アメリカン・フィクションのレビュー・感想・評価

全51件中、1~20件目を表示

4.0型や常識を突き崩し、自問自答しながら歩んでいくために

2024年5月31日
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鑑賞方法:VOD

ジェフリー・ライトといえば、007シリーズやウェス・アンダーソン作品でもお馴染みだが、これほどどっぷりと彼の魅力に浸れる機会が巡ってこようとは予想してなかった。まず本作はストーリーがめちゃくちゃ面白い。小説や映画のテーマとして多様性やマイノリティの権利に主眼が置かれることは多くとも、それが単に流行や商業主義に乗っかってるだけではないのかという思いは常に作り手の頭を悩ますところ。人々が何も考えずにステレオタイプでその題材やテーマを振りかざし始める違和感を、この映画は決して目くじら立てることなく、穏やかな自省と皮肉を込めたコメディ風の社会派ドラマとして絶妙な筆致でまとめている。同時にこれは、とあるアフリカンアメリカン家族の肖像であり、家族同士であっても理解し合うのに何十年もの歳月を要しながら生きる彼らの、型にはまらず、手探りし続ける人間模様だ。呼吸するようにセリフや映像を彩る音楽も素晴らしい。

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牛津厚信

3.5人生の後半戦の世知辛さと寒々さが沁みる。

2024年3月31日
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コンセプトはとても興味深いのだが、「黒人のステレオタイプ」にとらわれている人たちを皮肉るブラックコメディであるにも関わらず、ひとつひとつの状況がベタで平易すぎるように思えて、結局はステレオタイプの枠内から抜け出せない狭苦しさみたいなものも感じてしまった。例えば似たケースの実話としてのJ・T・リロイ騒動なんかはより複雑でより滑稽だったりするので、フィクションとしてはいささか物足りない。しかし進んでいるようで進んでいないアメリカの黒人の現状を伝えるためには、これくらい単純でわかりやすく描くべきなのかも知れない。その辺の肌感覚は、知識の乏しさや現地の空気感がわかっていないため、どこまで理解できているのか自信がない部分ではある。一方で、介護が身近な中年以上の家族ドラマパートはかなり切実な現実であり、人生の後半戦の寒々しさを描いたドラマとして身につまされるし、沁みる。

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村山章

3.5「黒人さんごめんなさい」を連発してくる白人は、もううんざり。

2025年4月20日
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笑える

知的

斬新

テレビデビュー当時、「じゃないほう芸人」のオードリー若林が、
濃すぎるキャラクターだった相方の春日に対して、自分のキャラの弱さを
「人見知り芸人」や「小物MC芸人」としてカバーし立ち向かい、悪戦苦闘していたわけだが、
仕事をこなすにつれて、
肝心の「人見知り」が治ってしまった、というエピソードがある。

それは人間関係的とても良い克服なのだけど、周囲の人間は未だに、
「人見知り」の若林として接し扱うし、「人見知り」の代表格として浸透しすぎた為、
本来の自分を出すことができず、自分ってどういう人間だったっけと、
なんだか、よくわからなくなってしまったそうだ。

一度定着してしまった「先入観」や「固定観念」を、覆すことは意外と困難だ。
これは、キャラクターのお話だけれども、
この作品は、人種、とりわけアメリカ合衆国内における「黒人」という属性に対する、
一般的な「ステレオタイプ」のイメージに、悩み苦しむ、黒人作家の物語。

「俺は黒人をステレオタイプにはめ込んだチンケな物語は書かねえぜ」とハスってる黒人作家が、
あまりに自分の文学作品が売れない為に、やけくそで、偽名でステレオタイプな黒人文学を書いたら、
皮肉なことに大ヒットしてしまう、という皮肉に富んだお話。

設定が極めて面白い。

「黒人らしさ」を求めているのは、実は白人側のほうで、
人種差別への罪の意識に、日頃から苛まれている白人が、
贖罪意識の成れの果てとして、差別に苦しむ黒人を描いた、本だの映画だのを作っている事への、
社会風刺になっている。

実際、映画を観てると、やたらと黒人がどうだのこうだのという作品ばかりで、
日本人として、うんざりする時がたまにある。
もうお腹いっぱいだよ!と叫びたくなる。だから洋画って嫌なんだよって思う時がある。
黒人を差別する白人も悪いと思うが、
「黒人さんごめんなさい」を連発してくる白人にも、うんざりするのだ。
結果、洋画を観てると白人が心底嫌いになる。

