「自由や芸術をこよなく愛する大人の国フランス万歳」コンセント 同意 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
自由や芸術をこよなく愛する大人の国フランス万歳
マセた文学少女にとって人気作家からひとりの大人として扱われ、詩的で耽美な甘い褒め言葉を湧水の如く浴びせられたら皆ああなってしまうのだろう・・・きっと。
「またか」と呆れられながらも平然と人前に連れて行き、普通の彼氏と同じように母親と3人で食事をするなどの厚顔無恥ぶりには驚くが、ちゃんと大人扱いしてあげることでこども心をくすぐり、また我々は何も悪いことをしていないんだよという暗黙のアピールによって少女の疑念を払拭するなど巧みな手口で洗脳して行く。
母親はガブリエルが悪質な小児性愛者だと知っていたにもかかわらす2人を後部シートに座らせたのは何か意図があるのかと思った。
あの小説を読んでガブリエル・マツネフの大ファンだったというミッテランって大丈夫かと思うが、それも時代なのだろう。
久しぶりに観た胸糞映画だがそれだけ演出と演者が上手かったという事だろう。
ヴァネッサ役のキム・イジュランはちゃんとミドルティーンに見えたし大人の恋を始めてから堕ちて行く過程を体当たりで表現し、鑑賞者にイラつきと哀れみの感情をしっかりと植え付けた。
ガブリエル役のジャン=ポール・ルーヴは最後にはヴァネッサを捨てる事がわかりきった状態であっても終始純粋な愛情表現をし続け、自らのチ◯コを露出しながら怪人ぶりを熱演した。
実際のガブリエル・マツネフの画像をネットで見たところ、スキンヘッドではあるがもっと線の細い優男でルーヴのような逞しさや威圧感はなく、イメージする小児性愛者そのものだった。
そしてあの指輪と両手を突っ込むジャケットもまんまだった。
ガブリエル・マツネフはまだ存命らしいが、相応の厳罰を求められる事はあるのだろうか。
フランス司法には先進国として告発したヴァネッサの勇気に答え、正しい判断をして欲しいと思う。
お隣の座席はご夫婦でのご鑑賞のようだったが、何かの罰ゲームなのかと余計な心配をしてしまった。