マリウポリの20日間のレビュー・感想・評価
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こんなに、早く終わってほしかった作品はない
マリウポリで戦争が始まっちゃって、帰るに帰れないAPの記者さんの記録。
基本的には時系列で素材を繋いであるだけの様に見えます。
ロシアの攻撃が始まってから、何日目か表示されるのですが、タイトル通りなら20日で終わると分かっていても、すごく遠くに感じられます。無事に脱出できたであろうと想像しますが、悲劇で終わる可能性だってあるし。
仕事柄、グロい映像は慣れていますが、普通がゴロゴロ死体になって行くのは辛いです。現在でもウクライナでは続いているし、パレスチナでもそう。もしかしたら、報道されていない別の地域でも。
映画を観ている間中、どうしたら、こんな目に合わないだろうとずっと考えました。
アニメ『アルドノア・ゼロ』のイナホの言葉:
「どうしても手にいれたい領土、資源、利権、思想や宗教やプライド、それらの目的をめぐって戦争は起こる。だからその目的が果たされれば、戦争は終わる。または、利益に見合わない数の人が死ねば戦争は終わる。」
スレインの言葉:
「戦争が起こるのは、戦う相手がいるからなんです。戦争を完全になくすには、侵略して一つになるか、相手を亡ぼして一方が残るしかないんです。」
予想できる程度の、軍備増強では戦争の抑止にはなりません。
幼年期の終わりのオーバーロードのごとく、圧倒的な差がないと。核兵器なんて関係ない。
一旦、戦争が始まれば、民間人がどんどん死んでいくわけで、それは避けられません。
僕らにできることは、起こった戦争の責任し続け、責任者を許さないことしかないと思いました。これは、自国も他国も同じです。戦勝国は戦争犯罪で罰せられたことはありません。ヒトラーやムッソリーニだけでなく、トルーマンやあの人たちも永久に非難され続けるべきです。
(鑑賞中の思ったことを書いただけで、政治的な議論をしたいわけではありません。それぞれが、自由に感想を持てば良いです。)
遥かに想像を超えた惨状から受け止めるべき事
映画仲間からの「強烈」「見るべき映画」とのコメントにインスパイアされ、終わる前に確実に見なければ…との思いで見て来ました。
ニュースや報道の特集番組である程度見て来たつもりでしたが、マリウポリの惨状がここまでとは思っていませんでした。また、こんなに死体や人間の傷ついた身体が多く、生々しく出てくるドキュメンタリーはおそらく初めてでした。
たった20日間でマリウポリの街がほぼ壊滅状態になる過程は「残酷極まりないもの」ですが、事実として見ておく必要は絶対的にあると思います。
その理由は、以下に記すような、平和ボケにならないよう己れの意識を持つことができるようになると思うからです。
この作品を見ることで、
(1)今ガザで起きていることへの想像力も働くと思います。
(2)今のところ平和な日本で暮らせることへの感謝が強く心に湧くと思います。
(3)その日本の平和も、戦争が始まれば、どこかの都市でマリウポリと同じような惨劇が一瞬で起こる可能性がある…という恐れを感じることもできる思います。
私自身も、今も「ポレポレ東中野」等で上映中の『戦雲』という映画への思いが、このマリウポリのあまりの情況を見ることで再び湧き上がって来ています。
沖縄の先にある宮古島や石垣島では、私たちの知らないうちに着々と軍備が進められているということをこの『戦雲』という映画で知ることになりました。日本も「有事」という大義の下、こんなことが起きています。
この作品に話を戻すと、第96回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したとのことです。
カメラが捉えた紛れもない事実の力(空爆の生々しい爆音や人々の表情や涙も力を増大させる役割を果たしています)、その事実を届けるために命懸けで取材したAP通信のジャーナリストの力を、映画を見てその目で確かめれば、それは当然と感じざるを得ないでしょう。
