「あなたの推しの子になる」【推しの子】 The Final Act サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたの推しの子になる
お疲れ様です。今年最後のレビューです。
2024年を締めくくる作品は「【推しの子】 The Final Act」でございます。映画上映ギリギリにドラマ最終回を見終わり、感動そのままにスクリーンへ。ドラマが面白すぎたばっかりに、制作発表の時とは一転、期待値はめちゃくちゃに高かったのだけど、もうもう本当に本当にありがとうございますって感じだった。
映画単体としては物足りなさを感じてしまうし、あそこからラストまで駆け込むのはどうしても無理があるように思えたけど、ドラマと総評して、本当によく出来た素晴らしい作品だったと思う。よくやったよ。無謀と言われた実写化。最初から最後までやり遂げた制作陣に大きな拍手を送りたい👏
えぇ、何から話そうか...。
そもそも推しの子は1巻の知識しかない完全なる初心者で、ドラマを見る前はファンでも何でもなかったのに、今となってはすっかり生粋の推しの子推しになっている。ドラマでたまらなく感動してしまったから、愛と思いが強すぎちゃって私情がかなり入っていんだけど、ホント全てが抱きしめたくなるほど愛おしかった。
映画で不足しているところはドラマで結構保管されているし、それでも足りないところは愛で補える。脚本に関してはこれをこうして欲しかった、ああして欲しかった等の希望や願いは結構あったけど、それ以外が良すぎて...もうどうでもよくなるくらいだったんだよ...😭
なんたってキャスティングなんです。
櫻井海音。今回お初にお目にかかりますで、こんだけの豪華キャストの中、唯一知らない人。そんな人がこの作品を支える主人公だなんて心配で仕方なかったんだけど、してやられた。アクたん、カッコイイ。目の演技がとても良かった。死んだ目から生命力溢れる目へ。あの切り替えにはゾッとした。キャラクターが演じる人自身に憑依するということがごく稀にある。まさに彼は、本作でアクアというキャラが憑依していたと思う。
あのちゃん。現在の推し。バラエティでの独特なキャラクターと癖強な歌唱力に惹かれ、最近では「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」で驚きの声優力を披露。もう無敵状態。いまの彼女は誰にも止められない。そして、今回のMEMちょという役。YouTuber。あのちゃんに近いようでかけ離れた人物像。それなのに、アイドル時代の底力をとことん見せてくれ、あのちゃんの魅力を引き出しながら、完璧にMEMちょになっていた。原作ではどんな人物かわからないけど、ただならぬオーラを感じた。すごい。すごいぞ。
齊藤なぎさ。彼女の映画は必ず当たるという、ものすんごいジンクスを持った今をときめく新スター。この人も結構変わった声色をしているけど、持ち前のくりくりお目目で見ている人の心をすっかり奪ってしまう。
今回もとんでもなかった。天真爛漫で底抜けの明るさを持ちながら、母の思いを背負ったルビーというキャラクターを熱演。この人も元アイドルだけど、やっぱりすごかった。天性のものだと感じる、多彩な表現力。複雑な心情の変化もお見事。ドラマ最終回からこの映画にかけての演技力の爆発が半端なかった。あぁ、嘘だとしてもその笑顔は好きになるわ。完全無敵のアイドル。彼女のためにある言葉だろう。
そして原菜乃華。言わずと知れた令和を代表する若手女優。子役時代は活躍し、そして幼い頃はアイドルを目指していたという。こんな適役が他に誰がいるのか。アイドル2人に挟まれながら、センターを飾るその姿は本当に可愛くて、カッコよくて、彼女こそ真のアイドルだと思えた。有馬かなというキャラクターがとにかく魅力的。そして、そんな有馬かなを演じる原菜乃華が最高に美しかった。ツンデレながらに努力家。これまでの原菜乃華のイメージとは180度違うはずなのに、本当に本当に素晴らしかった。今日からあなたの推しになる。一生推してみせる。
原作がどんな風に展開していき、なぜ批判されているのかは読んでないから全然わからないんだけど、レビューやら記事やら色々見てみると、この実写化はやはり、かなりの良改変らしい。登場人物を絞って主要メンバーにしっかりスポットを当てたり、実写にしても違和感ないようにツッコミどころや粗を大幅に削ったりと、脚本の質はあまりに高い。
なんといったって、原作ではラブストーリーがかなり大々的に繰り広げられるらしいが、この作品では恋愛リアリティショーのくだり、そして有馬かなの片思いとそのくらいで、恋愛要素はほとんどない。そこら辺の取捨選択がパーフェクトと言っていいほどで、思い返すと本当によく出来た脚本だなと感心する。
映画単体としては物足りないと言ったけど、ドラマを見た上でこの映画を客観視すると、これまたすごく秀逸な作りになっていることに気づく。ドラマはアクアの物語だったのに対し、映画はルビーの物語となっている。なぜこの世にもう一度生まれ変わる必要があったのか。そして、生まれ変わった先はなぜ推しのアイドルの元だったのか。
ルビーがアイドルを目指す理由。そして、母を演じた理由。ドラマで現代パートを進め、映画で1巻冒頭の内容、子ども時代の内容を踏んだ上でもう一度現代パートという構成にしたことで、この「推しの子」という作品が言いたかったことがすごく重くのしかかり、とんでもなく深い物語になっている。ラストの言葉の一つ一つが鋭く、胸に刺さりまくる。
たくさんの愛と好きをくれたこの作品。ここ数日間に一気に鑑賞して、歴は浅く、漫画ファンよりも全然知識は薄いけど、自分は実写ドラマと実写映画という形でこの作品に出会えてよかった。そして、個性豊かな登場人物を演じてくれた俳優・女優。みんな、引き受けてくれてありがとう。完璧だったよ。最高だったよ。最後のステージは泣きそうだったよ。。。ラストは色々言われるだろうけど、本当に何もかも掴まれてしまった。
嘘は飛びっきりの愛。あぁそうなのかも。アイドルなんて愛したこと無かったけど、彼女たちなら愛したい。ファンになる様を客観視しながら追体験することが出来た。今年最高の締めくくりでした。一生推すぞ!!!
2024年もありがとうございました!
最近はFilmarksメインに活動しているため、映画.comのレビュアーさんのレビューをほとんど読むことが出来ず、共感を返せずにいてすいませんでした。それでも尚、共感とコメントをいただける皆さんに感謝感激です。ありがとうございます、、、!
たくさんの映画に出会えて、本当に幸せな年でした。来年もよろしくお願いします🙏