劇場公開日 2024年4月5日

「続編含み」オーメン ザ・ファースト ココヤシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0続編含み

2024年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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興奮

『オーメン』3部作をTV放映で鑑賞していたので、本作を封切日に鑑賞。平日昼上映だったので観客は10名ほど。自分と同じく3部作を鑑賞していたらしい中高年がほとんど。
アメリカの修道院で育てられた「マーガレット」(ネル・タイガー・フリー)は、たびたび幻覚を見ることで周囲から疎まれていた。そんなときイタリアの「ローレンス枢機卿」(ビル・ナイ)に誘われてローマの修道院で修道女見習として働きはじめる。虐待に等しい扱いを受ける孤児「カルリータ」(ニコール・ソラス)を目にして、ショックを受ける。
相部屋の「ルス」(マリア・カバレロ)に修行生活に入る前の最後の羽目外しだと誘われてクラブに遊びにいき、行きずりの「パオロ」(アンドレア・アルカンジェリ)と一夜を共にする。
そんなとき「ブレナン神父」(ラルフ・ネイアソン)に、自分は教会の陰謀を知っている、カルリータはこの世に反キリストを誕生させるための借り腹候補だ、カルリータが6月6日午前6時生まれだと示す証拠が修道院のどこかに隠されているはずだと警告される。
にわかに信じられないマルガリータだが、カルリータの口の中に「666」の印を見つけて疑念を抱く。「シルヴァ修道院長」(ソニア・ブラガ)にカルリータへの虐待を抗議するが、修道院を追放されてしまう。夜の街でパオロと出くわすが、なぜかパオロは恐怖に顔を引きつらせて逃走。追いかけるマルガリータに、自分の頭部を指さして「痣を見つけろ」と教えるが、その直後に車に轢かれて死んでしまう。
ルスの修道女昇任式の最中に、シルヴァの執務室に忍びこんだマルガリータは、隠し部屋を見つける。そこで、長年にわたって修道院内で行われてきた悪魔的所業の数々を示すファイルを発見。それらを持ち出そうとして、監禁されてしまう。
だが、良心派の「ガブリエル神父」(タウフィーク・バルホーム)に救出されて逃亡。ブレナンに匿われたマルガリータやガブリエルは、持ち出したファイルを調べる。借り腹候補は頭に「666」の痣を持つと突き止め、カルリータ以外にも候補者がいることを知る――といったストーリー。
『オーメン』の怖さは、悪魔がその姿をはっきり見せるわけではなく、あくまで自殺や事故を装って邪魔者を消していくところ。監督はそこをリスペクトしているようで、本作でもそのテイストは十分に活かされている。
そもそもなぜ神父や修道女が反キリストの生誕を企むのかという動機については、キリスト教の権威失墜に危機感を抱き、反キリストを出現させて世界を恐怖の巷と化し、もう一度キリスト教にすがろうという気持ちを人々に起こさせようとしているのだと説明されている。これが単純なホラー映画を超えるリアリティを本作に与えている。
結局、「ダミアン」は降臨してしまい、シルヴァはその子をアメリカ大使「ロバート・ソーン」の息子として育てさせようと企むが、このシーンで昔懐かしいグレゴリー・ペックが写真出演している。
ラスト、山荘で隠棲するマルガリータとカルリータとダミアンの双子の女児が描かれるが、この女の子は3部作には登場しなかったはずだ。続編が製作されるとしたら、ダミアンと姉(妹?)の闘争になるんじゃないかな。

ココヤシ