「戦争が起きたらどうなるのか」。私たち一人ひとりが映画の中からこのことをできるだけ正しく知り、受け止めることからでしか、人間の愚かな性(さが)を止めることはできないし、平和を維持することもできないと思います。
普通の暮らしがいかに偉大なことか
きつかった…。理不尽に普通の暮らしを奪われた人の声を聞いて、何度も泣きそうになりました。悲惨な映像の数々だが、これがウクライナ、マリウポリで起こっていた現実。それを伝えた記者の使命感に頭が下がります。
自分の普通の暮らしがいかに偉大なことなのか、それを奪われないようにしないといけないなと思いました。
戦争は爆発でなく静寂から始まる
絶対ここにはいたくないというのが素直な気持ち。本作中の爆発や光線、銃撃音にひとつでも触れれば死んでしまうわけで、作り物ではない緊張感がひたすら続く。「戦争始まっちゃった」と不安げに呟く子ども。必死に救命措置を施すも動かなくなる市民。わが子を失い号泣する親たち。生ゴミのように共同墓穴に投下される大量の遺体。95分間の映像はきわめて扇情的だが、これが現実とは…。産声を上げない新生児を叩いて起こすところは唯一ほっとする場面だったけど、その後、あの赤ん坊や母親はどうなったのだろうか。
病院の医師がこの惨劇を伝えてくれと積極的に撮影を許可するのは、彼の国ではプレスが信頼されているということなのだろう。ロシアの侵攻から2年余り、わが国での報道は縮小し、関心も薄れていたというのが正直なところ(自分自身、都市名はずっとマウリポリだと思っていた。すんません)。勝とうが負けようが街が破壊され人が死ぬことに変わりがない以上、戦争を起こさないためには、この悲惨な映像は脳裏に叩き込んでおく必要があるのだろう。
T72の砲塔がこっち向くシーンがマジビビる。
ウクライナ人のAP通信記者がマリウポリで経験した20日のドキュメント。
病院に避難してるから当然だが辛い映像多い。
以前見た中東ガザのドキュメントも病院はそうだったがストレッチャーと床がじゃぶじゃぶ血液まみれだ。
映画途中退出者もかなり多い。
本社に記事を送るため、街に一箇所だけ何故かネットが繋がる場所まで危険を犯して移動する。
命がけでマリウポリから送信した映像がフェイクだとネット上で炎上するのが辛い。
だから病院の皆んなもこれが真実であることを世界に伝えるため彼にマリウポリから脱出することを勧めたんだな、切ないわ。
フェイク告発した投稿私も当時Xで見たが「えっ!?」って思うくらいちゃんとしてた。PCやスマホで簡単にフェイクが作れる現代は何が本当なのかわからない。
この映画自体フェイクだなんて言い出す人も居るんだろうな、、本当に怖い。
戦争の現実に言葉を失う。
住宅街や、ましてや病院を、軍隊が攻撃する現実が受け入れられなかった。
インフラを止められ、必要な物資が底を尽きかけていても、必死に患者を診る医療関係者の皆さんには、頭が下がる。
私には、戦時下の病院にとどまって務めを果たす彼らが神の化身に見えました。
このドキュメンタリーを命がけで撮影したクルーの皆さんに、感謝です。
こんな克明な戦争の記録を私は観たことがありません。
子どもを持つ母親としては、妊婦さんや小さいお子さんの亡くなられた姿は、本当に見るに堪えなかったです。
ジャイアンみたいな国が増えてきた昨今、いかにジャイアンに殴られないように立ち回るかが重要になってきます。
力ではかなわないなら、どんな方法があるか、必死に考えないといけません。
でなければ、国は荒らされ、国民は蹂躙されます。
こんな世界情勢なのに、日本の政治状況のトホホなことよ。
国会議員の年収を500万オンリーにして、ホントに政治をしたい若者たちに政治家になって欲しいよ。
余命が尽きそうなじいさんたちなんて、本気で今後の日本の未来を考えないもの。
自民党の皆さんに、金脈を自ら手離す矜持を見せて欲しいものです。
業火
