「命が終わったその先の世界(そのまた先の世界)」パレード もいさんの映画レビュー(感想・評価)
命が終わったその先の世界(そのまた先の世界)
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人は死んだらどこへ行くのだろう。死んだ後の世界ってどんなだろう。こればっかりは誰にもわからない。死後の世界とは到底思えないような、今の時間の延長線上のような日常がこの作品では描かれている。
月に一度の新月の夜に、現世に思い残しをした故人たちが行うパレード。会いたい「その人」に無事に会えて思いを伝えると、故人のたまり場からは卒業し、そのまた先の世界へと旅立ってゆく。
思い残しがないまま一生を終える人などいるのだろうか。きっとそんな人はいないと思う。でも、死後の世界でもあんな風に新しい出逢いがあって、現世の人にゆっくりと想いを巡らせる時間が流れているのなら、死後の世界も悪くない。(あのグランピングみたいな雰囲気で、ゆっくりコーヒーやお酒を飲むもの居心地が良さそうだ。笑)思い残しを果たしたあと、そこを去らなければいけないことに何だかモヤモヤとした寂しさを感じた。あの世にも別れがあるのか、と。
ラストシーンが印象的な作品はたくさんあるけれど、本作品はオープニングも非常に印象深い。怪物のような暗い海。その海が、物語後半になると煌めきを帯びて映し出される。命の終わりと始まりと再会と再生を表しているようだった。
生きてたらいいこともあるよね。最後のナナちゃんを見てそう思った。
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