の国のシドニ 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5スピリチュアル・ジャポン

2025年1月10日
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鑑賞方法:映画館

イザベル・ユペール演じるフランス人作家が、不思議の国ジャポンでの滞在を通じ、過去の苦しみから再生していく。
空港到着から日本の不可思議さが誇張されていて、ちょっと引く。日本人だって握手はできるし、いきなり客のハンドバッグを取ったりはしないけど…
夫の幽霊が当たり前のように現れるのは、黒沢清の「岸辺の旅」のようであり、全体の設定・テーマは、アラン・レネの「二十四時間の情事」(ヒロシマ・モナムール)を意識しているよう。
エリーズ・ジラール監督にとって、日本はエキゾチックでスピリチュアルな場所なのだろう。フランス人にとってのパブリックイメージなのかもしれないが。
イザベル・ユペールは、かつての「への字口」で不機嫌そうなイメージから、ずいぶん柔らかくなった。伊原剛志は、つかみどころのない役だが、大女優とベッドシーンまでできて、大したものだ。
日本の名所めぐりとしてはきれいに撮れていたが、車中の背景合成はもう少し何とかしてほしかった。
まあ、不思議な映画ではあるが、後味はそれほど悪くない。

山の手ロック