「多分大切なものは変わっていない」劇場版 再会長江 penさんの映画レビュー(感想・評価)
多分大切なものは変わっていない
大都市に隣接する川辺の、かつて汚れていた水は・・・・ダムができて沈んだ村の住民たちは・・・・少数民族の文化や生活は・・・・
考えてみると、10年一昔とは言いますが、低迷が続く日本とは違って、減速したとはいっても直近の中国のGDP成長率は、5%を維持しています。これを複利で10年に換算すると10年前と比べ、1年に生み出される付加価値は最低でも60%増加している計算になります。一人当たりのGDPはなお、世界の水準からすると後塵を拝しているわけですが、「変化」という意味でいうと、それが末端の生活まで影響を与えていても不思議はないように思います。
それでも再会した人達の屈託のないおおらかな笑顔や、再会を懐かしんで涙ぐむ姿や、故郷や民族衣装がやはり一番好きと語るその姿を観ると、最近の分断化・ブロック化する世界の中でも、草の根では、大切なものは多分あまり変わっていないのだろう、そのように感じました。
映像素材に対する当局の検閲は当然入っていると思うので、少し割り引いて考える必要はありますが、単純化や色めがねで中国を観るのは、やはり避けねばならないのだろう。そのように感じさせる映画ではありました。
とても良い作品でした。
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