「箱が可愛い」箱男 和音さんの映画レビュー(感想・評価)
箱が可愛い
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もちろん、汚いし臭そうだ。
しかし、箱の被り物が走ったり突然手を出してきたりして演出の妙だと思うが、戦ってるところなんか萌すら感じました。
暗い独特な雰囲気の映画にあってブラックジョークでエンターテイメント性を発露させています。
三谷幸喜のように分かりやすくエンタメしてるわけではないので一見とっつきにくいけれど、こちらも爆笑必至です。
ただ映画館の中はそんな雰囲気でもないので、我慢しつつでちょっと大変でした。
さて、原作者は安部公房でwikiに載っていたけれど原稿用紙300枚の本作を書くのに3000枚の原稿用紙を書き潰したって逸話があるらしいです。
この話からも分かる通り、難解です。
段ボールは社会と自分を切り離すガジェット。切り離すであって隔離されるわけではないのがズルい所であり、箱の魅力だと思う。
被ったことないので想像だけだけれど、きっと子供の頃の秘密基地に近い。ワクワクやドキドキを感じさせる高揚感がありそうだ。
とても上手い作りになっていると感心させられたのが、メモ帳の存在により、メタ構造自体を作品内で示唆する、いや指摘している。
世界5分前仮説のように誰かメモの筆者がいて今が存在している…かもしれない。
我々は誰かに動かされているのかもしれない。
SNSは見えない段ボール。社会と相互に接続していたら言わない言葉も出る。スマホひとつ持った私はもしかしたら箱男なのかもしれない。
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