ありふれた教室のレビュー・感想・評価
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ドイツの公立小学校の様子、独の職場の雰囲気がわかる
女教師が、校内で起きた盗難事件の対応で誤解が生まれ、大問題に発展していく。
生徒からも、同僚からも、責められ。。
ドイツの職員会議の様子が興味深い。校長は皆の意見を聞く。子供の意見も聞く。
悪意の無い事でも、人は誤解し、人を攻撃し、分かりあう事は無い、分断。
あるいは分断は 解決できないし 、それに抗わず 受け入れろとのメッセージ。
ドイツの公立小学校の様子、独の職場の雰囲気がわかる。
「向き合う」だけでなく「寄り添う」ことも大切だ
カンニングにしろ、授業中のサボりにしろ、窃盗にしろ、悪いことをした人間が誰も謝らないのはどうしたことだろう?それどころか、反抗的な態度を取ったり、開き直ったり、逆恨みしたりと、やりたい放題なのは、権利意識に関する「お国柄」の違いによるものなのだろうか?
特に、窃盗の容疑については、それが、謂れのない濡れ衣だったとしても、ふてくされて「謝罪しろ」と噛みつくのではなく、弁明するなり、反論するなりして、自らの身の潔白を証明するべきではないのか?(そうしない時点で、罪を認めてしまっているようなものだが・・・)
そうした「悪い奴ら」にしっかりと向き合い、誠意を持って彼らに接しようとしている主人公が、逆に非難され、追い詰められ、消耗していく展開には、相当にストレスが溜まるし、その理不尽さと不条理さには、モヤモヤしたり、イライラさせられっぱなしだった。
彼女が、窃盗犯を見つけるためにパソコンで動画を撮ったことが、保護者から叱され、生徒たちの不信感を招き、教師たちの間に亀裂を生むのだが、「動画の何が悪いのか?」と思ってしまうのは、やはり、人権意識の違いだろうか?
ただ、主人公に落ち度があったのも確かで、どうせ動画を撮るのなら、犯人が明確に識別できるような構図で撮影するべきだっただろうし、それができなかったのであれば、敢えて容疑者を「泳がせ」て、現行犯として捕まえられる機会を待つべきだっただろう。
確定的な証拠もないまま、疑わしい人物を犯人扱いしてしまった主人公や校長の対応は、相手に良心があり、簡単に自白するだろうと妄信した「性善説」に基づくもので、「不寛容」を謳う割にはお粗末としか言いようがない。
ラストでは、この映画が、犯人探しのミステリーではなく、それぞれの正義が衝突する様子を描いた人間ドラマであったことが明らかになるのだが、最後まで生徒に寄り添う(「向き合う」ではないところがポイントか?)先生であろうとする主人公の姿は印象的である。
声高に権利や主張を振りかざさなくても、彼女が差し出したルービックキューブのように、相手にそっと「思い」を伝えることはできるのだということが分かり、ギスギスし通しで息苦しかった物語の末に、少しホッとすることができた。
スリリングな展開に驚愕させられます
タイトル通りのありふれた教室での一部始終を、緊迫のサスペンスで描く一級の映画作品。先進国ドイツの公立小学校の一コマですが、日本でもこんなことは多分日常茶飯の出来事かと。松たか子の「告白」2010年、是枝裕和の「怪物」2023年、テレビドラマ・天海祐希の「女王の教室」2005年などでも問題提起されてますね。ほぼ正方形の窮屈なスクリーンサイズで展開される、全編キリキリと神経を逆なでさせられるような迫力の熟成が凄い。
完全に全編学校の中だけで描かれる、EUの北側諸国では当たり前のように原色の「青」があちこちに使われる学校内が舞台の総て。もちろん教室から職員室、廊下から体育館そして敷地内に限定されるが一応屋外も。しかし、本作はホラーではありません、超常現象もゾンビもサイコパスもモンスターも変態も一切登場しません。皆ごくフツーの一般人、そう私達と全く同じで全く同じ次元に居る。その仔細な人間関係がちょっとしたボタンの掛け違いで恐怖のどん底に陥られるわけです。
