胸騒ぎ

劇場公開日:

胸騒ぎ

解説

ある善良な家族を襲う悪夢のような週末を描いたデンマーク・オランダ合作によるヒューマンホラー。

休暇でイタリアへ旅行に出かけたデンマーク人の夫妻ビャアンとルイーセ、娘のアウネスは、そこで出会ったオランダ人の夫妻パトリックとカリン、息子のアベールと意気投合する。数週間後、パトリック夫妻から招待状を受け取ったビャアンは、妻子を連れて人里離れた彼らの家を訪問する。再会を喜び合ったのもつかの間、会話を交わすうちに些細な誤解や違和感が生じはじめ、徐々に溝が深まっていく。彼らの“おもてなし”に居心地の悪さと恐怖を感じながらも、週末が終わるまでの辛抱だと耐え続けるビャアンたちだったが……。

「アフター・ウェディング」など俳優としても活躍するデンマークの鬼才クリスチャン・タフドルップが監督・脚本を手がけた。

2022年製作/95分/PG12/デンマーク・オランダ合作
原題または英題:Gaesterne
配給:シンカ
劇場公開日:2024年5月10日

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(C)2021 Profile Pictures & OAK Motion Pictures

映画レビュー

4.0対人ストレスあるある欲張りセットから絶望ホラーへ

2024年5月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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ニコ

4.5他人事とは思わせない丹念でリアルな描写の先にある地獄

2024年12月31日
PCから投稿
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共感した! 0件)
村山章

3.5中盤までは“気まずい系サスペンス”として斬新で秀逸

2024年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

デンマーク出身で監督・脚本を兼ねたクリスチャン・タフドルップは、休暇を過ごしたイタリアで出会った家族の家を6カ月後に訪れ、気まずい思いと我慢を強いられる羽目になった経験から本作の着想を得たという。

都会暮らしのデンマーク人夫婦ビャアンとルイーセとその娘が、旅先で意気投合したオランダ人夫婦の自然に囲まれた家に招かれる話。オランダ人夫婦は気さくで社交的で、言語障害があるという幼い男児は陰気な印象であるものの、ビャアンが特に乗り気になり妻と幼い娘を車に乗せてオランダの田舎へ週末旅行に出かける。

監督の実体験が基になっているように、よく知らない家族から自宅に招かれた時の気遣いや遠慮、部屋や食事を提供してもらっている負い目や申し訳なさといった心理状態は、たいていの人が共感できる部分だろう。ほかにも、街中や店内などで幼い子を厳しく叱りつけている親を見かけた時のいやな気持ちなど、誰にも身に覚えがあるような気まずさ、困惑、不快な感覚を巧みに織り込んで緊張感をじわじわと高めていく序盤から中盤が秀逸で、“気まずい系サスペンス”とでも呼ぶべき新たな分野を開拓しつつあるのを目撃した思いがする。打楽器とストリングスで不穏な気配を醸し出すBGMも効果的だ。

ビャアンが自分たちの絶望的な未来の可能性を知ってからを終盤とするなら、ここからはまあまあありきたりなホラー展開になってしまうのが惜しい。ビャアンは知り得た情報をなぜ家族と共有しないのか。なぜ死に物狂いで運命に抗おうとしないのか。そうした大勢が抱く違和感よりも、結局はタフドルップ監督が決めたエンディングに至る筋書きが優先されたのだろう。中盤まであれほどリアルだったビャアンたち夫婦の心理や言動が、終盤で急に作り物っぽくなるというか。

なお、2022年製作の本作はハリウッド版リメイクが順調に進み、今年9月に米公開予定。主演のジェームズ・マカヴォイが、招かれるゲスト側ではなくホスト側の夫を演じるというから、ストーリー上のひねりも大いに期待できそうだ。

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高森 郁哉

3.5最後まで目を背けずに見終えることができるか

2024年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

 傑出した作品が近年生み出されている北欧ホラーから新たに届けられた悪夢のようなヒューマンホラーです。人間の悪意や恐ろしさを描いていて、見た後は、あなたの知人や友人が信じられなくなってしまうかもしれません。

 見ていくうちに誤解や違和感が増していき、戻らなければいいのに! という願いは、映画的なお約束によってことごとく打ち砕かれることでしょう。ホラー映画好き、恐怖好き、痛いシーン好きな人でも、最後まで目を背けずに見終えることができるかで、その濃度が試される作品です。

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和田隆