劇場公開日 2024年4月12日

「さださんもこの映画を観たのかな」劇場版 再会長江 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

さださんもこの映画を観たのかな

2024年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 10年前には完遂出来なかった長江最初の一滴を辿る旅を遣り直すべく、流域の人々と土地を再訪するドキュメンタリーです。

 人も自然も、変わった物・変わらぬ物が明るく描かれて、直球の描写が非常に気持ちよく響きます。上流に行くほど見た事もない雄大な光景が広がるのです。また、シャングリラのチベット民族少女との再会物語には「出来過ぎた話やなぁ」と思いつつウルウルしてしまいました。物語と旅を先へ先へと進める監督の厚かましいとすら思えるエネルギーが印象的です。

 「長江最初の一滴の映画」と聞くと僕の世代では、さだまさしさんの『長江』(1981)を思い出します。旅の目的は達せられず、興行的にも失敗し、確かにメリハリのない退屈な映画で、その結果、彼は数十億円の借金を背負う事になりました。その一滴を本作で遂に我々も目にし、40年来の宿題を終えて何だか晴れやかな気分になりました。さださんもこの映画を観たのかな。

La Strada