舞台となる小学校は「不寛容」をアピールしているわけで、仔細な事もとことん原因と対策を講ずる立派な方針のようで、だから、まあまあ、では済まない。それは長い試行錯誤を経て決めた学校なりの方針なんでしょうから。細やかな窃盗事件が校内で起きたようだ、犯人探しに生徒を誘導尋問にまで追い立てるのはその証左。こんな学校に新学期より転任してきた女性教師カーラが、自らの財布の中身を確認の上、ジャケットのポケットにしまいそのまま職員室に置いたままに、ご丁寧にパソコンで動画撮影まで施した上で。案の定、財布の中身が減っており映画は大きく動き出す。
被害者にも関わらずカーラは人間不信の地獄に叩き付けられる展開に、でも気丈にも彼女は冷静を装い事を生徒に寄り添って何とか収束しようと尽力するも、これでもかの罵詈雑言の渦中に。ああすればよかった、こんな事するんじゃなかった、全ては後の祭り。しかし、カーラの言動はすべて観客の納得行く範疇で、周囲の思わぬリアクションにカーラともども観客は苛まれる仕組み。理想主義者が管理社会のがんじがらめに翻弄させられる悲劇でもある。それはちょっとやり過ぎでは・・・と言ったところで不寛容はもう誰にも止められない。この辺りの追い込み描写が流石の力量を発揮し映画的興奮を生み出す。
日本だったら、そりゃないでしょと思うかも知れませんが、生徒も親も言わなきゃ損な意識は全く同じでしょう。生徒新聞も随分と強烈ですが、日本で言ったら中学生に該当する上級生の年齢でしょう。親の集まりだってあんなもんでは済まないでしょ日本でも。現役の先生方が鑑賞されたら、とてもじゃないけれど、冷静には観られないのではないでしょうか?
結局、学校事務の被疑者女性は確かに盗ったのか否か、映画は答えを出さずに、その息子の反骨精神を祭り上げて映画は終わる。真実はどちらでも、その経緯をこそ描きたかったわけで。物事の手順に正解があるはずもない、自らがベストと考えた行動が、どっちに混んんでも非難は避けられないのが今ってわけです。恐ろしい。原題は「先生の部屋」すなわち職員室なんですね。
中島みゆきじゃなくてメンデルスゾーン
中二病真っ盛りの奴らにジャーナリズムwという刃物を与えたら危険極まる。偏向報道や風説流布がコミュニティに与える混乱や分断が主題ではないだろうが、個人的にはそちらが印象的だった。
ラスト近く、ルービックキューブが再登場する少し前に担任が問題児童の隣の机で書き物をするシーン、対面してお互いの顔を見るのではなく、肩を並べて同じ景色を見るというのは何かヒントを与えてくれているようだった。
期待度◎鑑賞後の満足度☆ 紛れもなく傑作。途中から涙が…これは”ありふれた教室“ではなく“ありふれた世界”の話物。僕たちは何て息苦しい世界に生きているのだろう。映画は安易な答えを示さない。当然だ。
①今年公開された洋画、特にヨーロッパ映画はドキュメンタリーも含めここ数年に無い程傑作・秀作・佳作が多い。年末の自己ベストテン選出に悩みそう。
②本作もベルリン二冠も当たり前の出来。
③おかしいと言えば最初からおかしい。
生徒にクラスメートを売るような事をさせて、その上秘密にするように口止めするなんて。
秘密なんて絶対に漏れるのに。ましてや相手は子供だぞ。
だから問題は生徒ではなく先生なんじゃないんかい?と思ってしまった(原題もそもそも“教室”ではなく「職員室」だし)。
④カーラが謂わば“盗撮”したのも決して良くはないことだが、冒頭の先生達の対応を見ていると、生徒を守りたい気持ちから出た行為だと許してやりたい気持ちにはなる。
ただ、動画に思いもかけぬ人物らしきものが映っていたことから事態は一気に動き出す。
そこからの予測不能なスリリングな展開からは目が離せなくなる。
③
名探偵もヒーローも現れない生々しさにイライラ
主人公の一貫した正義感と、校長先生の機械的で「ゼロ・トレランス」な対応だけが頼みだった。観ているうちに誰が正しいことを言っているのか、縋りどころが分からなくなってきて、私も1回大声出させて、という気持ちになりました。
教育に携わる人間として、この映画に出てくる教室は、本当に「ありふれ...
