劇場公開日 2024年8月2日

「14歳の少女を言葉巧みに同意したと錯覚させ性的暴行を加えた小説家」コンセント 同意 りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

3.514歳の少女を言葉巧みに同意したと錯覚させ性的暴行を加えた小説家

2024年8月25日
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鑑賞方法:映画館

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フランスで文学好きな13歳の少女ヴァネッサは、50歳の作家ガブリエル・マツネフと出会った。彼は小児性愛嗜好者で、その事を隠すことなく少年少女との性行為を文学作品として発表し、既存の道徳や倫理とは違う考えを持つ作家として注目されていた。1986年、14歳になったヴァネッサは本人の同意の上で処女をマツネフに捧げ、自分はマツネフの恋人だと信じ、生活全てをマツネフの望む通りにしていたが、1年半後、ヴァネッサが15歳の時、彼はヴァネッサを捨て、次の少女を毒牙にかけていった。マツネフは、ヴァネッサとのセックスを含む行為、その時の感情を、日記、という本に書き、出版し、初版をヴァネッサへ送りつけてきた。そんな当時のマツネフとの異常な関係について成人してからもずっと悩まされ続けていたヴァネッサは、その事を断ち切るため自分から見たマツネフとの関係を、同意、という本に書き、2020年1月に出版した、という事実に基づく話。

14歳の文学少女を50歳の作家が「同意」の上で言葉巧みに性的関係を結ぶなんて簡単な事だろう。その少女に自分を恋人だと思わせ、これまで君に逢うまで間違っていた、なんて言われたら、イチコロだと思う。
病気だと思うし、犯罪だとも思う。
2024年8月現在、まだ生きている、というのも、本人がこの作品を観たらどう思うのだろう、なんて考えながら鑑賞した。
絶対悪い事したとは思ってないだろうな、と。
ヴァネッサ役のキム・イジュランは当然成人(撮影時22か23)だけど、小柄で童顔だから14歳にも見えた。
マツネフ役のジャン=ポール・ルーブはいやらしく老獪で言葉巧みな犯罪者、マツネフを好演してた。
原作者ヴァネッサ・スプリンゴラが脚本に協力したようだが、この作品を発表した事で彼女の何かが救われる事を切に願ってます。

りあの