元自衛官であるし、現在でも気持ちの部分ではそうある人間として対面したが、こちらの思惑なんか吹き飛ばす現実がそこにあった。言葉ではなんとでも言えるが、ただただ酷い。これが戦争なんだ。善悪も人道もない、無慈悲な暴力。身内に襲われた様なショックに苛まれた商店の女性。侵略側が糾弾されるべきは当然だが、彼女の一件を見ていると「それだけではないなにか」が腹の中をグルグルする。ウクライナ政府はここに至るまでにもっと真剣に向き合うべきだったろう。汚職の巣窟なんて呼ばれている間に隙を作った事は否めない。"国"とは戦争をしないさせない為にこそ機能するべきなのだろう。考え続ける為の大事な一本。
「ピュリツァー賞に近い」
今年78本目。
今年のピュリツァー賞は5才のめいの遺体を抱えるパレスチナ女性を撮った記者におくられて、今作もそれに近いのですがそれより映像を撮った方がウクライナ人で、絶対に世界に現状を知って欲しい覚悟。この映像見ると自分がその日やる行動は本当に正しいのか考えさせられます。
戦争は爆発ではなく静寂から始まる
マリウポリの20日間
神戸市内にある映画館シネ・リーブル神戸にて鑑賞 2024年5月7日(火)
パンフレット入手
2022年2月 ロシアがウクライナ東部都市マリウポリへ侵攻開始。
戦火に晒された人々の惨状をAP通信取材班が命がけで撮影を敢行し、
決死の脱出劇の末、世界へ発信された奇跡の映像記録
命がけで記録し続けたウクライナ人ジャーナリストたちがいた。国際紛争の取材を10年近く経験したAP通信記者、ミスティスラフ・チェルノフと、その取材チームである。
ロシア軍の容赦ない攻撃による断水、食料供給や通信の遮断・・・瞬く間にマリウポリは孤立し、海外メディアも次々と脱出していく中、彼らはマリウポリ市内に残る唯一のジャーナリストとして、死にゆく子供たちや山積する民間人の遺体、産科病院への爆撃などを克明に記録し続けた。
滅びゆくマリウポリと戦争の惨状を全世界に伝えるため、取材班は辛い気持ちを抱きながらも、市民を残し、ウクライナ軍の援護によって脱出を試みる・・・
監督・脚本・制作・撮影 ミスティスラフ・チェルノフ
AP通信(Associated Press)
ニューヨークに本部を置くアメリカの非営利通信社。1846年に設立され、法人格を持たない協同組合として運営されている。世界人口の半数以上が、日々AP通信の報道に接している
STATEMENT(声明文)
「映画コム」に全文記載されています。
感想
壮絶で悲惨なドキュメンタリー。
「悲惨」という表現を超えた凄まじさを感じた。産科が攻撃されたシーンは特に衝撃的。
そして勇気あるジャーナリストがいたことに感謝したい。
思わず泣いてしまい、カバンからミニタオルを取り出して顔の涙を拭い、映画館の中だから、声を出すまいとこらえるのが精いっぱいでした。
伝えなければならないこと。
このフィルムに収められたマリウポリの人たちの何人が今生き残っているのだろう。
奇しくも鑑賞した5月8日、プーチンの大統領就任のニュースが報じられていた。
変えることはできないかもしれない。
それでも伝えなければならないことがある。
今もまだ続く戦争の現実
普通の建物や民家があっという間に廃墟になり、次々に運ばれてくる怪我人が遺体になる。
開始15分ほどで観客の啜り泣く声が聞こえてくる。それすらだんだん途切れてくる。涙も枯れ果てた頃、観客全員が無言で出てくる。
初日に鑑賞。ドキュメンタリーにしては大きい劇場で観客も大勢入っていたことが救いか。日本も対岸の火事ではない。戦争が始まったら日常が破壊されるのはあっという間だ。マリウポリの人々もまさかこれほどの惨状になるなんて思ってもみなかっただろう。太平洋戦争前の日本がそうであったように。
この映画を撮影していた監督が脱出してすぐマリウポリは占領され、今は実質ロシア領になってしまった。ロシア人になりたくないと泣いていた市民の声を思い出す。ウクライナからの難民は200万人以上。まだ戦争の終わりは見えない。
これが昔の話ではなく、今もなお続いている戦争であることがショックだ...
