「Sabotage」ラ・コシーナ 厨房 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Sabotage
あらすじを読む感じ厨房地獄映画かな〜と思いワクワクしながら鑑賞。
夢に飢える者たちの人情ドラマと厨房でのカオスな環境と静と動を思う存分楽しめる一本でした。
多くの人種の人々が働くレストラン「ザ・グリル」で800ドルが無くなるといったところから話はスタートし、これがメインになっていくのかなと思いましたが、別にそこは主軸ではなく、群像劇と戦闘のダブルパンチでやってくる怪作です。
間違いなくこの厨房にぶち込まれたら発狂すると思いますし、賃金目当てとはいえここに自ら飛び込むのは勇気がいりすぎます。
1回目の厨房で全員の怒りが爆発していくシーン、これがひたすら長回しで連鎖していく怒り沸き立つ瞬間の連続にやられっぱなしでした。
もう見るからに不真面目なペドロを始め悪ノリしまくったり、指示がうまく伝達していないからか料理の提供が遅れてしまったり、飛び込みで入ってきた新米もワッタワタしたりしてでもう厨房内で罵声が飛び交うとんでもない状況になっていて圧巻でした。
チェリーコークの機械がぶっ壊れて流れっぱなしなのもあって厨房内水浸しですし、やっとこさ出来上がったチキンを提供する流れになったのに他のウェイトレスとぶつかってチキンはコークの中に突入してしまったりともう目も当てられない状況になっていてカオスでした。
2回目の厨房ではペドロが場を支配するかの如く勢いで大暴れしますし、残り物に顔突っ込んで全身で浴びて血まみれになってとかの流れはもう笑うしかないくらいの勢いでした。
そこにストライキも入ってきたり、支配人も咎められたりと職場崩壊が見事なまでに起こったりとで心苦しかったです。
白人であるマックスがしっかり仕事もやっているのに他の不真面目な連中にヤキモキしている様子は分かるわ〜と思いますし、ペドロがクソみたいな絡みをしてくるせいでそりゃ怒るわってくらいブチギレるのは見ていて気持ちよかったです。
ナイフとかで刺すんじゃない?ってくらいの勢いでしたがとどまったのは偉すぎる。
ペドロとジュリアの恋模様も複雑に描かれるのですが、全編通してもペドロの良さが分からないのにジュリアも関係性をなぜ続けていくんだろうと思って観ていましたし、料理に携わる仕事なんだからチョメチョメした直後に料理を直で行くんじゃありませんと何度思ったことか。
この恋模様にも事情ありとはいえ、テンポもあまり良くなかったのでここは少しくどかったかなと思いました。
支配人のセリフも分かりつつも、それだけじゃ納得のいかない従業員たちの気持ちも分かりつつ、でも皆々様仕事に力は入れてなかったよな?という些細な疑問も残ったりとで良い具合にモヤモヤするのもまた面白かったです。
上司と部下が分かり合える環境ってやっぱ希少だし、日本はそこんとこまだ良い方なのかなと考えるきっかけにもなりました。
まぁこの厨房内を見た後だとここでの食事は絶対嫌だなとなります。
調理の様子までは分からないにしても、提供の様子は雑ですし、ペドロ大暴れで料理も皿もぶち壊しまくりなので、もし来店したら間違いなく⭐︎1つけちゃうと思います笑
ラストシーンもそうくるか〜といったまとめ方で、第一印象からはガラッと変わっていくのもこれまた一興でした。
オシャレとカオスが同居している不思議な作品。
評価はキッパリ分かれると思いますが個人的には楽しめたのでオールオッケーです。
鑑賞日 6/17
鑑賞時間 15:45〜18:15
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