「私の頭の中のフイルム」走れない人の走り方 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
私の頭の中のフイルム
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冒頭のシーンの意味は分かるのだが、あの糞マナー男の意図が分からない。
中盤の10年延滞したDVDやシネマリンのシーンなど、必要性を感じないカットも多かった。
とりあえず、桐子の監督としての立場が不鮮明で、そこが掴めないから出来事の重さも測れない。
途中で賞に入選までしたと語られるが、スタッフ同士が下の名前で呼び合うなど学生映画の延長にも見えてしまう。
会話のリアリティ、特に実家での親子の会話は非常によかった。
予算やキャスティング、スケジュールなどの悩みもリアルなのだろう。
しかし“現実”の垂れ流しでは映画としての深みは出ない。
「ロードムービーを撮りたい」と桐子は言う。
しかし、それ以外の明確な意思が見えず、撮りたい“画”だけが募っているように感じた。
それはこの映画そのもののように見える。
序盤の「制約の中でいいものを撮る」という話でタイトルを連想したが、それ以上には感じなかった。
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