「エレファントマン・トワイライトストーリー編」顔を捨てた男 HGPomeraさんの映画レビュー(感想・評価)
エレファントマン・トワイライトストーリー編
作品の宣伝方法を失敗してしまった作品だと思います。
残念ですが、最近の鑑賞作品で5本の指に入る「眠くなる時間が多い」作品でした。
以下、作品の個人的評価を記したいと思います。
①邦題が誤解や先入観を与えた。
素直に、「ディファレントマン」で良かったと思う。
「捨てた」ことよりも、「違う(ディファレント)」ことがテーマの作風に見えた。
②セバスチャン・スタン製作総指揮の気持ちが注がれ過ぎた作品かも。
映像や物語構成が独特過ぎた。
個人的に、80年代頃のヨーロッパ作品のイメージが全体的に有ったので、この意図的な映像の見せ方はセバスチャン・スタンさんが個人的にやりたかったのではと思ったりした。
お若い俳優さんだが、そのご両親様か祖父母様もしくは恩師からか、影響を受けていたのかなと。
全体的に「エレファントマン」を最大にイメージさせた。
※エレファントマンはもっと古い時代の作品だが、映像具合は70年代~80年代頃のクラシックなイメージでした。
③導入や進行があまりにも滅裂。
不可解過ぎる行動、流れ、感情表現、急展開、登場人物の性格や対応、さらに鑑賞側が絶対求めていない意味のないヌード。
物語の構成も映像の引継ぎも滅裂が目立った。
※逆を言えば、クラシックな作品にはこのような滅裂と思える「画風」は多くあると思う。それがその時代の特徴だったとも思えます。
……つまり、最初の番宣映像や邦題において、その作品の「イメージ」を、もう少し違って(正確に)発信していれば、鑑賞に臨む時の気持ちも違ったと思えるので、最初に感じたのは「日本の配給会社のミス」でした。
テレビドラマですね。まさにトワイライトストーリーや世にも奇妙な物語のような、救えなく意味が分からない、怖い感じのドラマ。
良い点が無いわけではありません。
ダブル主演のアダム・ピアソンさんの好演技と映像の見せ方。
誤解してほしくないんですが、偏見から忖度しているわけではありません。
鑑賞中は、本当の神経線維腫症の方とは知りませんでしたので、鑑賞後に思ったのは演技が普通の健常者と全く同じプロの演技力があったことに称賛を送りたくなりました。
また、見た目の特殊な人物に対する周りの対応の観せ方も、ちょっとだけ驚く程度で普通の健常者同士レベルの感覚で描いておられたので、その自然な映像の見せ方は素敵だなと思いました。
※冒頭の地下鉄でジロジロ見たり嘲笑するような人物は、相手が超絶美形だろうが何だろうが変わらずいやな態度をする人々レベルなので。
時代的なコンプラ問題もあるかもしれませんが、虐待やいじめが表現されていない点も良かったです。
ですが申し訳ないのですが、今の時代に映画館で鑑賞するにはあまりにも全体構成が不可解なので低評価となりました。
