「人間として素晴らしいが高学年の教師としてはどうだったか」ありふれた教室 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
人間として素晴らしいが高学年の教師としてはどうだったか
主人公が教えてるのが何年生か分かんないんだよね。
でもけっこう子供だましみたいなことやってるから、低学年なのかなと思うの。
そうかと思うと 1 = 0.99…… を証明させたりしてるしね。
この「高学年の教師として、力不足では」っていうのが、物語全体に効いてる気がするの。
高学年の教師としてクラス運営できる力量があったらね、ビハインド局面でもなんとかまとめきれたんじゃないかな。父母を味方につけることもできたんじゃないかとか。
校長も弱いね。事態に対処できないの。
学校新聞が振りかざすヘンテコジャーナリズムも風刺が効いてる。
偉そうなことを言いながら、結局、売れて金が儲かればいいんだろっていう。
同僚教師も学校新聞に名指しで批判されると、突然冷静さを失って怒っちゃうしね。
物語中でうまいと思ったのはカンニングする生徒を登場させるところ。
生徒は「カンニングしてました」って認めないんだよね。でもこれはハッキリやってる。
だから、仮に悪いことしていても、悪びれずに「やってない」と言う人が当たり前の世界になってるの。
なので、本当にお金を盗んだ人は誰なのか、余計に観てる方はグラグラしちゃうの。
ラストは「先生の方を信頼します」ってことなのかなって思ったな。
人間としての素晴らしさが伝わった感じ。
全体に「誰が悪いともいえない」っていう状況を描く事情設定のバランスがすごくうまいと思ったの。その中で最後までブレない主人公がすごかったよ。
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