箱男のレビュー・感想・評価
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仕上がりは大変「良心的」
まさかの映画化に改めて原作を読みなおし、劇場へ向かった。
半世紀前に書かれたものでもあるし、作り手の解釈を大いに挟むことで「見やすく」してあるのだろうなと思えどほぼ原作通りの展開で、原作が原作だけに大変「良心的」に仕上がっており驚いた。
なかでも五十年前といえばそうで、現代といえばそうも見え、ファンタジー的などこにもない日本といえばそう見える、「いつ」と断定されることのない絶妙の設定に唸らされる。(箱にエコマークやら、パソコン登場やらは今風だが、画面全体はレトロ感がものすごい)ここに具体性が滲むと一気に物語が嘘臭くみえたことだろう。
また「箱」のディテイールがとんでもなく良かった。含む箱男のフィギュアがあったら買いそうだと思ってみたり。
原作を読んだ際、「箱」は一種の仮面、隠れ蓑のように感じたが、劇中では遮蔽し断絶する武装、戦車のように感じられた。
原作で「わたし」は怯え、常に周囲を疑う混沌の中の弱者に見えたが、劇中では己を信じるため常に周囲と戦っている印象が強かった。
共通して、見る者と見られる者の力関係が描かれている。
加えて、映画を通し感じたことは見られる側は見る側によって「物語(人生、役割、生きる意味)」を与えられている。そこから抜け出し見る側へ回ると箱男化するわけだが、誰からも見られることのない箱男へは誰が「物語」を与えるのか。ノートへこだわる意味もそこにあり、最後、投げ捨てた「わたし」はノートが必要だった箱男という中間地点を抜けて、新たな世界へ旅立って行く。この辺はもうSF展開で、そこがムラから都市への逃亡(あらかじめ用意された物語からの脱却)を肯定的にとらえる安部らしくもあり、らしさを本当にうまく映像化していたのではと感じている。
と言うのは、これを書くわたしが与えた物語に過ぎず、見る側、匿名の箱男としてわたしもここに記すというわけである。
と誰かが書いたこれは物語かもしれず、絡みつくそれら支配から逃れ本物の箱男になってみたいような、ちょっと遠慮したいような。やはり「モデルケース」という他者の振る舞いへの意識、見つめられていることで与えられる物語をの上を歩む方が確かだし究極、お気楽。
なにより自分で自分の物語を自分へ供給することができる、と人は信じきれるのだろうか。
そんなことを考えてみた。
(ネット社会と絡めて観るのが定石らしいが)
箱男のアクションは想像の斜め上を行くキレキレ度合いで、完全にツボった。
手足がほぼないのに、なんだあのカッコよさは!
アクション重視の箱男さすらい編、とかあったらみるぞ!
難しい…
現代の箱の穴
文句なし!まさか、安部公房の作品が現代にマッチするとは。
文句なし!素晴らしかったと同時に色々と考えさせられた。
一般紙の夕刊文化欄で箱男の特集記事を読み、ぜひ観たいと思い
観たがまさに期待通り。
原作は安部公房の作品からだが、まさか今のネット・SNS社会に置き換えると
これだけマッチするとは思わなかった。
色々、考えさせられた。原作も購入したので、じっくり味わいもう一度観たい作品。
脳はフル回転しますが。
永瀬正敏、浅野忠信ら出演者の演技も素晴らしかった。
ぜひ続編が観てみたい。今度は令和版箱男で。
2024年邦画ベスト10でもおかしくないし、ベスト3には入る作品。
おすすめします。
解き放たれる生命をも感じさせる快(怪)作!
アバンギャルドな作品だ!
これまでも、前衛的な映画は観てきたが、
あくまでも頭の中で理解であって、感覚的にはよく分かってなかった。
が!!
本作はまぎれもなく導入部分から、「前衛的な映画」と、感性が揺さぶられた!
監督名や予告編を見て「アート系作品側かな?」と、構えてしまうが、
観てみたら、エンタメかつギャグであり、ミステリー的な要素が目立つ。
まずさ、渋川さんの役名が「ワッペンこ●き」(笑)。面白すぎでしょ。
そして、日本を代表する名優陣が、箱の中に入って、演技する。
目線しか出ていない。目線だけでも表情が伝わる!
ほぼダンボールがメインアイテムであり、メインウェポン。
ダンボールの中はあんなに広くないし、機能的なスペースがあるわけない。防御性も機動性もあるわけない。そんなフツーのダンボール箱なはずなのに、アクションシーンは、SF的戦闘ロボット映画を見ているようなかっこよさと興奮がある。不思議だ・・・。
メインキャスト4名の天才的な芝居。
終盤のロマンスなんて、
アダムとイヴに見えて、新しい世界の幕分けが始まると思うぐらい繊細さを感じた。
プロのオトナたちが創造と全力で闘って、楽しんでいる感じ。
石井作品の新しい歴史になる快(怪)作になるのではないか??
自分の家にある箱が目に止まるようになるし、なんなら、BOXを自作しちゃおうかと思うくらい、”ダンボール戦士”は魅力的なキャラクターに描かれている。
観た人にはいろんな解釈が出てくる映画だけど、2時間、スクリーンに釘付けになることは間違いない。つまんない、と思わずに楽しめる貴方はすなわち・・・箱男だっ!!
では、最後に。
必殺武器はワニのぬいぐるみさ!(爆)
わかりやすいが、難解・抽象的 まさに『印象から読み取る』安部公房の世界
安部公房 と言えば 『砂の女』
まさに 考えさせる 同様の作風
単純だけど 難解
佐藤浩市さんが 有料パンフ🈶で記載している
誰かの❓言葉の引用 『深淵を覗く時 深淵もまた こちらを覗いている』
『本物 ニセモノ にバリア無し 大きな意味は無い』
自己の存在証明を放棄した先に何があるのか❓映画
パンフはじめ SNS社会の予言 でまとめてるけど
安部公房さんの1973 当時でも 人間の本質は同じ
有料パンフ🈶は ダンボール的デザインが良い
読みやすい ただ 解説コラム 的なものは 深い
1997中断のいわくつき作品
当時のメンバー 永瀬正敏 佐藤浩市 ➕浅野忠信 の役者陣が超渋くて良い 娯楽として
オーディションの白本彩奈さんが 身体を張っている。是非スクリーンで❗️
逆に言うと 強制力 映画館で缶詰🥫状態でこそ この作品の良さがわかる
配信だと 途中放棄してしまうかも。
一部 わからないとこあったけど それはそれで良し
各人様の理解力に応じて それぞれ感想あるべし
不条理だけども 難解🧐だけども 誰でもわかる PG12作品 結構中規模の器 客入ってた。
ただ 俺は この酷暑でダンボールは嫌だなぁ【独白】
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