「ゼロ・トレランス(不寛容)方式」ありふれた教室 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ゼロ・トレランス(不寛容)方式
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冒頭の話し合いで一瞬だけ主人公が見せた、ニヤけるような表情が印象的。
ただの微笑みとも取れるし、“熱心な教師像”に酔ってるようにも見えた。
学内で頻発する窃盗に纏わる顛末を描いた本作。
日本ではまず考えられないくらい直球でガッツリ調査する姿勢は、不寛容方式故か。
物語のキーとなるのは、職員でありオスカーの母でもある、クーン。
同じ柄のシャツを同日にたまたま着てる人物がいるとは思えず、99%クロである。
しかし彼女の財布に現金はなく、これが演技なら女優になれるという剣幕で無実を主張。
星柄シャツのファッションショーはまだしも、最初の一人が現実かも明示はされない。
この不安定さが、1%の可能性を捨てさせない。
ノヴァクの人物像も、誠実かつ真摯でありつつも、これも不寛容方式からかやや厳し目に思えた。
生徒から反抗される要素も十分に感じられる描き方。
中一らしい幼さと賢しさが同居した生意気さは、どの生徒も上手かった。
ただ大人の相関図が分かりづらく、初登場時では誰がどの立場か理解できなかったのは残念。
多人種化や多様性もあってか、生徒も男女の区別がつきづらいコもチラホラ。
ノヴァクの盗撮が法に触れることもあり、調査はほぼ進まず真相は闇の中。
最後はクーンも学校に顔を出し、オスカーもルービックキューブで歩み寄りを示して終幕となる。
微かに希望が見える演出ではあるが、やや中途半端かな。
2時間あっていいからもう少し突っ込んだところまで見たかったが、題材も描写もとても興味深かった。
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