「ごめんねごめんね~」はU字工事の専売特許なんだよ!!!
(=゚ω゚)ノ

そういえば、U字工事も栃木やら北関東へのライバル心やら、
お国自慢という名の「地域差別」の漫才ネタをやってる芸人であることに、たった今気づいた次第。
あら不思議。繋がってるんだなぁ~。

黒人差別がテーマの映画ばかりでうんざりする人でも、
この作品だけは、別扱いで好きになれるんじゃないだろうか。

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ソビエト蓮舫

3.0白人「もっと黒人の声に耳を傾けるべきだ」

2025年3月8日
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と言いながら目の前の黒人の意見に耳を傾けない白人という皮肉。

本編は主に黒人に対するステレオタイプについて描かれるが、実際海外で暮らした外国人からすると、アジア人に対してもステレオタイプの偏見がある。「ティファニーで朝食を」で描かれる日本人なんてめがね出っ歯でひどい扱いだ

それにしても主人公といいゲイの弟といい、男って介護問題から逃げてばっかだね。妹に任せっきりで妹が死んだらやっと介護に本腰入れるあたり。夫もずっと不倫して多様だしお母さんも報われないわ。

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Jax

4.0めちゃくちゃ面白い!

2025年2月24日
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知的

笑いの取り方がすごく上品でセンスがいい
ジャズ調のスコアもすごく耳心地いいし、映像も綺麗

欠点なし!

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Alejandro Gillick

3.5FUCK

2025年2月23日
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ノンフィクションの世界ではつい口にしたくなるような事が続くが、
駄作にしようとする試みが全て裏を行く面白さ。
売れるバカ小説(映画)と文学的な売れない小説。
皮肉たっぷり。

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上みちる

3.0壁と壁で部屋になる

2025年2月22日
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2時間弱、だいたい同じ温度、ノリで進むのに不思議と飽きない。大きな感動はないけどうっすら面白い。多くの映画はエモを刺激するけど、これは頭を刺激する映画なのかも。

なんの話かって結局、人と人の間にある壁についての話だったのかな。白人と黒人だけじゃなく、親子とか夫婦、兄弟姉妹とか恋人、純文学と通俗小説、出自や家庭環境、経済的格差、性的嗜好、そしてフィクションと現実。それぞれ壁の向こうに追いやられてしまった側の苦しさもある一方で、突き詰めれば壁の最小単位は人と人との間にあるもの。壁は個室を作り、小説みたいにその人の視点でしか語りえないものの源泉にもなる。

今なお黒人と白人の間にある壁を強烈に皮肉っておきながら、エンディングはそれを前向きに捉えてもいるような明るさもあったのがよかった。

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ipxqi

3.0その色は嫌いなの

2025年2月22日
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流れる音楽が良かった。ストーリーがどうという事は置いといて

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GAB I

3.5ジョークが面白い。

2025年2月10日
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悲しい

予想より、世知辛い話で、割と暗めのストーリーだった。ところどころジョークが面白くて良かった。

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たくわん

4.0求められるもの

2025年1月29日
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鑑賞方法:VOD

コメディ具合がちょうど良くて見やすかったです。

求められるもの・役割を積極的に提供する人もいれば、それに異を唱える人もいる。
作中ではちょっと極端だったかもしれないけれど、世の中って大抵そんなものなのではと思いました。
そしてラストは、え!ここで終わり...??となる。
もう言いたいこと言ったから終了!みたいな感じで潔くて面白かったです笑

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ぞの

4.5フィクションで包んで

2025年1月28日
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鑑賞方法:VOD

けっきょくのところ、人と人は分かり合えないのだ。
自我が強ければ強いほど発生するヤマアラシのジレンマみたいなもんで
そのさみしさを紛らわすために他者にレッテルを貼ったり
自分を過大評価してみたり、あるいは自己演出してみたり。
フィクションで包んで笑い話にしてしまえばいいっていう着地はお見事だった。

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mar

5.0それでもバカじゃないって信じたい

2024年12月30日
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鑑賞方法:VOD

どんなにバカだバカだと言ってはいても、心の底では「そんなにバカじゃないだろう」と信じたいものである。
そんな期待を踏みにじってくれて、しかも面白いのが「アメリカン・フィクション」だ。全編「そんなバカな」という笑いを禁じ得ない皮肉なやり取りの応酬で、クスリ、どころか爆笑してしまうことさえある。

