「根底の澱みを避けた上澄のような爽やか青春劇」数分間のエールを fujikeさんの映画レビュー(感想・評価)
根底の澱みを避けた上澄のような爽やか青春劇
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ものづくりは楽しい。楽しいが故に没頭し、恋のように人を惑わせ、叶えば天国だが気づけば地獄。
今作では応援される側に共感の軸が置かれており、応援する側は芯はあるが未熟で寄り添う性格にデザインされている。
「夢」を為す思いは、ものづくりで食べていくこと、とは劇中で語られていないのに、「子どもにのみ配役を割り当てられた劇中」だからこそ無垢に漠然と、応援されたヒロインは音楽で食べることを夢見る世界線へ戻っていく。
ファンに対して「分かってない」と思わざる得ない気持ちも分かる。
じゃああなたは、原点の感動において「分かっていた」のか?
20分ぐらい重要なシーンをカットして、単発的な商業的成功に向けて調整した映画に見えてしまうのが残念。
この映画に感動した方々が、無垢に漠然と、迷い道を進むことにならないことを願うばかりです。
ちなみに冒頭を過ぎた後の映像表現やテンポなど、気持ちよく鑑賞できるシーンが多いのは良かったです。
最後の内輪ネタMVは賛否両論な気がしますが、ライブシーンを見応えがあり、本質から目を逸らせば気持ち良く観れる映画だと思います。
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