劇場公開日 2024年4月12日

「中国国土の広大さを体感出来る」劇場版 再会長江 Rayさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0中国国土の広大さを体感出来る

2024年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

コロナ過になってからこのまま日本だけで過ごすことになるのかと、
ふとした時に頭の片隅で考えることが結構あって、タイミングが良ければ海外の何かに触れようとほんの少しだけ心に留めているようにしている。

それは雑貨でも写真でも音でも特に決めているわけではなくなんとなく。
折角、知る機会や購入できる機会や見る機会があるなら、日本以外のことを知っておいても損にはならないだろうという曖昧な感じで。

正直、苦手な国だ。嫌悪を抱いている部分もある。なのでどう感じるか自分でも未知だった。
でも都会から僻地まで見れる。知ってみる機会だと思った。

景色・景観のスケールがやっぱり違う。大きすぎる。無意識に日本の尺図で考えてしまうんだなと思った。
そして登場した人々が、本当に良い味のある人ばかりだった。
中でも二人の少数民族の女性がともに素敵だった。以下、バレあり。

事前情報で吉田美和似の民族女性を見てこの映画を見に行こうと思ったのだが、どちらかというともう一方の女性の方に魅力を感じた。
恥ずかしがり屋だった少女が、夢を叶え民宿ホテルのオーナーになってた。
でも、10年前の取材時に好意で上海に連れて行ってもらった恩義は忘れずに、思い出しとめどなく泣く彼女。
もらい泣きしてしまった。
僻地の少数民族の彼女が都会に連れて行ってもらった時の驚きは、日本人にはわからないくらいのカルチャーショックだったと思う。
それこそ人生が変わるくらいの出来事だったと思う。それを考えると何故か無性に胸が締め付けられた。

源流に近づくにつれて、景色が荒地になり人々の営みが貧しくなっていく様子。
でも住民に悲壮感は全くない。微塵も無い。不思議に力強い。ブレなさが土地の広さに比例している。

そして源流の始まりまであと数百メートルのところで標高の高さのため呼吸困難手前になりプロデューサーにカメラを託す。
まさしく『大河の一滴』 氷河の小さなツララからポタポタ水滴が一滴一滴滴り落ちる。
しかし温暖化で氷河が後退し、以前の水流の幅の名残が見て取れる。

特に映画を通じてのメッセージなどは一切なく、でも心の中がニコニコしていた。
映画館を出た時、夕方だったが夏至近くなのでまだ明るくてそれがとても嬉しかった。
なんか明るい時間に観てほしい映画。

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Ray