「枷」コンセント 同意 Noriさんの映画レビュー(感想・評価)
枷
ペドフィリア、という言葉がそれなりに浸透してきている現在。小児性愛は、多くの先進国で犯罪と見做され、忌むべきものとして認識されている。その価値観から逸脱することのリスク、大多数の人間は理解し行動している。
だが、ゲーテや豊臣秀吉の例に漏れず、動物としての人間は若さに魅了される感覚を持っている。この点は疑いのないところなのだろうなと思う。寿命の短かったその昔、子孫を残すために人間は寿命に適合的な行動を選択し、その結果として、人類は今現在存続しているのだから。
本作を鑑賞して、魅力的な文章を紡げる才能に惹きつけられてしまうこと、仕方ないのかなと思ってしまう自分がいる。と同時に、圧倒的な能力差、経験値の差をもって、相手を蹂躙していくその態度は、大人が取るべき行動としては許されないとも思う。今の、2024年の価値観では。
映画「愛人/ラマン」も小児性愛描写だといえばそれまでだが。許される・許されないの枷は時代と共にうつろふ。その時代の変化に応じて、我々平民は今日も生きていく。
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