つゆのあとさきのレビュー・感想・評価
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時代を問わず、女性の奔放さとしたたかさを描くとこうした描写になるのは定番!?
永井荷風の小説「つゆのあとさき」は未見なので、その原作との関連性がどの様なものなのか?知る余地もないが、性に関連し女性の奔放さやしたたかさを描くと結局はこういった描き方になるのはもう定番!?
作品からは目新しさといったものは感じられないので、男性目線からするとSEXの部分に目が行くのは悲しい性(笑)!!
そういった意味では琴音を演じた高橋ユキノにも、さくら役を演じた西野凪沙にもこれといった思い入れは感じられなかった。
インディーズ作品なので多少デフォルメしても、もう少しノンフィクション的な感じで世相を交え描いた方がこの手の作品は良かったのでは・・・・・・・!?
TVやNETで当たり前のようにこの手のネタは流されているので、何かしらのインパクト映像がないと受け取り手側の衝撃も薄れてしまうのではないか!?
濡れぬ先こそ露をも厭え
登場人物誰にも共感できず、最後まで観ても「…で?」としか感じなかった。
まず、作品として情報が伝わりにくい。
粗筋をよく読んでなかったので、冒頭の店が勤め先で、しかもキャバクラとは分からず。
住んでる家も(贅沢してるなぁ、とは思ったが)清岡のものだと終盤になって知る。
役者の問題なのか録音の問題なのか、台詞がやたらと聞き取れない。
ラインのやりとりも、もっと見易い配色あるでしょ。
ブツ切り挿入歌を頻繁に入れて雰囲気出してる場合じゃないですよ。
矢田を保険に考えてたにしても、終盤の清岡への対応が雑だったりで琴音には切実さがない。
媚びないカッコよさというより単に刹那的。
さくらの方はまだしも、生きようとしてない人間を応援する気持ちにはならない。
主演は頑張って脱いでるのだけど、3Pの時は恐らくさくら役のコとのバランスで下着フル着用。
メタな勘ぐりでしかないが、そのせいで作り物感が出てしまい、ドキュメンタリー的な現実感も失われた。
だったら別に主演も脱ぐ必要なかったよ。
なんだかコロナも、登場人物を窮状に陥らせるための便利な口実になってきましたね。
濡れ衣着せられただけで、以降出番すらなくなった楓ちゃんが一番可哀想。
男って情けね〜な
はじめのうち台詞は聴き取りにくいしスマホ画面も読み取り難かったのが、次第に聴き取り・読み取り易くなっていったのだが、これは琴音と各登場人物との心理的な距離とシンクロしていたのでは?だから、さくらとのやり取りは分かりやすかった。違うかも知れんが、なかなか面白い演出だと思った。
そして画面向かって右(映画文法的には未来)へ踏み出した瞬間のストップ・モーションがいい余韻。
素敵な映画でした。
リアルという口コミを多く目にしていたが、映画を見た正直な感想は、フィクションを見ているようだなっていう感想だった。
身近でパパ活をしている人がいなかった訳でもなく、パパ活をしているであろう場面を目にしたことも勿論あるが、その人々のリアルな生活を全く知らず、想像もしたことがなかった。
当事者でないのだから当たり前と言えば当たり前だが、みんなそうやって何かを抱えながらも生きてるんだなということに気付かされた。
辛いシーンや悲しいシーンが多い映画だったが、不思議と心が落ち込むことも、後味の悪さも感じなかった。
それどころか、髙橋ユキノさん演じる琴音が懸命に生きる姿、西野凪沙さん演じるさくらと距離を詰めようと、自分を変えようと一歩踏み出す姿を見て、うだつの上がらない自分と重ねて必死に生きようと勇気すら貰えた。
それだけ彼女たちの生きるエネルギーを感じる映画だったと感じた。
最後に、本映画に置いてあまり良い描かれ方をしている訳でも無く、対してバックボーンが描かれている訳でもない、女性たちを買う男性陣。僕は個人的には彼らを嫌いにはなれなかった。描かれていないだけで何か傷を抱えているのかもしれない、ただの欲の捌け口かもしれない、そのあたりは映像からなんと無く察せる部分はあれど真偽はわからない。
きっと彼らも女性陣と同様に彼らなりに必死に生きていると思うと、嫌いになることはできなかった。クソムカつくところはあれど。
勿論映画だけで見れば嫌いだが、物事は多面的で自分から見える景色や姿だけがその人の全てではないということ、普段渋谷を何気なく歩く彼女たちの中にも琴音やさくら、楓がいるかもしれないということを忘れないで生きていきたい。
1930年代の原作をコロナ禍の女性達の生き様に置き換えた意欲作!