「アメリカン・フィクション」で描かれるのは行き過ぎたコンプライアンス意識と、上っ面の多様性容認と、結局上から目線を脱却出来ない「隠れた差別」である。
主人公のモンクは彼の担当編集と評価されない自分を嘆き、半分ヤケっぱち・半分冗談で実在しない作家を騙り、適当なザ・黒人文学を書き上げるのだが、これが何と売れてしまうのだ。
「売れたの?!」というモンクの表情が面白く、一応彼は彼なりに(インテリ故に世間や出版社を小馬鹿にしてはいるものの)「みんなそんなにバカじゃないだろ」と、どこかで信じていたのである。
モンクの立場にしてみれば、この映画は常に彼を裏切り続ける展開だらけだ。

自覚的に「可哀想な黒人」の小説を書いてベストセラーになったシンタラと、結局同じ土俵に乗ってしまったモンク、という構図も面白いし、思惑の違いがあれどステレオタイプ黒人文学を書いた2人ともが揃って非実在作家・リーの作品は「ステレオタイプ過ぎて新鮮味がなく、文学的な価値を感じない。賞に値しない」と主張しているのが良い。
更にそれを他の選考委員(白人)が「少数派・黒人の意見を世に出すべきだ」として多数決によって賞に推してしまうところなんてブラック・ジョークの極み。
なんかそれっぽいことを言いながら、正反対の行動に出るこのシーンは滑稽を通り過ぎてもはや悲劇。

笑いながらもふと思うのだ。自分だって、目の前の誰かをその所属するところによって決めつけているところが無いか?と。
日本で言えば「これだから“ゆとり”は!」、が想像しやすいかもしれない。短所は「ゆとりのせい」長所は「ゆとりなのにね」と言われる側はたまったものじゃないだろうな、と思う。

「ゆとりですがなにか?」や「翔んで埼玉」などもある意味「アメリカン・フィクション」的なステレオタイプ・コメディだなぁ、と思ったが、日本の2作品は感情に訴えて笑わせたりホロリとさせたりする「観客に優しいコメディ」なのに対し、「アメリカン・フィクション」の笑いは笑いの中に鋭いナイフが仕込まれた「観客に厳しいコメディ」だ。
一見ゆとりなのか埼玉なのか分からない日本と、一見して黒人だと分かるアメリカの違いもそれには関係しているのかもしれない。

ともかく、アメリカ国民当事者的には、意識が高ければ高いほどグサリと突き刺さるであろう皮肉の効いた面白さは今年観た中でも最高だった。
私にとっては違う国を舞台にしたドタバタを安心して観ていられる気持ちもあったのだが、ふと思い出した。少し感染症が流行ったくらいでトイレットペーパーが無くなるようなバカな国民じゃないだろ、と信じていたのに裏切られた日のことを。
やはり、対岸の火事などという悠長な気持ちで観ていてはいけない作品だな、とレビューを書いていてちょっと真顔になった。

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つとみ

4.0ビジネスとファミリー

2024年9月3日
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黒人作家のビジネスサイドと彼の家族を描くファミリーサイドが交互に展開します。
ビジネスサイドは作家たちも編集人も映画関係者もみんな自分が一番イケていると思い込んでいて周囲の人をニコニコしながらバカにしているトーンで軽妙に演出されています。
一方ファミリーサイドは結構まともにゲイや介護問題の「少しだけ」もめるサマが深刻ぶらずに描かれます。
要するにコメディとして軽くスラスラと話は進むワケですが、セリフには関係者でなくてもドキッとさせられる毒が含まれて、さすがオスカー脚本賞だけのことはあります。

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越後屋

5.0絶対に4文字言わない人が4文字を言う時

2024年8月8日
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鑑賞方法:VOD

笑える

知的

話し方、語彙、言い回し、振る舞い、装い、髪型、アクセサリー、どんな家でどんなインテリア、食事場面、何を食べ何を飲むか、主人公含めて親きょうだいの職業、恋愛・・・。
細部が好きで気になる人はとっても楽しめると思います。まさに「アメリカン・フィクション」で誰かにとっての免罪符で、出版業界の現実。おすすめの映画です⭐️「ジャパニーズ・フィクション」、勇気と知性と笑える皮肉で日本でも作って欲しい❗️

