「経営者として見た再起と信頼の再構築」顔を捨てた男 林文臣さんの映画レビュー(感想・評価)
経営者として見た再起と信頼の再構築
『顔を捨てた男(The Man Without a Face)』は、過去の事故によって顔に大きな傷を負い、社会から孤立した男と、落ちこぼれの少年との交流を描いた静かなヒューマンドラマだ。監督・主演を務めたメル・ギブソンの演技と演出には、孤独や再生への強いメッセージが込められている。
経営者としてこの作品を観たときに感じたのは、「一度失った信頼をどう取り戻すか」というテーマの重さだ。主人公のマクラウドは、事故の真相や過去の噂によって偏見にさらされているが、少年との関わりを通じて“信頼”を取り戻していく。その過程は、まさに企業や個人が再起する際の「信頼の再構築」と重なる。
たとえば、私たちが展開を検討しているグローバルワークスという事業においてもそうだ。海外進出や外国人との協業では、過去のやり方が通用しない場面が多い。文化や言語の壁を越えて相手に信頼されるには、「誠実さ」「結果」「継続的な姿勢」が必要になる。マクラウドもまた、少年に対して一切媚びず、まっすぐに向き合うことで信頼を勝ち取っていく。
また、この映画は「ラベルを貼る社会」への警鐘でもある。顔に傷がある、過去に噂があるというだけで排除される理不尽さ。経営の現場でも、経歴や学歴、国籍といった表面的な要素にとらわれすぎて人材を見誤るリスクがある。グローバルワークスのように多様な価値観を持つ人々と協働する事業では、「人の本質を見る力」が問われる。
『顔を捨てた男』は、派手な展開があるわけではないが、一人の男が「過去を受け入れ、未来を築く」プロセスを丁寧に描いている。経営者として、どんな状況でも人の可能性を信じ、再起を支える姿勢を忘れてはならないと強く感じさせられた作品だ。
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