原作の流れに忠実でありながら、コロナ禍や最近の風俗も取り入れた意欲作で、主演の高橋ユキノさんが、自由奔放に見える琴音のクールな面を時にハードにそしてキュートに演じている。(ルンバに癒しを求めている姿とか)
自然な長回しの撮影による、さくらとの気脈を探る場面やお店での3人横並びのやり取りの文字情報とマスク下の表情など読み取る要素もさりげなく深い演出と演技も良かった。
ラストで原作と更に繋がる構成(名前ね)や飴🍭や風船🎈などの小道具の取り入れも巧みだと思う。
人にやっては彼女達のどこか刹那的で欲望に振られた生き様に反感を感じる面もあろうと思うが、1930年代に書かれた原作の時代から現在まで女性達の立場が変わらない現実も有り、成瀬巳喜男作品などに見られる、ダメで身勝手な男達を見ていると、こちらもチクリとくる😅(ごめんなさい)
ちなみに自分(オッサン)の見た時も観客は、本作のお店に来ている客の様な性別と年代の層が殆どだったのが暗示的だった。
気になるのは、店で中傷誹謗される琴音の描写が、若干の弱いと感じるところやSNSなどでミソジニーな輩が跋扈して支持される今なら琴音とさくらのシスターフッド的な世界も見てみたいとは思う。(後者は原作を破壊する面でもあるけど)
主演の高橋ユキノさんを、始めとする共演者・スタッフの方が、たびたび劇場にきてチラシ配りをされていたりする姿とその心意気にも敬意を表したい。
特に映画を見てから高橋ユキノさん本人にお会いしてから、劇中で度々登場するホテル街や交差点が、上映されたユーロスペースの直ぐ近くにあるので、聖地巡礼をしつつメタ的な体験も出来たのは貴重だった。
この作品の少し後に公開された大手配給の『先生の白い嘘』の監督インタビュー記事が発端で、Xで話題になっているインティマシーコーディネーターの西山ももこさんが、本作にはキチンと入っており、センシティブ部分もある題材に作り手の誠実がわかる。
この方はライムスター宇多丸氏のラジオで知ったが、クドカンのテレビドラマにおけるインティマシーコーディネーターの凄まじく雑な扱いに、憤慨しつつも大人な対応されていたのが印象的だった。
ちょっと得した。
公開されている事は知ってはいましたが、あらすじを読んで好きな映画じゃなさそうだと観るつもりはありませんでした。しかし先日主演の俳優さんと監督さん?が劇場の前でビラ配りをしているのに遭遇して、気まぐれで観てみる事にしました。
予想外に良い映画でかなり驚き。
渋谷を舞台にパパ活で金を稼ぎ生きる女性の物語でとても感情移入出来る話では無いと思っていたけど、物語後半ではもう感情移入しまくりで泣きそうになった。永井荷風の原作小説を現代に舞台を移して作られたとの事で荷風の時代と違って他に仕事はあるのだろうけど、彼女はパパ活を選んだって事でなんか悪いっすか?て感じですかね。別に同情して欲しくは無いだろうし、こちとら同情したり下に見る程立派な人間じゃないしね。金を稼ぐ為に嫌な客にも嫌々感丸出しですが対応するし(その客が自分以外の女の子を連れてると気分悪くなるし)、可愛そうな客にはつい少し同情して慰めちゃうし(それが不味かったけど)、好みのイケメンくんにはつい本気で好意を持ってしまったり、首尾一貫しない矛盾だらけでダメダメな主人公ですが人間的で何故か共感してしまう。基本不器用で友達も作るのが苦手で無愛想でまったく良い人では無い主人公ですが、所謂フツーのご立派な仕事をしていて金は持っている男達よりはるかに共感してしまいました。
誰も信じる事なく一人で足掻きながら生きていた主人公ですが、唯一心を開き友達となれそうになった女性と思わぬ形で別れる事になります。それでも再び街に出て生きて行く主人公の姿に心揺さぶられずにいられませんでした。観て良かった!役者も良かった!
しかし荷風が原作で男性監督だからなのか、男達に対する視線がキツい、クズばかり。なけなしの金でHしたい、間抜けだけど心底憎めないバカ男もいると思うが…パパ活にはいないのか。
琴音
友だち死んじゃった。
ラスト本人も死ぬんじゃないかと心配しました。
帰りかけ、主演の高橋ユキノさんが、ちらしを配っていました。ビックリしました。
少しお話ししました。
高橋ユキノさん、めっちゃ可愛かったです。
2回目鑑賞
また、監督と高橋ユキノさんが玄関にいらっしゃいました。開演前、開演後。
渋谷をうろうろ歩いてルンバ
良かった。
あるとき、女子高生同士が道端でキスをしているのを見かけた事があった。彼女らにはエロさより、清々しいというか青春のなんというか幸福感があって、
ああコレが平和かァ、と噛み締めたことがある。なんとなく本作を観ながらその情景を思い出した。
一見コミュ力強そうなバカそうなガキもギャルも、等しく人間同士のふれ合いに悩んでる。パパ活相手のオッサンなんて、宇宙人より意味分からん存在に感じるだろな。
他人と仲良くなって情に流されたくないという主人公が、それでも人を受け入れようとして言った一言が、
「どこ出身なの?」というのは、なんていじらしい台詞か。芝居も含めて素晴らしい。
濡れ場があるから苦手な人もいるだろうけど、そこまでハードではないので見やすいと思う。
新宿行ったら女の子立ってるし、映画もハッピーでは終われない問題が残ってる。
なんちゅーか、世界的にも移民問題だ紛争だ、とか色々問題があるけれど結局他人に対してこの柔らかな「どこ出身なの?」を言えれば少しは平和になれるんじゃないかなァ。平和になってほしいなぁ。
全て偽り
働いていたキャバクラがコロナ禍で閉店し、住むところも無くした女性がパパ活をする話。
出勤したら閉店を知らせる張り紙あり、帰ったら同棲中の男は金目のものを全て持ち去り逃亡という状況から、さのうち家賃も払えず…ということかな?
夜逃げなら張り紙なんかしないし、ただ閉店なら連絡あるだろうし、いきなりスーツケース持って歩かれても家なくなったって直ぐには思わないし少しわかり難い序盤。
そして髄分警戒心がない行動からの、しばらく後、本命パパに部屋をあてがわれている感じからの出会い系喫茶。
刹那的というよりも何も考えていない感じなのかなと思ったら、ズバリそれを言われるんですね。
一応ショッキングというか哀しいというか、そんな流れもあるけれど、その涙はいったい何に対するものか…なんでもコロナのせいですか?とか、バカだなーとか残念だなーとしか思えなかった。
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