「わたしがヴァネッサを救いに入っていきたい」コンセント 同意 sakuraさんの映画レビュー(感想・評価)
わたしがヴァネッサを救いに入っていきたい
大人から承認されたい、女として承認されたい、実年齢より大人びた振る舞いや経験で優越感を得たい、周囲から一目置かれたい…などなどの感情と、微量の性への関心。
14歳のそれらに浸け入るなんて、まあだいたい30年も生きてる人間には容易なことで、「支配欲」を「性欲」に置き換え、相手を勝手に「性対象」とし、「愛」という言葉でラッピングするのタチが悪すぎて、
もう結構序盤から、『ラストナイト・イン・ソーホー』のエリーのごとくこの画面を拳で叩き割って入っていって、『ルックバック』の藤野のごとくジジイ蹴飛ばしてやりたかった。
ヴァネッサのこと、抱きしめてあげたい。
支配・消費してきた側の「傷ついた」「傷つけるのか」みたいな被害者ムーブ、自分がその関係の最中にいるとわたしが悪いのかもって思っちゃうのすごくわかるんだけど、こうやって傍から見ると、なに寝ぼけたこと言ってんだぼけお前が一回飛び降りてこいよ、ってかんじだよねえ
自分を責めてしまうヴァネッサのことをわたしは責められないから、やっぱりわたしが二人の間に入っていってジジイに一発言ってやりたい。
「女性は若いときはやわらかくて優しいのに、人生の荒波に揉まれるときつくなる」みたいなこと言ってたけど、それを相手の成長・成熟と思えない自分がいい歳して未熟すぎることに気づいてほしい。
14歳が16や18になったくらいで“君はもう母親に似てきてる”って、こっちからしたら今も4年前も介護だよ🥵🙏🏻
離れようと思ってもそう上手くいかないところとか、別の相手とも性的に繋がろうとしちゃうところとか、苦しかったなあ
ヴァネッサ役のキム・イジュランさん、調べたら出演作がこれ以外出てこなくて撮影つらくなかったかなって心配になった。まあでももちろんこの内容であの前書きだから、十分配慮して撮影も行われているんだろうけど。
配慮された環境で、あれだけつらそうな演技ができてると思うとそれはそれで彼女がすごすぎる。
あと、個人的には母親の酷いときもあれば、常に酷いわけでもないのがめちゃ絶妙だった。
とても肯定できないこともたくさんしてるんだけど、放棄しているわけでもない。
もし娘がヴァネッサと同じ状況になったら、たぶん、わたしにできることってあんまりないんだろうなって気がした。
こういう問題において、娘って母の言うことは一番聞く耳持たないことは、どの母もかつてはだれかの娘だったからわかるんだよね。
『20センチュリーウーマン』みたいにできそうな人を頭の中で何人か思い浮かべたりした。