おまけ
前情報ゼロで機内でたまたま見た映画です。皆さんのレビューで、オスカーその他で評価されたのに映画館上映されなかったことを知りました。こんなに面白い映画なのになぜ?!と思いました。

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talisman

3.5コメディだと思ってみていたけれど

2024年8月4日
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鑑賞方法:VOD

前から興味のあった作品。コメディの分類だったので、笑えるんかなと思って観ていたけれど、笑うというより考えさせられる面が多かった。

親の介護とか、家族の関係、金銭問題、仕事…色々うまくいっておらず主人公を取り巻く環境は苦しい。やけくそで書いた世間が考える黒人ならではの作品が民衆には受け、その事実もまた主人公に重くのしかかる…。社会へのアンチテーゼのはずやったのにね。白人たちは、苦労する黒人の話を知ることと、黒人たちの作品を受け入れること(フリっていうのかな?)で自分たちの罪悪感を少しでも軽くしようとしてるんかな?黒人側からみればそういう話なんやろうなあ。タイトルをフ○ックにするというくだりも虚しい気持ちになる主人公には共感。呆れるよね。

白人、黒人昔からそこに隔たる壁は非常に高くお互いわかり合おう、やはりわかりあえないの繰り返しなんやろうな。人種問題ってほんまに難しいね。自由の国やからこそ、その自由を守るための制約が多いのがアメリカという国なんやろうな。

物語的には軽いタッチで描かれてはいるので、観やすい映画やったけど、なんとも言えないモヤモヤが残る映画やった。日本人にはちょっと受けにくい作品なのかも。

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める

3.5Prime Videoで鑑賞したが字幕が度々文字化け

2024年7月18日
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鑑賞方法:VOD

今現在らしいテーマのドラマだと思った。そして地味だけど重たい出来事や、理解しがたい価値観が微妙に交差する面白い脚本だとも思う。
しかし映画製作は2023年でもパーシバル・エヴェレットの原作小説『Erasure』は2001年の物。「主人公、セロニアス・モンク・エリソンは英文学教授であり小説家でもあるが、行き詰まっている。」と映画と同じ内容で始まり、色々あって創った小説を『マイ・パフォロジー』と名付け、気に入ったエージェントは出版契約を結び、50 万ドルの前払い金をエリソンにもたらした。
その後タイトルを『ファック』に変更。
この作品はすぐにエリソンのベストセラーとなり、映画プロデューサーのオプション契約も獲得したが、、、

パーシバル・エヴェレットはこの小説『Erasure』が文学的な賞賛を受けた後でも映画化の許可に消極的だったらしい。しかし映画監督コード・ジェファーソンが説得力のある理由を提示し、脚本の筋書きとストーリーの変更を提案しエヴェレットは満足して『American Fiction』として映画化となる。だから2023年が舞台でピンとくる内容になっているのだろう。

※エヴェレットは自分自身を「病的な皮肉屋」と表現しているらしい。

※要注意:今現在らしいテーマのドラマだと思った。そして地味だけど重たい出来事や、理解しがたい価値観が微妙に交差する面白い脚本だとも思う。
しかし映画製作は2023年でもパーシバル・エヴェレットの原作小説『Erasure』は2001年の物。「主人公、セロニアス・モンク・エリソンは英文学教授であり小説家でもあるが、行き詰まっている。」と映画と同じ内容で始まり、色々あって創った小説を『マイ・パフォロジー』と名付け、気に入ったエージェントは出版契約を結び、50 万ドルの前払い金をエリソンにもたらした。
その後タイトルを『ファック』に変更。
この作品はすぐにエリソンのベストセラーとなり、映画プロデューサーのオプション契約も獲得したが、、、

パーシバル・エヴェレットはこの小説『Erasure』が文学的な賞賛を受けた後でも映画化の許可に消極的だったらしい。しかし映画監督コード・ジェファーソンが説得力のある理由を提示し、脚本の筋書きとストーリーの変更を提案しエヴェレットは満足して『American Fiction』として映画化となる。だから2023年が舞台でピンとくる内容になっているのだろう。

※エヴェレットは自分自身を「病的な皮肉屋」と表現しているらしい。

※要注意:Prime Videoで鑑賞したが字幕が度々文字化けする。例えば "幸福" だと "幸福? に文字化けする。意味が変わるので戸惑う。"残念だ" "残念だ?

