劇場公開日 2024年5月25日

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倭文(しづり) 旅するカジの木のレビュー・感想・評価

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堅牢な土台の上での創造

2024年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 例えば、映画やドラマで観る卑弥呼は衣服を身に着けています。でも、あの服って一体何の素材から出来ており、それをどう織ったのでしょう? それを確かめるべき同時代的文献もない中で、「昔の日本人は何を着ていたのか」の疑問から、素材としてのカジノキに辿り着き、それを最新の科学的手法で証明し、どこから伝わったのかまで検証し、その上でそれを再現し、更に現代の新しい布にまでしようとする試みを描いたドキュメンタリーです。

 まず、古代の布はカジノキで出来ていたと言う事を想像だけで突っ走らせるのでなく、一つ一つ事実を押さえて検証する手順が素敵です。それがこの映画の信頼性を高め、堅牢な土台を築きます。それがあればこそ、現代の織師、染色家、紙漉き職人などの人々の試みが輝きます。過去から現在そして未来へのその道筋が出来て行く過程は見ていて「カッコいいなぁ」と思えました。

 そして、羨ましかった事。僕はアルマーニのスーツを着たいなんて全く思わないし、リーバイスのビンテージ・ジーンズを穿きたいとも思いません。しかし、本作に登場する職人さん達の着ている普段着のセーターやシャツは素朴なのにとても魅力的でした。手を伸ばしてその風合いに触れてみたいと思う程で、色合いも派手さはないのに惹かれます。本当のおしゃれってこういう事なんだろうなと妙な所で感じ入ったのでした。

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La Strada

4.5期待を裏切る大収穫でした!

2024年8月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

#倭文しづり旅するカジの木 の上映&北村監督舞台挨拶に行ってきました。
密度高いのに、構成の仕方、編集技術など秀逸な映画作りで、撮りだめた必要な場面を適材適所に、倭文の機織りのように織り込んで。
緻密に凝縮された要素は1回観ただけで理解できずとも、見終わってから咀嚼する映画です。

以下、メモです。

天香々背男が女神

諏訪の神紋が梶の葉

棚機津女(たなばたつめ)

水辺
禊(みそぎ)
衣食住の最初
産衣
包む布

なぜ倭の布が、しずりと読むのか?

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fuhgetsu