「Mile」東京カウボーイ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Mile
バリバリのお仕事ものかと思いきや、ちょっと抜けたサラリーマンが牧場を通して少しずつ成長する物語になっていたので、予告から予想していたものとは違いましたが、これが寧ろ良かったなと思いました。
基本ざっくりした感じで和牛育てよーぜ!みたいなテンションでモンタナの牧場に行って、現地の人々に鼻で笑われて、なんとか交渉しようと牧場の仕事を手伝う様子が全編渡って描かれており、主人公のプライドがへし折られて丸くなる様子がじっくり映されていました。
最初は毛嫌いしていた乗馬も後半にはすっかり慣れていましたし、カウボーイ姿も気に入ったり、なんやかんやで事業も進められたりと、うまくいきすぎなとこはありましたが、ビッグマウスな自分を等身大の自分に変えていく成長譚で面白かったです。
結構ひどい目にあってしまうんですが、その度にクスッと笑えるので、その点でも好みな作りになっていました。
モンタナの大自然はとっても美しいですし、その自然を駆け回る馬や牛も壮大さにアクセントを加えてくれますし、とても綺麗な野原で乗馬できるなんて贅沢だな〜とモンタナに足を運びたいきっかけになりました。
なんだか丸く収まって、温泉に入って事業が出来上がってハッピー!と爆速で広げた風呂敷を畳んでいって、急に終わったとポカンとなりましたが、全体通してやや緩い雰囲気があったので、これくらいの終わり方でちょうどいいのかなと思ってしまいました。
井浦さんや國村隼さんのちょーっと抜けたキャラはとても素晴らしく、現地の方々のにこやかな感じも良かっただけに、上司で彼女である役柄を演じてた藤谷さんがどうにも棒読み&表情の起伏の無さが気になって、会議のシーンや怒りを露わにするシーンとかが観ている側がモゾモゾしてしまうくらいの棒演技でびっくりしました。
脚本も担当されているらしく、井浦さんと役として共演したかったから今作の重要な役どころで出演したのか?ってくらいで、過去作も観たこと無かったので、職権乱用したのか?と疑ってしまいそうになりました。
ほのぼのした作風で、空白が多いのもあって上映時間よりかは長く感じてしまいましたが、疲れた時に観て温泉に浸かっているかのような感覚になれたのはよかったです。
監督の日本への愛もあって、洋画のはずなのに邦画を観ている感じで不思議でしたが良かったです。
やっぱ井浦さん素敵だわ〜ってなりした。
鑑賞日 6/22
鑑賞時間 19:40〜21:45
座席 E-12