「カオスカオスをたのしめるか?」ラ・コシーナ 厨房 alvoさんの映画レビュー(感想・評価)
カオスカオスをたのしめるか?
試写会にて鑑賞。
ボイリングポイントと雰囲気は似てるけど、さらにカオスな厨房と、そこで働く破茶滅茶なアメリカの移民たちのとある一日。
なぜ店として成り立ってるのか不思議なくらい全く秩序のないレストラン。機械が壊れて床は大洪水、キッチンスタッフは女にうつつを抜かしてすぐサボる、同僚に喧嘩売って暴力沙汰になる、なんなら冷蔵庫?の中でいたしてる。面接にきた人を確かめもせず雇い入れる。
それでも大繁盛で大忙しの厨房。流れ作業で料理を運び無表情でハッピーバースデーを歌い、怒られたり勝手にシフト増やされたりしながらもなんとか働くウェイトレス。
アメリカ人に混ざって色々な国の人が働きにきている。彼らはそれぞれ小さな夢があったり、なかったり。多くはメキシコ人でビザ取得をチラつかされてなんとか職にしがみついてる。そんな彼らがなぜ暴れるか理解できないオーナー。でも彼もアクセントからすると元は夢を掴んだ移民なのか?
主人公は滅茶苦茶で、シチュエーションもカオスで、共感できるところが本当にない。笑 唯一、現地の言葉喋れなくてもこんなに自由に振る舞って生きてんだな、自分中心にして生きるってこういうことなのかな。日本人ってやっぱり言語に対して負い目持ちすぎだし真面目すぎよね、ということくらいか。
試写会トークショーでは、全編モノクロだからこそこのカオスぶりでも見れた、という話やカメラの構図が特徴的だったこと。そして店のメニューを作っているシーンはちっとも美味しそうに見えないものの、唯一恋人とホームレスに作っている料理だけはきちんと音も入れて美味しそうに見せていた、という点になるほどね、と思った。
つくづく日本人でよかったわ、というのが感想だろうか。。