「最後に温かい気持ちになれる映画」パレード うすたらさんの映画レビュー(感想・評価)
最後に温かい気持ちになれる映画
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藤井道人監督、キャストが、長澤まさみ、坂口健太郎、リリー・フランキー、横浜流星、寺島しのぶ、森七菜といった、わくわくするような布陣の映画で、東日本大震災と思われる震災の後の街を舞台にしています。
とてつもなく会いたい人やこの世にやり残したことがある人たちが、死後にまっすぐその先の世界に行けないで、その途中の世界にとどまり、新月の夜に皆で会いたい人を探すために一緒に歩くということが、『パレード』という題名になっています。
先の世界に行けない人が集まっている世界というのは、わりとありがちな発想かと思いますが、その人たちのコミュニティでの、仲間としての心の交流を描いているのは新鮮に思いました。
ただ、生きている人たちとのコンタクトがとれないにもかかわらず、その世界の物質的なものにはアクセスできるのはなぜか、長澤まさみ演じる美奈子が、生きている息子の良(りょう)とコンタクトがとれるのはどうして、など論理的に考えるといろいろ疑問がわいてきます。
とはいえ、最後の5分間でそのようなもやもやが全部吹っ飛ぶ結末が待っていて、見終えたときには、温かい気持ちの余韻に浸っていました。
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