これが昔の話ではなく、今もなお続いている戦争であることがショックだし、日本で暮らしている自分とあまりにも違う環境であることに、気持ちが揺さぶられる。現実を伝え続けるジャーナリストの魂がこもった作品。
これは皆が観るべき映画です。真実の命懸けの取材映像!心して見て下さい。
とても辛い映像ですが、全ての国の人が目を背けず観るべき映画だと思いました。
AP通信のウクライナ人記者チェルノフはロシアによる自国への軍事侵攻を知りって仲間とマリウポリに向かう。他の海外メディアは次々脱出していったがこの状況を世界が知るべき、そして後世に残すべきと、映像を取り続けた。爆弾が破裂する中での命懸けの取材である。各国がこのニュース映像を使用して配信した。
徐々に包囲されてゆく街、物流も通信も遮断される中で逃げ場を失う市民の焦燥、重傷を負った人々が次々と運び込まれてくる病院の惨状の克明な記録である。心して見よう。
フェイク画像の時代に投げかける報道の意味と意義
想像💭を絶するとはこういう事を指す言葉☝️
観るまでの作品への予測では戦場カメラマンが撮った惨状の記録映像が終始するのだろうと今まで見たことのある類の戦場ドキュメンタリー作品を覚悟して映画館へ
世界中に衝撃を与えた民間人と病院への攻撃の報道をプーチン政権の閣僚達は異口同音にそうした不都合な映像が出るたび、役者を仕立てた西側のフェイク動画だと噴飯ものの抗弁するものの茶の間のTVの前の自分には真相の確かめようもなくすっかりモヤモヤ😶🌫️してしまっていた
圧倒的な勢力で侵攻するロシア軍に包囲され陥落寸前の要衝マリウポリから海外メディア関係者は命からがら1人も残らず脱出するなか、現地人協力者と共に世界でたった独りの居残り取材を決めたAP通信社所属のウクライナ人ジャーナリストのカメラが惨状を写してゆく
爆撃に晒される病院で働く医師に「この惨劇を世界に伝えてくれ」と懇願され、次々と残酷な負傷に苦しみ死んでゆく民間人や埋葬のスクープ映像を捉えてゆく
戦況はますます悪化して通信での映像や記事の電送があっという間に途絶した後、先の国際報道をフェイク画像とするロシア側のふざけた主張を覆すため、撮り溜めた映像を100キロに及ぶロシア軍支配地域を隠し持って届ける以外に道はなく、途中捕まってしまえば事実と共に闇に葬られるのは必定、逆に脅されてプロパガンダに利用される懸念も伝えられる
AIまで活用するフェイク動画が氾濫する時代に投げかける報道の意味と意義を問う本作
自分の目で確かめてもらう以外ない😑
一人でも多くの人に観てもらいたいと
今も震えながら思います
涙が止まらない1時間50分
高校生の時、ずっと外国暮らしで高校から日本で暮らし始めた友人がヒロシマの原爆映像を見せられる8月の定番学校行事を経験したんですけど、「何であんな酷いものを見せられるのか意味が分からない、二度と見たくない」と言っていたんですよ。
友人は悪い人間じゃないですが、思い返すととんでもねえひでえ感想ですね。
当時は「その気持ちも分かる~」程度でしたが、対岸の火事だと思ってる第三国の人間こそが、その被害をしっかり見るべきだと思いました。
50年後の教科書にはこの戦争も一行で書かれて終わりですよ。
外国の教科書にだってヒロシマとナガサキは一行なんでしょうよ。下手したら書かれていませんよ。
ビヨンドユートピア(脱北ドキュメンタリー)と並べて義務教育課程に入れるべき貴重な映像作品です。
この二時間を24時間365日ウクライナの人が体験していることを皆が知らなければならない。
そして全員で夜神月になろう。
純粋に疑問なんですけど、あんなに街の機能破壊して国民意識悪化させてから侵略するの何の意味があるの?
プーチンとゼレンスキーで殴り合いして勝った方が元気いっぱいのままの街そのまま貰うってした方が損害も恩恵も多くない?
やっぱり偉い人の考えることって分かんない。
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