教育に携わる人間として、この映画に出てくる教室は、本当に「ありふれた」教室であることを強調しておきたい。ものすごくリアル。
改めて教育現場は、サスペンスであり、ホラーであり、ドキュメンタリーであることを思い知るとともに、教育観と暴走は紙一重であることに背筋を正す。教員を志す人間が減っていることの証明にもなる作品。
ラストカット痺れたな〜でもこうなるのよ。ご機嫌とるか、諦めて公的機関に頼み込むかが今の時代現実的なもので。
ほとんどが学校内で撮られてるのも良い。家庭の様子なんて、教育現場側からすると一部しかわからないし、類推せざるを得ないし、だからこそ間違ってしまうこともある。
劇伴が好みだった。
ずっと気の抜けない映画 最後が『え?これ?』って思ったのは、 私が...
ずっと気の抜けない映画
最後が『え?これ?』って思ったのは、
私が理解しきれていないから?
もう一回見ないとダメかな?
私が対処します
若手女性教師カーラ・ノヴァク( レオニー・ベネシュ )が赴任したばかりの学校で、盗難事件が多発する。同僚に対する不信感と正義感から、カーラは或る行動を起こすが … 。
学校の対応の難しさ、信頼関係が崩れていく様がリアルでした。
保護者に対し物申す事が出来ない事も、教員にとって大変でもあり、辛いところなのではないでしょうか。
日本の中高の学校教員は、部活動の指導や不登校、保健室登校の生徒達の学習サポート業務も有り、保護者対応、学校行事等、授業以外に様々な業務が有るようで、身近に居る若手中学校教員の彼女は、毎朝6時半出勤、帰宅は22時過ぎという過酷な日々を送っており、「 辞めたい。」との言葉を吐きながらも4年目の夏を迎えようとしています。
岸田総理、1日も早く改善して下さい!
映画館での鑑賞
真相は闇の中…
これ、サスペンススリラー、か?誰もが何かを掛け違えて物事悪化させまくるヒューマンドラマと思うが…。疑わしくは罰せず、からスタートしないと後が大変、と思う自分が正解がどうかは別として生徒たちと先生がたが理解しあうってなかなか難しい、と思う。金八話は遥か昔に成立する時代か。
子供にとって学校と家庭が社会の全て
学校という閉鎖空間は誰もが窮屈に感じるものだ。
キレイゴトや曖昧なニュアンスの物言いは言う分には楽で簡単だが、何の解決にも繋がらないと知る。
子供の頃は生徒は大人が思うほど子供ではなかったが、大人になってみると教師は子供が思うほど大人じゃない。
二枚舌の不寛容方式
校内で頻発する現金の盗難事件を巡る学校の対応と生徒や保護者の言い分との間で、我が道を行く赴任してきたばかりの先生の話。
主人公カーラのクラスの生徒たちが疑われ、任意と言いつつも教員たちに問い詰められる学級委員、そしてクラスの男子たち…学級委員の責任?そんなものあるわけないだろと中1が言えないのは仕方ないけれど、擁護や苦言を述べたいのにうまく論ぜられない感じですかね…。
それにその理屈なら、教職員も疑わないのおかしいよね…。
職員室での出来事からの学校の対応は良いけれど、生徒にはOKで教職員にはNGってことはないだろうとなぜ主張しないのか、そして今度は中途半端に擁護して沼にハマってしまいそうな主人公…。
全体的に面白くはあったけれど、どの方向にも転がさず当り障りのない終わらせ方で流された様な感じがして、もうあと1歩2歩踏み込んで欲しかった。
人に教える仕事、しかも子供達に、しかもモンペ付き…自分にはムリだな…。