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ナイン・わんわん

3.0このアメリカン感 日本人でも全てを理解できる!?

2024年7月4日
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鑑賞方法:VOD

あまり本作の話題は聞こえてこなかったが、結果的にアカデミー賞5部門ノミネートの快挙ということで鑑賞。
コメディといいつつも思ったよりも重いテーマで、その重いテーマをコメディらしくおもいっきり軽快に描いているあたりが本作を独特な雰囲気に仕上げている印象。
ブラックユーモア満載で結構笑わせてもらえるが、私のようなド日本人では拾いきれないネタもかなりあったのではないかな。
とはいえ、ジェフリー・ライトの演技力は万国共通最高に楽しめるのでは。

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いけい

5.0孤独なのもわかるけど愛されたいよね(笑)

2024年5月23日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

孤独を貫きたいのもわかるけど愛されてるのに気づかないのは損してるよね(笑)俺も愛して愛されたい!と思わせる映画だった(笑)

Amazonやるな(笑)

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おそ松ちん

4.0アメリカのこじれてる感じがわかりました

2024年5月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

何周か回ってこうなってるんだろうねえという感じ。
嘘っぽい感じがあるけど、メタフィクションなんだよね。
こういう時代なんだと理解しました。

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khapphom

5.0そういう人も確かにいるだろうが、もっと他にもあるだろう

2024年5月5日
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鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

知的

侮辱的な表現に頼る“黒人のエンタメ”から利益を得ている世間の風潮にうんざりし、不満を覚えていた小説家が、自分で奇抜な“黒人の本”を書いたことで、自身が軽蔑している偽善の核心に迫ることになる(Amazon Primeより)。

わたしたちは、東北の片田舎から上京したてで高層ビル街で右往左往する若者のことを助けたいし、LGBTQというテーマでパレードに参加して声高に主張する人も、密やかに生活を送りながらも苦しみに苛まれている人もどちらも理解を示したいし、サスティナブルな商品で地元を盛り上げようとしている地方の中小企業のことは応援したい。

一方で、「片田舎から上京してきた若者」「LGBTQの人々」「地元を盛り上げたい地方の中小企業の社長」の、例えばお母さんの介護の問題や、兄弟間のお金の問題などにはあまり関心がない。ちょっと極端な例だが、日本に准えて言うのであれば、本作で扱っているテーマはこれである。

ややわき道に逸れるが、黒人選手が全体の70%以上を占めるアメリカのプロバスケットボールリーグ「NBA」では、スラムに生まれ、毎日食うや食わずの生活だった子どもが、持ち前の身体能力と血反吐を吐くような努力と最高のコーチを得て、100万人にひとりという極めて狭き門のNBA選手になり何億円も稼ぐアメリカンドリームを勝ち得た、というナラティブが大人気だが、2024年の現代において、そういった選手は、いないとは言わないが、かなり稀である。

本作でも、黒人は全員ラップを愛し、父親はだらしなく、経済格差に苦しみながら、ドラッグに溺れ、最後は白人警察官に銃で撃たれるが、人間として最も大切な尊厳は奪われなかった、というナラティブが皆が求めるものとして描かれているが、主人公の黒人小説家モンクは辟易し、「そういう人も確かにいるだろうが、もっと他にもあるだろう」と嘆息を漏らす。かれの実家は全員黒人だが比較的裕福で、兄と妹、亡き父は医者で、本人は文学の博士号を持っている。

本作では、主に白人がこうしたステレオタイプの物語へ理解を示し、「これこそが生の黒人の声なのだ」と捉えることを「免罪符」と皮肉気味に表現している。そうすることによって、自身の人種が歴史的に為してきたことがちょっと赦される気分に浸れるしどこか安心できる一方で、モンクの指摘するように、そんなことだけじゃなくてもっと色んなこと、「別の生の黒人の声」には耳を傾けなくなる。文学賞の審査会に、そんなアイロニーが込められている。いや目の前にいる黒人審査員の意見は?みたいな。

とは言えとは言え、商業的な成功やエンタメ性も大切な要素ですよねはいはいもちろん分かってはおりますよ、という本作の制作者自身もメタ化する結末は、大衆の期待するナラティブにどこまでも抗い続けていて小粋ですらある。

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えすけん