わかりにくい映画
構造は単純でどうなるんだろうって結末が気になるが、結局なんだそれって映画。
良くわからないし、何が言いたかったんだろう。
校内の不穏な空気は分かるがだからなにって映画。
良くわからない映画だった
新任先生の受難
映画全編緊張感と不安感が続く、サスペンス映画でした。
ドイツの中学校で盗難事件起き、犯人を探す事で周りから孤立していく教師を描いた映画で、裏目裏目に事態は悪化して行きます。
俳優の皆様見事で、主人公のレオニー・ベッシュはお綺麗です。
主人公は数学の先生で、数学問題を問いかけますが、中学一年生にしては難しいと感じました。
ドイツの学校は思考力に重きを置いているのですね。
終わり方は、好みが別れると思います。
この映画の雰囲気に合わせたものでしょう。
学校新聞クラブの生徒は、ジャーナリストとして、笑うぐらい強者でした。
予告で気になったら見てほしい
本作は主人公の教師の些細な事から生徒、親、教師陣まで巻き込む大変な事に発展していくのだが、やる事全てが裏目に出るのであまり見ていて楽しい映画ではありません
ただ起こった事よりも、そこからの人間関係の悪化がリアルで現実にありそうな感じで見ていて不安になる臨場感があります
人としての顔、子供と教師としての顔、教師と教師との顔、色々に誠実だけどそれだけ正解ではないと考えさせられます
子供もよく大人のことを見ているところ、大人の触りたくない話題に鋭いところなどもハラハラしてしまいます
子供は感情で動いてしまい色々行動しますが、大人はやはり理性が働いてそこまでいかないのも違いを感じてとても好きです
本当に最後のシーンで主人公がグチを言っていた同僚に助けを求めて、渋い顔をするけど動いてくれるあたり少し救いがあるなと感じ好きなシーンです
正直にあと数回見なければ本質的なものは自分には見えない来ましますが、今回はこのようなレビューにいたします
子供の気持ちも分かるし大人の気持ちも分かるから良い悪いの話ではない考えさせられるとても良い映画でした
こじれる
ボタンのかけ違いのようにどんどん拗れ、周りを巻き込んで小さな砂埃から台風のようになっていく展開。
中学1年生の設定だと書かれていたが、そうだったんだ〜という印象。
全体的にずいぶん幼く見えたから。
アメリカのように鍵のかかるロッカーはなく、財布も持ち歩いているのか?
よくわからなかったけど。
職員室でパソコンにカメラを仕掛けた理由もよくわからなかった。
職員室でも盗難続き?
今時の教育現場って監視カメラは…ないの?
母親が疑われたオスカーはかわいそうだな。
99パーそうだったかもだけど。
脅し文句からもっと悲惨なことが起きるかと思ってしまったが、意外とそうでもなかった。
舞台はほぼ学校。
やや睡魔にも襲われて…からのラストだったので、え?という感じ。
教師の友人に聞いた話に似ていた
めっちゃリアル。
友人は保護者会で胸ぐらを掴まれたらしいです。
それでも友人は今でも教師を続けていて
そこまでしても子供が好きという想いは
カーラと共通しているように思いました。
和題のありふれた教室、
こういうの、どこの教育現場でも日常茶飯事ってことよなぁ。。
先生ほんと自分を大切に。
最後までクリアにはなりませんが
それがリアルなんだと理解しました。
個人的にはラストの感じ好きです。
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